1位 伊藤 隼太(慶應義塾大)外野
☆☆☆☆
2位 歳内 宏明(聖光学院) 投手
☆☆
3位 西田 直斗(大阪桐蔭) 一塁 指名見送り
4位 伊藤 和雄(東京国際大)投手
☆☆☆
5位 松田 遼馬(波佐見) 投手
☆☆☆
育成 広神 聖哉(BC群馬) 捕手 指名見送り
1位の
伊藤 隼太(慶應義塾大学)外野手は、アマNO.1の強打者。けして長距離打者ではないが、長打力と確実性を兼ね備えている。際だつ守備・走力はないが、強肩でソツなくこなすので、プロでも右翼手として通用するだろう。その責任感の強さから、ラストシーズンでは思い通りの結果は残せなかったものの、鳥谷のように数年後は、阪神の中軸を担う素材。人間的にも素晴らしく、次代のリーダー候補として期待される。
2位の
歳内 宏明(聖光学院)投手は、高校生としては破格の縦の変化を売りにする。しかしあまりにスピリットフィンガーボールに頼った投球は、身体への負担が大きい。そのためプロ入り後、故障に悩まされないか心配。ただ持っている馬力は素晴らしく、上手く導けばチームのクローザーに育つ可能性も秘めている。そのためには、ストレートをもう少し磨きたい。
3位の
西田 直斗(大阪桐蔭)一塁手は、大型のアベレージヒッター。ツボにはまればスタンドインするパンチ力を秘めるが、守備・走力などでアピールできない点は物足りない。特に一塁手でありながら、長打力を売りにしないところは気になる。非凡な柔らかいリストワークを生かし、他のポジションへコンバートされるのではないのだろうか。
4位の
伊藤 和雄(東京国際大学)投手は、六月の大学の大学選手権で一気に評価を高めた本格派。まだ細かい部分で甘さがあるが、一年ぐらいファームに漬け込めば戦力になりそうな将来の先発候補。ただ秋は、あまり身体の状態が良くなく、球速が落ちていたのは残念。しかしその分、力の入れ加減と抜き加減のコツを身につけたようで、ストレートが戻ってくれば一年目から活躍できるかもしれない。
5位の
松田 遼馬(波佐見)投手は、選抜で話題になった剛球投手。ストレートのボリューム感とハートの強さが自慢の速球派。ピッチングの引き出しが少ないのが気になるが、将来のリリーフ候補として活躍しそう。
育成の
広神 聖哉(BC群馬)捕手は、強肩・強打の捕手だが、プロで捕手としては厳しいだろう。思いっきりの好いパワフルな打撃で、代打候補などとしての期待が高まる。ただまだまだ荒削りで、一軍を意識するのは数年先ということになりそうだ。
(阪神の指名を考える)
1位の伊藤隼太は、一年目から外野のポジション争い、あるいは一ポジションを任せられるだけの器。少なくても2年目以降は、不動の右翼手としてレギュラーに収まりそう。
あとの選手は、4位の伊藤和雄投手が、一年目から一軍に絡めるかどうか?といった感じ。能見・メッセンジャーの12勝、スタンリッジ・岩田の9勝、久保の8勝と、ローテーションが揃っているのは確か。これに伊藤が若手と競争する図式で、2年目以降に期待といった感じだろうか。
リリーフ陣は、現時点ではそれなりに揃っており、むしろ数年先の現有戦力の衰えに備え、歳内や松田という人材を補強したのは大きい。西田・広神といった野手陣も数年先を見込んだ補強。
クライマックスシリーズへの進出を逃したチームにしては、やや現有戦力への補強・刺激が少ないのではという印象は受ける。ただ4位の伊藤和雄・5位の松田などは、その順位以上に価値のある選手達。そういった選手を、この順位で確実におさえたのは大きい。指名した面子に関しては、今年のドラフトでも12球団屈指の指名だったのではないのだろうか。
蔵の評価:☆☆☆☆ (CS出場を目指すには物足りない補強だが、面子としては最高)

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