【サンフランシスコ(米カリフォルニア州)高橋秀明】米大リーグ、ジャイアンツのバリー・ボンズ外野手(43)は7日、当地で行われたナショナルズ戦で、大リーグ通算本塁打記録を更新する756号を放った。
これまでの大リーグ記録保持者は、1974年にベーブ・ルースの714本塁打を抜いて歴代トップとなり、76年限りで引退するまで755本塁打をマークしたハンク・アーロン(ブレーブスほか)。
日本では王貞治・現ソフトバンク監督が868本塁打を記録している。
サンディエゴで行われた4日のパドレス戦で、アーロンと並ぶ歴代1位タイの755号を打ったボンズは、5日の試合を欠場した後、6日から本拠地サンフランシスコに戻り、五回の第3打席にマイク・バクシック投手から今季22号を右中間に放ち、記録を塗り替えた。
ボンズはパイレーツ時代の86年にブレーブス戦で初本塁打。今季は22シーズン目。
史上最多7回の最優秀選手(MVP)に輝いているほか、01年にはマーク・マグワイアを抜くシーズン73本塁打の大リーグ記録を樹立した。
しかし、ここ数年は薬物使用疑惑の渦中にあり、連邦大陪審で薬物の意図的な摂取を否定したとされる証言を巡り、偽証罪の疑いも浮上している。
◇パワーと精密さ兼ね備えた打撃は、生きる芸術
ハンク・アーロンの大リーグ記録に並ぶ755本塁打を放ったボンズが、地元に帰ってきた。
右翼後方のサンフランシスコ湾の入り江には、カヌーやボートが756号を待ち構える。
試合前、サンフランシスコは青空が広がったが、冷たい風が海上を吹き抜ける。しかし世紀の瞬間を期待する熱気のようなものが、試合開始前からAT&Tパークと入り江に漂っていた。
細い体でメジャー1号を放ってから22シーズン目。史上初の400本塁打、400盗塁を達成するなど攻守走三拍子そろった万能型だったが、30歳代後半から肩甲骨周辺の筋肉が隆起し、たくましい二の腕を誇るようになった。
37歳の01年には73本塁打のシーズン最多本塁打記録を樹立。
本人がいくら否定しようが、筋肉増強剤の使用を繰り返し指摘されてきた。「すべての市民は有罪と証明されるまで潔白だ」というセリグ・大リーグ機構コミッショナーの言葉も、むなしく響く。
しかしイチロー(マリナーズ)が「理想の形」と語ったように、多くの大リーガーがボンズを究極の打撃技術を持った打者と認める。
優れた動体視力で追跡しながら極限まで引きつけた球を、コンパクトな高速スイングとバットコントロールで正確にとらえ、大きなフォロースルーで大空へ白球を飛ばす。パワーと精密さを兼ね備えた打撃は、生きる芸術といって過言ではない。
「黒人選手にとって、ハンク・アーロンは尊敬すべき存在。彼が道を開いてくれたおかげで、我々がいる」とボンズ。43歳の夏、偉大な先輩を、ついに追い越した
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