「しっかし、あれから2年かあ」
歩きながら京が言う。
「…」
「お前も“旅に出る”みたいなこと言っときながら結局出なかったじゃねえかよ」
「やかましい!先立つものがねーんだ!」
「ま、いいけどさ。どうよ今の生活は?」
「…何を言わせたい」
「いや、別に何でもいいけどさ。でもまあかつての殺伐とした世界よりはずっと楽しいのは間違いないよ。お前ともこんなに知り合えたし」
「気色の悪いことを言うな!誰が貴様なんかと!」
「あーはいはい。本当に素直じゃねえなあ」
しばらくそのまま歩く二人。
「真面目な話、貴様はこれからどうする気だ?」
「ん?一応進学コースだけど」
「誰が進路の話をしたか!」
「将来の話っていやあそれしかないんじゃねーの?就職も結婚もちょっとな」
「お前…本気で女としてずっと生きていく積もりか?」
「戻れる保障なんてねーじゃん。仕方が無いよ。お兄ちゃんはまだ学生だから結婚する訳にもいかんし」
依然として庵の「兄」ということになっている男と京は付き合っていた。勿論女としてである。
庵はその神経が信じられなかった。
つづく
イラスト:叙火さん
http://kaori-joker.kuronowish.com/HiY/index.htm
成人向けコンテンツを含みます

66