「TPTフューチャーズ『The Distance From Here−ここからの距離−』」
出演:土田祐太、小谷真一、植野葉子、小林夏子、千葉哲也、香子、関鐘美、龍弥、小川祐弥

脚本:ニール・ラビュート 訳:常田景子 演出:千葉哲也 装置:萩野緑 照明:笠原俊幸 衣裳:原まさみ ヘア&メイクアップ:鎌田直樹 舞台監督:村田明 アクション:渥美博 演出部:大島朋子、板倉麻美、深瀬元喜 照明オペ:三輪弓子 音響オペ:熊野大輔 衣裳部:胡桃澤真理、森映 ヘア&メイクアップ:梅澤裕子 照明:(株)沢田オフィス 大道具:(有)C−COM 桜井俊郎 武田寛 背景美術:(有)美術工房拓人 松本邦彦 小道具:高津映画装飾、烏城きよし 衣裳製作:砂田悠香理、横田裕二 COODINATOR:マーチン・ネイラー

2007年8月17日(金)〜26日(日)/ベニサン・ピット/http://www.tpt.co.jp/
ワークショップで選ばれた若い役者さんと立ち上げる、『TPTフューチャーズ−Summer 2007』の第2弾。今回のプロダクションでピックアップされた戯曲は、ニール・ラビュートさんが2003年に発表された「The Distance From Here」。本邦初演の作品です。昨年のTPT『スラブ・ボーイズ』で「読売演劇大賞優秀演出家賞」を受賞した千葉哲也さんが、演出を手がけられます。

舞台は一昔前のアメリカ。ワシントン高校に通う3年のダレル(土田祐太)は、ティム(小谷真一)と共に学校をサボって町を徘徊してばかりいる。しかし、恋人のジェン(香子)の秘密を知ってしまったダレルは、ある行動に走ってしまい・・・。
洗練された空間のなかで生々しい感情を剥き出しにした、ダレルやティムといった登場人物達がただひたすらに生きていました。口から出てくるのは乱暴な言葉ばかりで、悪口や喧嘩が常に勃発するような彼らの姿は、どこか滑稽で可笑しく、そして愛おしく感じられました。普遍的な人間の弱さを鋭く描写していますが、優しさと愛おしさを兼ね備えた眼差しが印象的な一作でした。上演時間は休憩なしの2時間10分弱です。
役者さんは技術が先行するのではなく、真っ直ぐに役柄の思いを伝えることを優先していて感動しました。ダレル役の土田祐太さん、ティム役の小谷真一さんが特に印象的。ステージ数が多いこともありますので、これから良い意味での変化が期待されるのではないでしょうか。
巨大な四角い柱が舞台左右に並ぶ黒く統一された空間、床は鏡のように反射する素材でシャープな印象を持ちます。舞台を斜めに横切るように白い長テーブルが配置され、周囲には現代のアメリカを象徴的に表現する日用品などが置かれています。さまざまなものが混在した空間なれど、シャープでスタイリッシュに纏められたカッコ良い空間でした。色つきの蛍光灯やビニール素材を使用した幕の演出効果も鮮明に記憶するほど、強く印象深いものとなって心に残っています。