2000年 日本ハム1位
井場 友和(富士重工)投手
蔵の入団前評価:
☆☆
(アマチュア時代)
肘の出てこないフォ−ムは気になるが、球質が重く、打者の外角クロスへの制球は抜群で、そこにいい球が集中する。基本的には、ドロンとしたカ−ブとのコンビネ−ションで、そのカ−ブできっちりカウントがとれ、投球に緩急を生む。球速は130キロ後半ぐらいが多く、セットになると腕が振れないタイプ。球のキレより、球威で押す球質だけに、ストッパ−より先発向きか?
(玉石混淆では)
都市対抗では別人のような投球だったと言う向きもあるが、いろいろフォ−ムの欠点や球質から見てもリリ−フより元来先発タイプだと踏んでいる。この投手の絶好調時を知らないので、どの程度の投手かはわからないが、社会人最大の大会で目標である都市対抗で能力を発揮できないのはややマイナスイメ−ジがついてしまうのも致し方ないだろう。
ただこの投手、意外に外角への制球力に優れ、球威もあることから、そこに集めれば社会人レベルでは抑えられたのかもしれない。しかし内角を厳しいところに突けない投球では、外角へのせっかくの制球力も威力が半減していまい、プロで大活躍するのにはそこが大きなポイントとなりそうだ。私は先発で5勝前後くらいで、リリ−フエ−スとしては難しく、いいとこ中継ぎでの活躍ぐらいしかリリ−フでは期待していない。実際のところ、その実力はいかがものだろうか?
(プロ入り後の成績)
2001年 8ポイント 40試合 4勝3敗 4S 防御率 2.53
2002年 7ポイント 45試合 1勝2敗 11S 防御率 3.77
2003年 0ポイント 3試合 0勝0敗 0S 防御率 23.14
2004年 4ポイント 39試合 2勝1敗 0S 防御率 4.83
2005年 3ポイント 22試合 1勝1敗 0S 防御率 4.79
2006年 0ポイント 一軍出場なし
通算 22ポイント 平均 3.7ポイント
空振りの取れない球質の重い速球も、フォークなどを武器にリリーフとして活躍。入団1,2年目に力を出し切ってしまい、その後は元の勢いが戻らなかった。
(蔵の印象)
当時彼を観たのは、都市対抗でヘロヘロの彼であった。かなりこの時は、状態が悪かったようで、本調子からはほど遠い内容だったと云う。その時感じたのは、速球には球威があるものの、空振りが取れる球質ではないこと。アウトコース外角クロスへの制球に優れていたので、先発の方が向いているのではないかと云う意見を持っていた。
しかし今考えると、試合をまとめる能力がなかった彼が、先発向きかどうかは疑問が残るところ。速球で詰まらせて、フォークで空振りと云う投球パターンこそ、彼の持ち味だった。
ただプロ入り後は、本当の意味での制球力がなく四球で自滅する場面も多かったと云う。まして元の球が行かなくなってからは、投球をまとめる能力に欠けていたので、力で押すことが出来なくなったのだから、数字を落としていったのは当然だろう。
ただ短期間ではあるが、プロでは欠かせない働きをしたのは確かで、その点は評価されるべき部分だろう。もう少し年間を通して彼の投球を確認出来ていれば、また別の意見を持っていたかもしれない。いずれにしても彼からは、投手としての本質とは何かを教えられた気がする。今思うと、都市対抗と云う社会人野球一番の大舞台で、上手く調整が出来なかったところに、彼がプロの世界では長く活躍出来ないヒントが隠されていたのかもしれない。