「文学座+青年団自主企画交流シリーズ/青年団リンク・RoMT『the real thing』」
出演:仲俣雅章、村田牧子、征矢かおる、酒井和哉、村井まどか、川辺邦弘、バビィ

脚本:トム・ストッパード 訳:吉田美枝 演出:田野邦彦 美術:鈴木健介 照明:西本 彩 音響:薮公美子 舞台監督:桜井秀峰 宣伝美術:京 宣伝写真:山本尚明 制作:RoMT+野村政之 総合プロデューサー:平田オリザ 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 共催:文学座/青年団 チケット(日時指定・全席自由・学生など各種割引あり):1,200円〜3,000円

07年9月5日(水)〜11日(火)/こまばアゴラ劇場/http://www.seinendan.org/
「文学座+青年団自主企画交流シリーズ」が、2006年に引き続き今年も開催されます。そんな長期間に及ぶシリーズの第一弾となるのが、青年団リンク・RoMT(ロムト)による新作公演。青年団演出部に所属される田野邦彦さんの演劇ユニットで、上演作品は1986年に文学座によって日本初演された、トム・ストッパード作「the real thing」。翻訳は吉田美枝さんが手がけられます。

劇場の受付でチケットを受け取って、思わず嬉しくなりました。トランプの形態やデザインを模したチケットで、開演から作品の世界に誘ってくれました。今回は長方形のこまばアゴラ劇場を横使いにした空間が設えてあり、僕は舞台を三方向から囲む客席の正面側から拝見しました。僕が知る限りでは正面の席がオススメかな、と。
簡潔なれど刺激のある舞台美術がとても印象に残ります。家具が陳列された空間は具象や抽象の要素がミクスチャーされており、モノトーンな色彩感覚やさり気無い照明も舞台を彩ります。また、選曲や場面転換などの部分も特徴的な仕上がりで、非常に効果的だったと思いました。
田野邦彦さんが手がけられた演出がとても心に残るもので、これから追いかけたい演出家の方にまた1人出会えました。スタイリッシュ、クール、シャープなどの言葉が当てはまるような、全体を通してみると簡潔に仕上げられつつ、オリジナリティが光るスタイルだったと思います。
しかし、僕にとって今回上演された戯曲は、あまり肌触りの良いものではなかったようです。例えば登場人物に感情移入が出来たわけでもなく、どちらかというと物語に距離を感じてしまいました。随所で惹かれたりする場面や言葉に出会えましたが、全体を一貫して伝わってくるものに、僕は触れずに終演に至ってしまったようです。また、2時間5分弱の上演時間は若干長く感じました。