「ヒンドゥー五千回/サンモールスタジオ提携公演『渋柿の行方』」
構成・演出:扇田拓也 出演:谷村聡一、原扶貴子(KAKUTA)、久我真希人、長谷川有希子(reset−N)、平野圭(ONEOR8)、向後信成、藤原大輔、扇田拓也、西田夏奈子、岸浪綾香(ボールドカーテンズ)、石黒圭一郎(劇団コーヒー牛乳)、宮沢大地、成川知也

舞台監督:甲賀亮 美術:袴田長武+鴉屋 照明:宮崎正輝 音響:井川佳代 宣伝写真:降幡岳 宣伝美術:成川知也 WEB:H5000project、くろしゃち 製作:H5000project 企画・主催:ヒンドゥー五千回、H5000project 全席自由・日時指定:¥1,500〜¥2,500

07年9月14日(金)〜 24日(月・祝)/サンモールスタジオ/http://www.h5000.com/
「ヒンドゥー五千回」は扇田拓也さんが構成・演出を手がける劇団です。約2週間に亘っての全16ステージに及ぶ最新公演「渋柿の行方」が、サンモールスタジオで幕を開けました。8月下旬には稽古場見学にお邪魔した公演なので、いつも以上に楽しみにしながら、初日に足を運びました。
17日(月・祝)の公演まで早期観劇割引が適応されます。通常だと一般が¥2,500ですが、17日までは500円安い2,000円で拝見できます。上演時間は約1時間45分でした。

「家族」という枠組みのなかでの人と人との繋がりが色濃く、そして人間の葛藤や感情の揺らめきが、さりげなく確かに描写された作品だったと思います。徐々に浮かび上がってくるストーリー、暗示するような要素を散りばめる構成の巧妙さが光りました。
理解に苦しみ理解しようとすることを諦めた人物、理解に苦しむことを肯定しようとする人物との対比が、特に印象に残りました。相手が家族であれ友人であれ、肯定したり、肯定したいと思うことで、絆のようなものが生まれる気がします。
突飛で驚かされるような事件やテイストが盛り込まれたり、日常と幻想のラインが曖昧になる瞬間があるなど、ヒンドゥー五千回が確立しつつある独特の世界が健在していました。また、今回は普遍的で親しみやすい要素が比較的多く、全体的に散りばめられていた印象を持ちました。間口が広いように思いましたが、若干僕の肌には合わなかったのが正直なところ。今作ではヒンドゥー五千回の幅の広さや、オリジナリティのなかでの飛躍を感じられたのが嬉しい発見でした。
残念だったのは初日らしい初日、という印象を持ってしまったことでしょうか。長い期間に亘る公演なので、これから更にブラッシュアップされるのではないか、という期待を寄せています。
また、劇団員の方々が素晴らしかったです。やはり一番この作品世界を巧妙に体現できているんじゃないかな、と思いました。客演の方では西田夏奈子さんが出色されていて印象的です。
舞台美術はステージの面積を広く取っているのもあると思いますが、それでもいつもに増してサンモールスタジオの空間が広々して見えました。障子を照らす照明が効果的で美しかったです。
「諦念の世界」を描くヒンドゥー五千回。
2007年第二弾『渋柿の行方』のテーマは「絆」。
不器用な人間を不器用に描く、ヒンドゥー流
困惑と成長の家族の物語。−−−−ーWEB「こりっち」より