
カーリングカップ決勝で、以前から指摘され続けてきたディフェンスの脆さを突かれて、格下バーミンガムに優勝をさらわれて以来、2週間でチャンピオンズリーグ、FAカップで立て続けに敗退、リーグ戦でも首位マンUに水をあけられ、見事に失速してしまったアーセナル。現在リーグ2位とはいえ、一度引退したレーマンをGKに据えている状況を見ると、とても逆転優勝できる体勢には見えない。このまま、地味に2位で終わる気がする。
もちろん、他のチームが選手獲得に費やした額を考えると、偉業には違いない。しかし、ベンゲル監督の若手育成重視の姿勢が、あまりにも意固地に守られすぎ、ここ数年GKをはじめ、ディフェンスラインが弱点であり続けたことには間違いないだろう。
そんな中、29.9%の株式を保有していたアメリカ人スタン・クロンクが、ほかの大口株主2名から株を買い取り、保有割合を一気に62%にまで引き上げた。シティのTakeover Codeに従い、他の前株主にも同様の買取オファーを出す義務が発生した。いずれにしろ、これまで数少ない「イギリス人資本・経営」で運営されてきたクラブが、名実共に外資系になった。
2007年に彼が最初に株式を買ったとき、会長のヒルウッドは、「わがクラブには、クロンクの類のような輩は不要」と、巨額の投資とマーチャンダイズというアメリカ式スポーツビジネスのやり方を持ち込もうとする投資家に対して露骨な嫌悪感を出していた。当時の敏腕ディレクター・ディーンの失脚も、クロンクを受け入れるかどうかで彼が政争に負けたせいでもある。しかし、犬が去って豚が来たではないが、ウスマノフというウズベク人の見るからに怪しい大富豪がクラブ買収の興味を見せ、実際に27%近くまで株式を買い取る姿を見るに至り、方針転換、クロンクを取締役として迎え、取り入れを計った。現CEOガジディスの任命も、クロンクの影響力のおかげと言われている。
これで、アーセナルはよくも悪くも、「外資系」のビジネスモデルになっていくだろう。オフシーズンは、アメリカやアジアに「ツアー」に出かける、オーナーの意向で選手も取る、監督の方針にも口を出す。マンUのように借入金で真っ赤っ赤にされなければよいが。
経営陣も、「イートン校の同級生たち」から入れ替わる。いろいろな意味で、古きよき時代は終焉を迎えると思う。
ちなみに、下記が会長からメンバー宛に本日送られた公式声明。わたしもRed levelながらもリストに入っていたようだ。
Dear Member,
I wanted you to know that that an offer has been made by KSE, UK, INC. (“KSE”), a company wholly owned by Mr Kroenke, to buy Arsenal Holdings PLC. The Independent Directors of Arsenal are recommending that shareholders accept the Offer.
KSE is proposing to continue to run the club along the existing self-sustaining business model and has invited the Board to remain in place. This includes myself as Chairman. Mr Kroenke is also fully supportive of Arsène Wenger whom he has stated is a wonderful manager.
Full details of the offer announcement can be found by clicking here. Please understand this is a formal legal document so is complex. We will update you as we can in line with Takeover Rules.
Yours Sincerely,
Peter Hill-Wood
Chairman