渾身  新作レビュー

島根にこだわり、地域発ながら大手配給で次々と作品を発表している、我々地方在住映画発信考え中年男にとっては、お手本のような存在の錦織良成監督作。

実際の出来事をモチーフに、島根を舞台に抒情性を醸し出す、という意味では錦織監督の代表作「白い船」と通じる。あの映画は、個人的に大好き。子役だった濱田岳さんすげえ、とあのとき思ったけど、そのあと、本当にいい味の俳優さんに成長された。

島根県の離島で神事として行われているお相撲を題材に、島で生きていく家族の喪失と再生を描いた映画。

男の妻が亡くなって、その妻の親友だったヒロインと結婚して、前妻が残した娘がいて、その男が島をあげて行われる神事の相撲の選手に選ばれて…と文字にするとなんじゃそりゃ、という感じの物語になんだけれど、錦織監督、島の美しい実景を効果的に使いながら、時系列を崩すという映画ならではの手法、そして何よりヒロイン役の伊藤歩さんの素晴らしい演技によって、ヒロインが感じる罪悪感や苦しみから希望を見出す様を丁寧に紡ぎだしている。

同じ監督さんの「RAILWAYS」では、49歳の仕事男が電車の運転手になることを決意する心変わりする様が僕は今一つ理解できなかったのだけれど、今回は大納得。

そうした人間ドラマが、最後の相撲シーンに流れ込む様は、スポーツ映画の王道であり、この手の映画に重要な要素のカタルシスもきちんと感じられる。80点。

この映画のキャンペーンでは、MOVIX周南で、「シネキング」初の公開収録を敢行し、錦織監督のインタビューをお客様の前で実施しました。錦織監督、とってもいい方でした。
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