「KAKUTAと川上弘美+Friends『神様の夜−プログラムD≪さようなら≫−』」
出演:川本裕之、原扶貴子、桑原裕子、志賀廣太郎(青年団)、水野美穂、後藤飛鳥(五反田団)、麻生美代子 日時指定・全席自由:2,500円(前売)、2,700円(当日)、通し券あり

読本:川上弘美「神様」(中央公論新社) 構成・演出:桑原裕子 プラネタリウム・東急まちだスターホール:矢吹浩 イラストレーター・映像クリエーター:KOJOPOM 漫画家・イラストレーター:柊ゆたか 映像クリエーター:土橋大輔 照明:西本彩(青年団) 音響・音響操作:島貫聡 音響操作:佐藤春平(sound cube) 舞台美術:横田修(タテヨコ企画) 舞台監督:金安凌平 選曲:真生 演出助手:田村友佳、高橋裕子 宣伝写真:相川博昭 宣伝美術:川本裕之 制作協力:佐竹香子(InnocentSphere) 制作:前川裕作 A・B:6月23日〜7月1日 C・D:7月7日〜15日

2007年7月7日(土)〜15日(日)/恵比寿・ギャラリーSite/http://www.kakuta.tv/
桑原裕子さんが作・演出を手がけられる劇団、「KAKUTA」による最新公演はリーディング。今回は恵比寿のギャラリーで4週間にわたり、4プログラムを連続上演すると言う企画です。
読本は川上弘美さんの短編集「神様」。A・B・Cを残念ながら見逃してしまい、Dプログラム「さようなら」に足を運びました。今まで見逃していたのが悔やまれる、素晴らしい作品でした。

JR恵比寿駅から徒歩で7分ほどでしょうか。お洒落なビルの地下にひっそり佇む、ギャラリー“site”が本公演の会場です。ギャラリーは床も壁も真っ白な空間で、L字型に演技スペースを客席が囲む構造。非常に小さくて客席にも限りがありそうな、密度の濃い贅沢な空間でした。
ギャラリーに入場してみると、既に役者さんが椅子に腰掛けて読書をしています。演技スペースの中央には人工芝が四角く引いてあり、取り囲むように段差のあるセットが組まれています。セット言っても非常にシンプルで抽象的なのですが、照明や選曲など、とても居心地のいい空間作りが施されていました。
リーディング作品だと聞いていたのですが、しっかり朗読という手法に重点を置きつつも、自由で演劇的な要素も多々ある仕上がりでした。基本的に語り手は本を片手に朗読していきますが、登場人物は台詞を覚えているので、本を持たずに演技をするスタイルでした。
上演時間は1時間弱だったのですが、とてもとても贅沢な時間だったと思います。KAKUTAから素敵な贈り物をプレゼントされたような、お持て成しをしてもらったような。そんな作品でした。
くまに誘われて散歩に出る。川原に行くのである・・・。
都会の隠れ家で初めて出会う、ふたたび出合う、9つの物語。
夏の始まりに訪れた、うららでせつない、神様の夜。
朗読の夜シリーズ最新作。川上弘美の短編小説「神様」より、表題作ほか過去の朗読の夜シリーズで上演した作品を含む全9作品を、4週間、4プログラムで連続上演。豪華俳優陣&クリエーターゲストを招いて贈る、KAKUTAと読書の夏休み。
あなたを見送って、わたしは神様にお祈りをした。
四季はうつろい、別れもやがて静かに訪れる。
プログラム最後を飾る2作品は、
鮮やかな映像美と染み入る語りで、
やわらかに深く、おとどけします。
−−−−−WEB「KAKUTA」より
このDプログラムで朗読される作品は全部で3つ。不慮の事故で亡くなってしまった叔父と姪の「花野」、熊と人間のピクニックを描いた「草上の昼食」、そしてオリジナルの「さようなら」。
とても不思議な手触りの作品なのですが、同じぐらいの味わい深さもありました。死者との語らいだったり、熊とのピクニックの話だったり、現実ではありそうにないことを描いた作品でした。
コミカルで朗らかな語りによって、楽しく拝見・拝読できました。でも心のなかでは楽しい気持ちと反面して切なく、どこか郷愁にも似た感覚が混在しています。そんな感覚が心地よかったです。
選曲や衣装のセンスがお洒落でした。白い空間にカラフルな色使いが映えていて、とてもチャーミングで爽やかな印象です。さり気無い間接照明なども効果的に舞台を演出していました。
また、たびたび映像が真っ白いカーテンに映写されます。アニメーションのようなものだったり、具象的な写真だったり・・・。バリエーションがありますが、一環したコンセプトがありました。
役者さんは皆さん活き活きしていて素敵でした。特に麻生美代子さん、志賀廣太郎(青年団)さんといったベテラン俳優さんのお芝居を小空間で、そう、間近で観られたのが嬉しかったです。
川上 弘美著
中央公論新社 (2001.10)
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