2017/11/1

2017年10月の読書  

10月の読書メーター
読んだ本の数:18
読んだページ数:3856
ナイス数:547

クリスマスの思い出クリスマスの思い出感想
世にイノセントストーリーとして紹介されているこの物語がどこか切なく寂しげなのは、郷愁を誘うからというだけではなく、所々にちりばめられた死のイメージのせいでもある。クリスマスはいうまでもなく、キリスト生誕の祝いだが、語られる思い出は優しい気持ちだけでなく、生まれてそして生きていくことのしんどさつらさをにじませながら、それでも日々は続いていくことを、そしてまたそうした長い人生の中に幾つかは、いつまでも記憶にとどめておきたい幸福な瞬間があることを思い出させてくれる物語でもあった。
読了日:10月02日 著者:トルーマン カポーティ


女三人のシベリア鉄道 (集英社文庫)女三人のシベリア鉄道 (集英社文庫)感想
かつてシベリア鉄道に乗って旅をした与謝野晶子、宮本(中條)百合子、林芙美子という三人の女性の足跡を追ったなんとも欲張りな紀行文。あれこれと興味深いエピソードがちりばめられてはいたが、この三人の行程を追うだけでなく、著者本人の旅のあれこれも語られるので、とにかく情報が多い割に整理整頓ができていないとでもいうか、雑多な感じが否めなかった…と、文句を言いつつも、またまたあれやこれやと読みたい本のリストを伸ばしてしまったのもある意味お約束か……。
読了日:10月04日 著者:森 まゆみ


スターリンの鼻が落っこちたスターリンの鼻が落っこちた感想
“やまねこ翻訳クラブ”創立20周年記念読書会に参加するべく久々に再読した1冊。スターリンの粛正を少年の目を通して描いた作品のはずなのに、現代社会に通じるものがあって、なんだか恐ろしくなった。「わたしたちがだれかの考えを、正しかろうが間違っていようが、うのみにし、自分で選択するのをやめることは、遅かれ早かれ政治システム全体を崩壊に導く。国全体、世界をもだ」粛清の嵐が吹き荒れる校内に、たった一人ゴーゴリの『鼻』の講義を続けるルシコ先生の言葉がこだまする。舞台芸術出身の著者自身が描いたふんだんな絵も見所。
読了日:10月06日 著者:ユージン・イェルチン


おじいさんに聞いた話 (新潮クレスト・ブックス)おじいさんに聞いた話 (新潮クレスト・ブックス)感想
ロウジンスキーの私としてはかなり期待していたんだけどなあ……まあ、ちょっと今回は好みじゃなかったというか…。祖父が孫に語る話は、明るくなくても、法螺でも、はちゃめちゃでも…ある意味どうでもいいのだけれど、おじいちゃん自身に憎らしいけど憎めない魅力が欲しいんだよなあ。まあ、たぶん、先入観が強すぎるんだよね。読み手である私の方に。
読了日:10月06日 著者:トーン テレヘン


オープン・シティ (新潮クレスト・ブックス)オープン・シティ (新潮クレスト・ブックス)感想
変だなあ。どうも最近、クレスト・ブックスとの相性が……読み手がスレてきたのかな……。
読了日:10月06日 著者:テジュ コール


わたしのすてきなたびする目わたしのすてきなたびする目感想
やまねこ翻訳クラブ創立20周年記念読書会に参加すべく手にした絵本。作者の実体験を元に描かれた斜視の女の子が主人公の物語。前向きな少女とともに彼女の良きアドバイザーであるお母さんが素敵。とはいえ私が一番気に入ったのはぼんやりか見えない世界を描いた絵。私も小さい頃からメガネっ娘だったから、この感じよくわかるなあ。
読了日:10月07日 著者:ジェニー・スー・コステキ=ショー


世界食べものマップ世界食べものマップ感想
やまねこ翻訳クラブ創立20周年記念読書会に参加すべく長文レビューを書こうと再読。あらためて隅々までじっくりみると、アメリカのミシシッピ川には強面の「アリゲーター」が描かれていて「アリゲーターの肉はアメリカの食べもののなかでも、風変わりでめずらしいもののひとつ」なんてコメントが添えられていたり、はじめて眺めた時にはさらっと読み流してしまっていたあれこれがものすごく面白かった。
読了日:10月09日 著者:ジュリア マレルバ,フェーベ シッラーニ


ヤングスキンズヤングスキンズ感想
収録されている7つの中・短篇すべてが、経済破綻後のアイルランドの架空の地方都市グランベイを舞台にすることによってゆるやかにつながっている、アイルランドの新鋭によるデビュー短編集。正直に言うなら、若者たちのあまりの無軌道ぶりに途中で読むのをやめようかと思わなくもなかった。けれども文体の読みやすさも手伝って、あと一篇、もう一つだけと読み進めていくうちに無茶苦茶な中にも傷つきやすく繊細な心を見いだし、彼らを見捨てることができなくなってしまったのだった。とりわけ気に入ったのは中編「安らかなれ、馬とともに」。
読了日:10月11日 著者:コリン・バレット


なぜカツラは大きくなったのか?―髪型の歴史えほんなぜカツラは大きくなったのか?―髪型の歴史えほん感想
やまねこ翻訳クラブ20周年記念読書会に参加すべく宮坂宏美さんが翻訳された絵本を読んでみました。てっきりカツラの変遷を語る本だと思いきや、それにとどまらず、古今東西、人はなぜ髪型にこだわったのか、どんな髪型が存在したのか、髪や頭皮やカツラにどんなお手入れをしてきたのかなど、ユーモアたっぷりのカラフルなイラストと共に面白く紹介されていて、文化人類学的興味がかきたてられます。「歴史えほん」とあるけれど、大人のほうがハマりそうなあれこれが詰まった一冊でした。
読了日:10月13日 著者:キャスリーン クルル


ニック・シャドウの真夜中の図書館〈10〉逃げられないニック・シャドウの真夜中の図書館〈10〉逃げられない感想
やまねこ翻訳クラブ創立20周年記念読書会に参加すべく、手にした本。ニック・シャドウの真夜中の図書館シリーズは全15巻。なんでもイギリス発の大人気ホラーシリーズなのだとか。ニック・シャドウを名乗る作者も実は複数の作家集団らしく日本語版も6人の翻訳家が手分けをして訳したという。今回、私のお目当ては金井真弓さんの訳本でこのシリーズでは3巻・10巻・11巻を担当されているようだ。1冊ずつ読み切りなのでどの巻から読んでもいいのはうれしい。
というわけで早速読んでみたのだが…これがなかなかに…コワかった〜(><)
読了日:10月16日 著者:ニック シャドウ


キノコ雲に追われて―二重被爆者9人の証言キノコ雲に追われて―二重被爆者9人の証言感想
原書はNYタイムズの記者だった著者が、終戦から10年を機に長崎で取材したデータを元に書かれ、1957年にアメリカで出版された本だ。邦訳版出版は2010年の7月。アメリカのジャーナリストがアメリカで出版した被爆者に関する本。日本に紹介されるまでに長い年月を要した本。その2点に惹かれて読んでみた。著者の立ち位置から様々な「限界」はあるが、その「限界」を読み解く上でも、この本は“原爆のことなら既に知っている”と考えているあなたにも、ぜひとも読んでみて欲しい1冊でもある。核兵器のない未来の社会のためにも。
読了日:10月18日 著者:ロバート トランブル


文豪ストレイドッグス -1 (カドカワコミックス・エース)文豪ストレイドッグス -1 (カドカワコミックス・エース)感想
世間ではかなり人気があるようなのに読友さんたちの間では今ひとつ不評なこの作品、先日行った古本祭りで1,2巻売られていたので思わず手を伸ばしてみた。私は結構楽しく読んだ。だってこれ、そもそもこのストーリーの中で作家やその作品を紹介しようなどと本気で思ってはいないと思うのだ。作品を楽しんだ「文学」になじみのないこれを読んだ人たちが、作家やその作品の名前を覚えてくれればその時点でもうこの作品は十二分に成功しているのだと思う。まあ一番の高ポイントは「太宰」が活躍するからという気もしないでもないけれどw
読了日:10月20日 著者:春河35


大人のファンタジー読本 ~未知なる扉をひらく180選~大人のファンタジー読本 ~未知なる扉をひらく180選~感想
やまねこ翻訳クラブ創立20周年記念読書会に参加すべく手にした本。2006年に刊行された本書は、クラブ会員たちが「大人にとっても面白いファンタジー」をキーワードに古今東西の選りすぐり本180タイトルを紹介するファンタジーガイドだ。海外小説ばかりでなく、日本の作品も沢山紹介されているところが興味深い。添えられた解説を読みながら、なるほど確かに古今東西様々な物語を読み込んでいるからこそ、目利きにもなり、すぐれた翻訳もできるのだろうとうなずいた。
読了日:10月21日 著者:やまねこ翻訳クラブ


世界と僕のあいだに世界と僕のあいだに感想
品のある装丁で詩的なタイトルの比較的薄い本だ。若い父親が14歳の息子に語りかけるという体裁をとりながら、現代のアメリカ社会にあってアフリカン・アメリカンの男性がどのような境遇に置かれているのか、その要因はどこにあるのか、そうした社会とどう向き合っていけばいいのか、具体的な事件をあげながら熱心ではあるが過度に感情的になることなく一つ一つ丁寧に説いていく。だがその内容はと言えば、これはもうすさまじいとしか言い様がなく、突きつけられる“現実”に言葉を失う。おそらく私にとって今年一番の衝撃作!大事にしたい一冊。
読了日:10月23日 著者:タナハシ・コーツ,Ta-Nehisi Coates


読書マラソン、チャンピオンはだれ?読書マラソン、チャンピオンはだれ?感想
大の読書好きのケイシーは、全校挙げて取り組むことになった「読書マラソン」に夢中になって、“寝る間を惜しむ”ぐらいでは収まらず、本を読む時間が削られるのは困ると家族の行事をいやがったり、自分より多く本を読んでいるクラスメートの不正を疑ったり、クラスの成績をあげようと思うばかりに級友たちに本を押しつけたりと、次第にエスカレートしていくのだった…。いやいやこれはいろんな意味で耳が痛かった。人の振り見て我が振り直せ、私もちょっと読書生活を見直さないとな…って、本の中の小学三年生を見習ってどうする?!自分!!
読了日:10月25日 著者:クラウディア ミルズ


恋文の技術恋文の技術感想
読友さんのお薦めで苦手のモリミーにチャレンジしましたが、これは案外いけましたw
読了日:10月27日 著者:森見 登美彦


ガール!ガール!ガール!―ヨナ・ブラック白書〈1〉 (ヨナ・ブラック白書 (1))ガール!ガール!ガール!―ヨナ・ブラック白書〈1〉 (ヨナ・ブラック白書 (1))感想
やまねこ翻訳クラブ結成20周年記念読書会に参加すべく手にした本。てっきり、思春期の女の子の一人語りがあれこれと書かれているものと思っていたのだが、読んでみると女の子のことで頭がいっぱいらしい17歳の男の子の日記だった!ああこれはまさに、 ライ麦のホールデンや 赤頭巾ちゃんの薫くんのように、自意識で一杯一杯になった男の子の悩ましい青春小説なんだなあ〜と読み進めると、そうでありつつも、なぜだがやたらとさわやかで、「舌かんで死んじゃいたい」ような気分に陥る心配も無く心地よくさえあった。
読了日:10月29日 著者:ヨナ ブラック


早稲田文学増刊 女性号 (単行本)早稲田文学増刊 女性号 (単行本)感想
文芸誌に手を出すとキリが無いから、普段は避けて通るのだけれど、これはやっぱり読まなきゃと意を決して発売前に予約したのは正解だった!詩あり、短歌あり、俳句あり、小説あり、エッセイあり、 対談あり、座談会あり、論考あり、図版ありとその内容は実にバラエティに富んでいて、正直なところ隅々まで読み込んだわけでも、全部が全部楽しめたわけではないが、アディーチェもウルフも盛可以も多和田葉子もと十二分に読み応えがあり、ずっと手元に置いておきたい1冊だ。
読了日:10月30日 著者:早稲田文学会

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