「椿組07年夏・花園神社野外劇『花火、舞い散る』」
出演:井之上隆志、恒松敦巳、田渕正博、木下藤次郎、麻乃佳世、中原三千代、内田もも香、井上カオリ、長嶺安奈、犬飼淳治、西條義将、野本光一郎、伊藤俊輔、大関真、星野園美、高橋麻理、和田ひろこ、伊藤新、林英次、平塚真介、宮本翔太、鳥越勇作、根本大介、李峰仙、和泉歩、岡村多加江、浜野まどか、一柳みる、モロ師岡、外波山文明

脚本・演出:田村孝裕 照明:沖野隆一 美術:加藤ちか 音響:青蔭佳代 衣装:小原敏博 振付け:伊藤多恵 殺陣:山田一善 舞台監督:吉木均 宣伝美術:黒田征太郎・長友啓典+K2 プロデュース:椿組、外波山文明 料金:4.500円〜2,500円(割引、自由席、指定席あり)

2007年7月13日(金)〜22日(日)/新宿花園神社境内特設ステージ(客席テント有り350名〜、小雨決行)/http://homepage2.nifty.com/tubakigumi/hanabi.html
夏の恒例となっている、椿組による花園神社野外劇。今年の作・演出を手がけるのは、ONEOR8の田村孝裕さんでした。10日間毎晩7時からスタートし、合計で10ステージ行われます。
例年のように花園神社の構内に野外劇場が特設され、役者さんたち自らがお客さんを迎えてくれます。いざ飲み物や団扇を片手に会場へ。上演時間は休憩なしの2時間10分強です。

「前園煙火」という花火工場を舞台にした、花火職人たちの夏を描いた群像劇でした。大勢の登場人物をひとりひとり丁寧に描いていて、しかも多くのエピソードをしっかり纏め上げています。非常に見事だと思いました。
次第に職人たちの歯車が少しずつ、でも確実にずれていきます。人間関係の揺れ動きをはじめ、悲劇的な結末へと疾走して行く過程にも説得力がありました。最後には歯がゆく切なく悲しい、そんな混在した想いがこみ上げて来ました。
でも常にカラッとした夏の陽射しにも似た明るさがあり、ユーモアや笑いも適度に散りばめられます。だからこそ終盤の展開が、胸に迫るのかも知れません。
“トンボにハチマキ”という意味のトンパチ。頭の大半が目のトンボがハチマキをすると何も見えなくなることから、後先を考えない危険な人物を指す。そんなトンパチな花火師達が揃う煙火会社「前園火工」。とそれらを取り巻く近隣の人達。競争会社の花火工場の人達・・・・・。・・・工場閉鎖を決めた前園火工が、今年最後の花火大会を迎える。花火工場を舞台に、花火師たちの夏を描く群像劇。
−−−−−WEB「Corich舞台芸術!」公演情報より
花火工場の外観を中心としたようなセットが組まれていました。終盤の大胆な場面転換をはじめ、バイクが舞台に走りこんできたり、水をよく使用するのは野外の醍醐味を感じました。
拝見した日はただでさえ気温の高い日でしたが、客席は通路までお客さんで埋まる盛況ぶり。舞台のみならず客席のボルテージも非常に高いステージでした。決して快適な環境での観劇ではありませんが、野外劇の醍醐味を肌で感じることができるので、作品の内容とは裏腹に非常に楽しい観劇体験となりました。今作「花火、舞い散る」も夏にピッタリな作品だと思います。