「トヨタコレオグラフィーアワード『ガラ−東京公演−』」
出演:植木美奈子、土井唯起子、矢嶋久美子、田中美沙子、大江麻美子、清家悠圭、山崎広太、小西建太朗、横谷理香、後山阿南、烏山茜、菊沢将憲、高山力造、畠山勇樹、蓑輪壮平

上演作品:黒田育世振付「SIDE B」、山崎広太振付・出演「イルカ狂」、砂連尾理+寺田みさこ振付・演出「あしたはきっと晴れるでしょ」、黒田育世振付「モニカモニカ」より

2007年8月4日(土)〜5日(日)/シアタートラム/http://setagaya-pt.jp/
二年に一度開催される「トヨタコレオグラフィーアワード」は、国内の振付家の発掘と育成を目的にした公開選考会です。今年は2008年度の開催を踏まえつつ、前回までの受賞者が出演するガラ公演が、2006年度の受賞者・
白井剛さんによる受賞者公演と共に行われました。
約30分間の異なる4作品を一度に見れる貴重な企画で、休憩を2回含める2時間30分強の構成。ワークショップメンバーとの作品創作など、非常に意欲的な企画だと思いました。
■黒田育世振付・演出『SIDE B』(2002年初演)
出演:植木美奈子、土井唯起子、矢嶋久美子、田中美沙子、大江麻美子、清家悠圭
オリジナル照明プラン:足立恒 衣装:後藤寿子 音楽:Johann Sebastian Bach,Seigen Ono,Linda Perry プロデューサー:高樹利佳子

自虐的で激しく切迫するように踊り狂う女性たち。髪を振り乱して踊るさまは、まさに一心不乱。舞台を覆い隠す燃えるような赤色の幕、主張するような選曲や衣装、さり気なくもバリエーションのある照明。どの分野も素晴らしいクオリティに高められていて、「BATIK」というカンパニーの魅力が凝縮されたような素晴らしい作品でした。
■砂連尾理+寺田みさこ振付・演出『あしたはきっと晴れるでしょ』(2000年初演)
出演:金沢ワークショップ(小西建太朗/横谷理香)
照明プラン:吉本有輝子 音響プラン:宮田充規 音楽:J.P.A Martini,
Gustav Mahier,Jakob Ludwig Felix Mendelssohn,Johanes Brahms

爽やかで素朴な出で立ちの男女が、2脚の小さな椅子を持って現れます。近づいては離れていき、離れては近づいていく男女の姿。離れていても確かにそこにある関係性、それがダンサーの身体で具体的に、時に抽象的に体現されていたと思いました。選曲のお洒落なセンスも印象的。
■黒田育世振付『「モニカモニカ」より』(2007年初演)
出演:福岡ワークショップ(後山阿南、烏山茜、菊沢将憲、高山力造、畠山勇樹、蓑輪壮平)
音楽:松本じろ ワークショップ・アシスタント:長尾忍 プロデューサー:高樹光一郎

カラフルでラフな格好の男女がお互いに影響しあい、時に激しく時に優しく交流していく様子を、松本じろさんによるギターの生演奏でつむいでいく。時より自虐的で激しい叫びにも似た踊りのなかに、その様子を優しく見つめる眼差しが常に、そして確かに存在していた印象を持ちました。
■山崎広太振付・出演『イルカ狂』(本プロダクションで初演)
出演:山崎広太 照明デザイン:関口裕二(balace.inc DESIGN) 音楽:Cocteau Twins,Biosphere,Charies Camille Saint−Saens

ボソボソと脈略のないことを語ったり、突如として踊り始めたり・・・。終演後に何を伝え表現したかったのだろう、と思考してしまうような、良くも悪くもつかみどころのない作品でした。今回の4作品のなかで比較してみると、最も強烈で出色した印象を持つ作品だったように思いました。