2007/9/26
「■踏生集秀句 綾野南志薦 2007年10月号」
踏生集秀句
潮騒を聴きとれぬ耳風光る 中村里子
寒鴉ふと人間の甘え声 松岡耕作
片栗の咲いたばかりの含羞よ 大塚健一郎
狂わねば桜の闇の奥見えず 斉田 仁
ふらここや風にほどいてシャツを干す 福田眞澄
春風に吹かれわたしは何の精 中川登志子
あたたかや咽ぷ女形の喉仏 小野富美子
なずな咲く村に田の神水の神 島田正子
弁当のたらこがずれて春の沼 田中朋子
引潮や鳶の輸傾ぐ春岬 村田珠子
うららかや膝をゆるめる野の仏 友松照子
山腹に人棲むけむり春の雨 伴場とく子
見え見えの小鼻が動く四月馬鹿 大橋弘子
亀一つ動きて春の水動く 黒田恒矩
岩礁に立ち上がる波鳥雲に 佐藤登志子
花林檎いまなお遠き山のあり 林 厚夫
2007年7月号より選出

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