2008/5/23
深夜を車が走る。
でも、もう怖くないよ。
不思議な少女があなたを連れてきてくれたから。
彩花のアパートに着いた。
助手席を見ると、ありすはすやすや眠っている。
「このまま、ありすを連れて行くよ」
外に出ると遼が言った。
「ありがとう。本当に遼が来てくれてよかった」
いつもの何倍も遼が頼もしく見えた。上目づかいで見上げると遼の顔が近づいてきた。唇が重なる。離れると吐息が漏れた。
「無理はするなよ。彩花はすぐひとりで何でもしようとするから」
「うん、わかった」
「仕事探しも焦るなよ」
遼には、何もかも見透かされている。こくりと彩花は頷いた。
「ありがとう。お母さんによろしく」
車の中でありすは二人を見ていた。遼が車に戻ってくると目を閉じた。
彩花は、車が遠くに消えるまで見送った。
(続く)
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