「時間堂『おやつの時間堂/本番観劇≪proof≫』」
出演:根津茂尚(あひるなんちゃら)、玉置玲央(柿喰う客)、清水那保(DULL−COLORED POP)、足立夕夏(InnocentSphere) ¥1,800(公開制作/7日間フリーパス)

脚本:デイヴィッド・オーバーン(David Auburn) 翻訳:谷賢一 演出:黒澤世莉 演出助手:谷賢一(DULL−COLORED POP)、佐伯風土 制作:田中沙織、境広子 大和美由紀 ビデオ撮影:大澤大介(大澤大介事務所)、$堂 提携:王子小劇場 主催:時間堂

07年8月19日(日)/王子小劇場/http://www.seriseri.com/jikando/
黒澤世莉さんが演出を手がけられる「時間堂」。今回は番外企画「おやつの時間堂」の最新公演ということで、「稽古場→リハーサル→本番」を全公開するというプロダクションです。
上演する戯曲は2001年にトニー賞最優秀作品賞、ピューリッツァー賞を受賞した『proof』。そしてこの戯曲を使い、王子小劇場で1週間かけて作品を創作しての、本番に足を運びました。

スタジオのようなフリースペースの空間。王子小劇場の天井が高いこともありますが、非常に風通しの良い開放感がありました。舞台を囲むように壁際に一列ずつ客席が設置されています。大道具は白い木製のテーブルと椅子が2脚あるだけで、衣装もまた簡潔で簡易なものでした。小道具はすべて白い紙で表現されます。それを役者さんが舞台上で折ったり切ったりして変化させ、マジックで表現している物の名前を書きます。例えば「コーヒー」、「シャンパン」というように。
上演時間は15分間の休憩を含める、2時間30分弱と言ったところでしょうか。終演後には出演者、演出家、演出助手、翻訳家を交えてのポストパフォーマンストークがありました。
シカゴ大学の天才的な数学教授(根津茂尚)を父に持つ、2人の娘(姉:足立夕夏、妹:清水那保)、そして教授の元・生徒である青年(玉置玲央)の4人だけによる会話劇です。非常に素晴らしい戯曲だと思いました。奥深くウィットに富んだ会話、盛り込まれるユーモアや感情の揺らめき。人と人とがコミュニケーションを行う様子、若しくは行おうとするプロセスに感動しました。
役者さんに発展性や可能性を感じる箇所はありましたが、王子小劇場という濃密な空間でじっくりと戯曲や演出、そして役者さんを味わえたのは貴重な体験だったと思います。
また、簡易な空間での上演にここまで惹かれるのは、役者さんや演出の力が大きく関係しているであろうことを、強く実感しました。特に妹・キャサリン役の清水那保さんが素晴らしかったです。