「珍しいキノコ舞踊団『あなたの寝顔をなでてみる。』」
出演:井出雅子、山田郷美、佐藤昌代、篠崎芽美、伊藤千枝

構成・振付・演出:伊藤千枝 演出補:小山洋子 振付協力:珍しいキノコ舞踊団 舞台監督:野口毅 照明:関口裕二(balance,Inc.DESIGN) 音響:金子伸也 美術:モリオ 衣裳:New WORLD SERVICE 宣伝美術:稲葉まり 宣伝写真:片岡陽太 撮影協力:P−House 制作:大桶真、長谷川純子(パブロフ) 制作協力:カンバセーション 主催:珍しいキノコ舞踊団 財団法人武蔵野文化事業団 チケット(全席指定):4,000円 ※東京公演後、他地域公演あり

07年7月10日(日)〜16日(月・祝)/吉祥寺シアター/http://www.strangekinoko.com/
振付家でダンサーの伊藤千枝さんが主宰を手がけられる「珍しいキノコ舞踊団」は、女性のみで構成されているコンテンポラリー・ダンスカンパニー。劇場以外でも多くの作品を発表し、日本にとどまらず海外でも精力的に活動中です。首都圏での新作初演は2年4ヶ月ぶりとのこと。
吉祥寺シアターでの7日間7ステージの公演はもちろんSOLDOUT!当日券で拝見しました。開演間際にはキャンセル待ちの列がズラリと出来ていて、人気の程を実感しました。

近づいては離れ、離れては近づいていく・・・。そんな柔軟でアクロバティックな身体表現や、日常的な動作をデフォルメしたようなキャッチーな振付。ビックリするほどにキュートで、ビックリするほどに刺激的でした。
たくさんの遊び心やとびっきりのユーモアで装飾された、1時間弱のお洒落で可愛らしいステージです。ポップな現代美術のような作品でした。しかも可愛いだけではなくて、オリジナリティーやビビットな刺激もあります。
上演中は自分の直感を頼りにとにかく楽しく拝見していました。終演後は作品に対する思考が頭の中を巡って行くような感覚で、心に残るそんな深い余韻が印象的。
近作は家具との絡みが多い作品を創作されてきたとのこと。今作では家具などのセットをいっさい排除した空間でしたので、ダンサー同士の関わり(絡み)が明確に伝わって来ました。
特に2人のダンサーがたわいもない会話をしながら、身体を複雑に交差し絡み合う場面が印象的でした。ダンスを通すことにより、日常的なコミュニケーションの面白さを感じました。
黄色やオレンジなどの温かみがある色合いの布(カーテン)が、客席面を除く三方向に多く吊るされている四角い抽象空間。ダンサーが踊ると風で布が靡くのが素敵で、抽象的なれど美術全体の質感が素晴らしかったです。影やピンスポを巧妙に使う照明も見事な仕上がりでした。
衣装は軽装というかカジュアルなもので、多彩な色使いが抽象空間に映えます。それぞれバリエーションがあるのですが、一貫したコンセプトがあるので舞台に効果的に反映されていました。
選曲はポップスやボサノバ、インストゥルメンタル、はたまたロックなど幅広いセレクション。一曲一曲が突出しているにも拘らず、全体が調和されているのが巧妙だと思いました。