出演:内美由紀(青年団)、工藤由佳子、佐藤誠(青年団)、高坂明生、萱森由介、工藤静香(劇団夢遊病社)、宮越昭司(劇団雪の会)、藤本英円、三上晴佳、山上由美子、ささきまこと

作・演出・舞台美術:畑澤聖悟 音響:藤平美保子 照明:葛西大志 プロデュース:佐藤誠 制作:工藤由佳子 制作助手:野宮千尋 ドラマターグ・演出助手:工藤千夏 装置:萱森由介 宣伝美術:木村正幸(ESPACE) 主催・企画制作:渡辺源四郎商店 ¥3,300円〜1,000円

2007年7月12日(木)〜16日(月・祝)/下北沢ザ・スズナリ/http://www.xbb.jp/wgs/
畑澤聖悟さんが作・演出を手がけられる「渡辺源四郎商店」は、青森市を拠点に活動をしているプロデュースユニットです。今回は6月からの青森公演を経ての東京公演でした。
東京公演ではチラシビジュアルが夕日の写真で重なっているため、青年団リンク・青☆組『おやすみ、枇杷の木』と共同で『サンセット“半券”割引』が実施されました。ユニークな企画ですね。

今まで触れてきた畑澤作品のなかでも、最も切迫した状況下にある人々を描いた作品でした。“地球温暖化の進んだ地球”という近未来が舞台ですが、決して他人事とは思えない静かな迫力があります。切迫した状況下でも変わらない、逆に際立つのかも知れない普遍的な人間関係の移ろいが、じっくり丹念に描かれます。
上演時間は休憩なしの1時間40分弱です。渡辺源四郎商店ならではの静かな会話劇でした。独特の空気感や雰囲気が常にあり、言葉や間合いなどの細部まで浸透している・・・、そんな一貫したコンセプトが今作でも効果を発揮していました。
畑澤聖悟、待望の書き下ろし。
地球温暖化の進む20XX年。青森県小泊(こどまり)にある大照神社(おおてるじんじゃ)に暮らす老宮司の元に、行方知れずの息子が30年ぶりに帰ってきた・・・・。
−−−−−WEB「渡辺源四郎商店」より
シンプルで抽象的な舞台美術が客席まで大きく迫り出しています。後方には赤いパネルで作られた壁があり、ステージには低い卓袱台のような机があるだけ。照明も然りです。
ユーモアがあるのに重厚かつ硬派な仕上がりで、非常に余韻の深い作品だと思いました。個人的には全体像を上手く掴めないままで悔しい限りでしたが、それでも心に一つや二つ確かに作品から得たものが残るのです。やはり渡辺源四郎商店の作品は見逃せないと痛感しました。
笑いも随所に散りばめながら進行しますが、だからこそ緊迫した場面が際立っており、作品全体の構造が巧妙だと思いました。また、劇中わざと役者さんが大げさに演技する場面があるのですが、これもまた極端にデフォルメされたものから、深刻で深いものが浮かび上がるでしょう。
津軽弁を話す人物が数人登場します。分からない台詞も多かったのですが、ディスコミュニケーションの構造が明確に見えていた気がして、非常に面白く拝見することが出来ました。