10月15日、昨日は一日中降った冷たい雨が嘘みたいに晴れた
爽やかな朝だ。
いつもの集合時間、集合場所に急いで行ったが、どういうわけか
10分を過ぎても、15分を過ぎてもバスが来ない。
幸いナンバから乗る人が4人いたので、心細いが心丈夫だ(?)
何とかバスが来ていつもの道、伊勢道を走り勢和多気インターで降り、
9月の終着点、栃原、日進公民館へ到着、11時20分出発。
伊勢茶の産地として茶畑が広がり、街道沿いの大きな家には立派な蔵があり
その蔵が白壁ではなく、黒い焼き板の蔵なのが珍しい。
途中文化2年(1805年)創業と言う酒造店があり、立ち寄る。
日本3大清流のひとつと言われる宮川の伏流水を使った伝統の酒造りを
していると言う。お酒の好きな何人かが買った瓶を下げて出てくる。
出発から1時間半ぐらい歩いて柳原観音千福寺着。ここで昼食をとる。
このお寺の裏から眺める宮川の清流がよい。
境内のホトトギスが秋の風情。
深谷地区に入り、古道の通行人の安全を祈って建てられた深谷地蔵の
赤いよだれかけが可愛い。
明治初期の寺小屋の建物が残っていたりして歴史の古さを感じる地区だ。
宮川にかかる深谷橋を渡ると小高いところに五輪塔がある。
伝染病に苦しむ村人たちのために、自ら生き埋めになり仏の救いを祈ったと
いう浄保法師の供養塔だそうだ。
新しくバイパスの道があるが、古道の方を行くと地蔵さんや古い道標がある。
「右くまの道、左さんぐう道」と書かれている。
伊勢自動車道のしたのトンネルを越え、いよいよ伊勢路最後の峠、
女鬼(めき)峠に差し掛かる。
標高120Mと高くはないが、昼なお暗いような峠であった。
江戸時代には祢(ね)き峠とも呼ばれ、峠ののぼり口辺りに
「南無阿弥陀仏」の名号碑と如意輪観音像が残されている。
峠辺りは千枚岩を掘削して開いた切り通しになっており、荒々しい風景。
昔の人が荷車を曳いて越えたわだちの跡などが石の道にも残り、
苦労して峠を超えた昔の人たちのことを思いながら30分ほどで峠を越える。
峠を越え里山に入ると、たわわに実る柿畑が連なるのどかな景色になる。
3時半頃、伏見稲荷の千本鳥居のような石の鳥居が連なる外城田神社に着く。
休憩のあと伊勢多気線の歩道を歩く。喉が渇いたので水を買いたいと思うが
自動販売機が行けども行けども見当たらない。
大阪の町との違いをつくづく感じながら歩くと左向こうに
石垣の城跡が見える。これから行く田丸城跡だ。日が少し暮れかかってきた。
右さんぐう道、左紀州街道という道標を曲がり、田丸城跡の中に入っていく。
三の丸跡に建つ玉城中学校の最終下校時間に出会い、帰宅する生徒たちが
元気な声で挨拶をしてくれるので気持ちが和む。
田丸城天守台跡の写真はネットからお借りしました。
玉丸城の歴史は、1336年(延元元)、後醍醐天皇を吉野に迎えようと
京から伊勢に下った北畠親房がこの丘陵(玉丸山)に砦を築き、
南朝方の南勢地方の拠点としたのが始まりとされる。
1342年(康永元)、北朝を援護する足利尊氏に攻められ落城する。
室町時代には、伊勢国司となり、霧山城(三重県美杉村)に館を構えた
北畠氏の支城として再建され、北畠一族が居城、田丸御所となった。
室町時代末期、織田信長の伊勢侵攻を受けた北畠具教は、信長の二男信雄を
伊勢国司北畠氏の養子に入れることで和睦した。
天正4年、信雄に家督を譲り隠居していた具教は、信長の命で送り込まれた
旧家臣達の手により謀殺され、伊勢の名門北畠氏は滅亡した。
1575年(天正3)、信雄は大河内城(三重県松坂市)から田丸城に移った。
この時、田丸城に大改造を加え、本丸・二の丸・北の丸を設け、
本丸に三層の天守閣を築き、現在見られる規模を整えた。
しかし、僅か5年後に、天守その他が火災により焼失してしまい、
信雄は松ケ島城(松坂市松ケ島町)を築いて移る。
・・・などなどの歴史があるが 1619年(元和5)、田丸城は
徳川御三家・紀州和歌山藩・徳川頼宣の所領するところとなり、
家老久野宗成が田丸城に入り、代々久野氏が城代として明治まで続き、
明治2年廃城となった。 (伊勢田丸城ご案内より)
入日の近い天守台の上に立つと、広大ではないが、この城が段々に石垣で
積まれた城郭であることを実感でき、また、本丸跡には、高木・樹木が
少ないことも手伝って、四方の展望が開け、眼下に城下町玉城の町並みを望め、
田園地帯の奥に南勢の景観を一望できる。
天守台に立ち、局岳の辺りに沈む夕日とその刻々と変わる空のグラデーションを
楽しみながら、幾多の戦乱に明け暮れた激しい攻防の話を、語り部さんが
語ってくれるのを聞きながら、自然のなせる偉大なショーを堪能しました。
すっかり沈んだあとの山の景色を見ながらストレッチをし、城を降りようとすると
玉城中学校の校舎の上に十七夜の大きな月が昇り始めていた。
夕日と月の裏表の天体ショーに感動をして帰路のバスに乗る。