2015/5/9

Probably it laid eggs.  nature
昨日までと比べ二人の行動がわずかに変化した。
落ち着きが生まれ、ひたむきさが現れた。
交代の催促を大げさに叫ぶことがなくなり、これまで腹がすいたらとっとと巣から出て行った彼らが巣を一時も空けることがなくなった。
ふたりとも何かのために我慢を覚えたようだ。

「何か」
おそらく今朝、産卵したと思われる。

数日前の雌の行動パターンから産卵が近いと読んだので、日おいてからの観察を試みた。
笹藪に紛れるように隠れ、可能な限りシャッターも押さず、身動きせず、一日10〜13時間の観察は、彼らの生活を極力自然の状態に近い環境で見せてもらうためなら苦ではない。
小鳥が笹藪の中を僕のまわりで遊ぶようになり、クマゲラも数m前の樹にとまるようになったころ、この一番デリケートな事が起こったと思われることにひそかに笑みがこぼれた。

そして今日何度も隣のテリトリーから別のオスが来て激しいドラミングとコールを繰り返し、このつがいの巣から十数m先の木の梢まで幾度となく侵入してきた。
が、ふたりとも慌てることもなく声をひそめ、事を荒げなかった。

ふたりは新しい命を繋ぐためにとても純粋だった。

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