サハリンへの旅で出会った印象的なロシア人、その中で一人をあげるとすればアレクサンドロフスク市に住む
「スメカーロフ・グリゴーリー」
さんである。
2009年7月13日、寝台列車が到着した早朝のティモスク駅で、迎えてくれたのが郷土史家グリゴーリーさんだった。
共に旅をしていたロシア文学者中本信幸さんとは旧知の友人である。グリゴーリーさんは、アレクサンドロフスクに我々が滞在していた二日間、実に丁寧に我々をこまやかな心使いで案内してくれた。
車の中で、運転席に座っているグリゴーリーさんが、ロシア語で中本さんに話しかける。そのたびに、彼は必ず
「NAKAMOTO-SAN(中本さん)・・・・」
と名前を読んでから話が始まる。ロシア語の離せない私にとっては、最初の「中本さん」と呼びかける日本語の響きが、車窓を流れゆくサハリンの風景と共に忘れられない印象として今も残っている。
豊富な知識、体力、優しさ、ユーモア・・・。ロシア人という固いイメージを覆したグリーゴーリーさん。
帰国後、彼に写真を添付したメールを送った。彼とは、アレクサンドロフスクで英語で話していたので、その後、英語でのメール交換が続いている。
つい先日、一枚の写真が送られてきた。彼の書斎の壁に写真や絵が飾ってある。その中に、私の写真、書作品、ペン画などが何点も張られているのに気がついた。
彼は、私が送った写真だけではなく、私のホームページやブログも見てくれている。しかも、その中の作品を印刷し、チェーホフの肖像写真などとともに自分の書斎に飾っていてくれたのだった。
来年5月、彼は旭川に来る予定になっている。旭川では桜が満開の頃である。

0