08年2月予算委員会 定例会代表質問2月29日 坂本茂雄議員
26日に、JR土讃線高知駅周辺連続立体交差事業高架完成という新しいスタートを切りましたが、私は関連街路事業の都市計画道路はりまや町一宮線事業のあり方については、様々な視点から見た時に、中心市街地の活性化につなげる上でのターニングポイントになるのではないかと思っています。これまでにも、06年9月定例会での私や谷本議員、昨年6月定例会では大石議員のそれぞれが、シオマネキを始めとした希少動植物が生息できるという自然環境保護の視点や江戸期の工法による階段護岸、明治維新の息吹の残る歴史文化遺産を守ることからも、この工事の見直しを求める提言をさせていただきました。橋本前知事は、この工事に関して、雑誌で、「例えば新堀の開発の話だって、やめたらいいと思う。もう少し早く気づけばよかったし、気づくのが遅かった」と述べた上で、この場所を活用した新たなまちづくりへの可能性まで含めて言及をされていました。しかし、本会議においては、高知駅周辺の都市整備という効果を早期に発揮させるために、はりまや町一宮線を目に見える形にするため、高知市が整備されている追手筋弥生町線から北側は、早期の完成を目指すとしています。そして、そこから32号線までの南側は、水辺や掘り割りという歴史的な資産を生かしたまちづくりの視点から、広く県民・市民の意向も伺いながら、今後の方向性を検討してはどうかと答弁されました。
さて、ガソリン税の暫定税率の存廃が国民的議論になっているとき、今まさに道路整備事業のあり方については、今まで以上に県民の合意が必要となっています。このことについての賛否の議論はさまざまあろうかと思いますが、これまでにも、そして、これからも未来永劫に続くのであれば、それは暫定とは言えません。本来、例えば当面3年程度の真の暫定期間を設け、その間に今後の道路整備計画の国民合意をどのように図るのか、そのために必要な財源はどうなるのか。その後は、暫定税率を廃止し、揮発油税等の税構造の見直しも検討する中で、道路整備に真に必要な財源の確保と内訳を明確にするなどの検討がなされるべきだと、私は思います。そんな考え方の前提を踏まえて、知事に提言したいのは、同じ暫定税率の維持を訴えるのであれば、このはりまや町一宮線事業の見直しを行い、新堀川という水辺空間を生かしたまちづくりに転換する。そこまでの決断をした上で、高知県は真に必要な命の道路路線確保のために、暫定税率は維持されるべきだと主張される方が説得力があると思いますが、いかがでしょうか。
続いて、環境立県との関係でお尋ねします。県では地球温暖化防止対策を先進的に取り組むために、排出権取引など全国にも先駆けて取り組まれていることや、「温暖化防止高知県民会議」を立ち上げ、県民参加の省エネ活動の推進や都市構造を活かした公共交通の利用促進なども進められています。パークアンドライドも各所に取り入れられ、さらに来年度は、環境省の事業として土電・県交通の共通カード開発でエコポイント制度も導入されようとするなど、単に公共交通を利用しようというだけではなくて、温暖化防止対策として事業展開をされています。
また、河川の持つ冷却効果も考えれば、わざわざ道路でふたをしてしまうことが、どうなのかと考えてしまわざるを得ません。先日、韓国大統領となったイ・ミョンバク氏が、ソウル市長時代に市内を流れるチョンゲチョンの流れを復元したことによる冷却効果は、ソウル市政開発研究院によれば、周辺の気温は近隣都心より平均3.6度程度下がるという調査結果が出て、ヒートアイランド現象を緩和し、ソウル都市部の気温を押し下げるものと期待されると、東亜日報でも報じられていました。これらのことから、環境立県を目指すのなら、地球温暖化防止のためにとる施策とはりまや町一宮線事業は矛盾するのではないかと思いますが、知事はどうお考えでしょうか。
次に、土木部長にお尋ねします。新堀小学校北東側の地点の現状と追手筋弥生町線までの開通後の県独自の車両通行量の調査や、CO2排出量の測定比較などを行う予定はないのでしょうか。さらに、追手筋弥生町線の南側で、桜井橋と新堀橋の間の駐車場の一部を撤去するとのことですが、その区間の暗渠を可能な限り、できるだけ早く撤去し、その上で、水辺周辺の温度比較などを行う予定はないのか、お尋ねします。
次に、自然環境保護との関係では、このはりまや町一宮線事業を進めるに当たって、昨年、希少動植物のコアマモとシオマネキを移殖するという方法を採られたわけですが、その後の現状を見た場合、移殖先を明らかにできないと言うことから、充分な検証が行われていません。ただし、「都市計画道路はりまや町一宮線生態系(動物類)調査移殖委託業務」報告書では、「死亡による減少があったことも確か」と述べ、「鳥もしくはイワガニ類に食害を受けた可能性が高い」と指摘されており、結果的な生残率はある地区では44%、もう一方の地区では67%と報告されています。そこで、お尋ねしますが、第三者による検証すらできない事業に282万円もかけて行って、100%保護される担保が得られない事業が適正なものだと考えられているのか。また、単なる業者の報告だけでなく、第三者による検証システムをつくる必要があるのではないかと思いますが、土木部長の考え方をお聞きします。
この項の最後に、中心市街地活性化とまちづくりの関係でお尋ねします。先日、知事もパネラーとして出席された経済産業省主催の「中心市街地活性化シンポジウムin高知」では、高知市も目指そうとしているコンパクトシティーについて議論がされました。横森豊雄・宮城大学教授からの基調講演「コンパクトでにぎわいあふれるまちづくり」を聞いてみて、知事はどのように受けとめられたのでしょうか。私は、講師が紹介した「金太郎飴の地方都市の衰退プロセス」が今の高知市を指し示しているようで、コンパクトシティーを目指すのなら、早く軌道修正を図らなければと思ったところです。今のままでは、資金を投入し切った上で、はりまや町一宮線の四車線化が中心市街地におけるストロー効果を発揮し、衰退プロセスに拍車をかけてしまうのではないか。そして、衰退プロセスをたどり終えてから、軌道修正するという矛盾をはらんでいるように感じました。将来に向けたコンパクトな町をつくり、中心市街地の活性化を図るということが県・市の目標であるならば、そこをしっかりと見きわめてほしいと思うのです。その際には、パネリストでもあったまちづくりの仕掛け人の西郷さんが、高知のまちづくりの視点の一つとして「すばらしい歴史・文化資源を生かす。とりわけ江戸初期のブラッシュアップを図ること」とアドバイスされましたが、私は、これに幕末から明治維新期を取り込んでこそ高知らしさが加わるのだと感じたところです。そのためにも、新堀川界隈の幕末から維新期の息吹をまちづくりに生かすことだと思います。そして、それが歴史文化遺産を活用した町歩きの観光コースにもなり、今まで同様はりまや地区と菜園場地区のつながりを維持することにもなり、賑わいをとりもどすことにもなるのではないかと思います。
そこでお聞きしますが、以上のようなまちづくりのために「新堀川をシンボル川に」とでも言うべきまちづくりの一つの象徴にするため、新堀川を活用するつもりはないのでしょうか。
また、18日には、県・市・JR四国・JR貨物の四者で新高知駅の周辺を再開発するまちづくり協定を締結し、中心市街地全体の回遊性を創出する土地利用を盛り込むこととされたようですが、新堀川周辺を町歩き・滞在型観光の一角として位置づけ、新堀川に生息する希少動植物や、ゆかりの歴史・文化遺産の説明プレートなどが各所に設置されていれば、誘客効果にもつながるものだと思いますが、いかがでしょうか。
いずれにしても、新堀川を四車線道路で塞いでから、取り返しのつかないことになったと言わないようにするため、前知事が言った「32号線までの南側は、水辺や掘り割りという歴史的な資産を生かしたまちづくりの視点から、広く県民や高知市の意向も伺いながら、今後の方向性を検討してはどうかと考えている」といったことを尾崎知事はいつまでに、どう具体化するつもりか、お聞きします。
◎知事(尾崎正直君) 坂本議員の御質問にお答えをいたします。
次に、はりまや町一宮線の整備についての一連の御質問にお答えをいたします。
まず、はりまや町一宮線の事業の見直しを行った上で、道路特定財源の暫定税率維持を主張する方が説得力があると思うがどうかというお尋ねがありました。武石議員、中内議員の御質問にお答えしましたように、県内にはまだまだ整備が必要な道路が残っており、道路特定財源の暫定税率の維持が、今後とも必要であると考えております。はりまや町一宮線は、高知市の都市環状機能を有する道路であります。渋滞を緩和するとともに、高知市中心部を通過する交通を排除することにより、人が中心で、高齢者などにもやさしいまちづくりにつながる、中心市街地の活性化のためにも重要な道路でありますが、一方で水辺空間が大切であるといった県民の御意見もございます。このため、追手筋弥生町線から南の区間につきましては、水辺や掘り割りという歴史的な資産を生かしたまちづくりの観点から、広く県民や関係者の皆様の御意向も伺いながら、今後の方向性を検討してまいります。
道路整備においては、それぞれの箇所ごとに解決すべき課題はありますけれども、個別の事情と本県の将来を左右する県全体の道路整備にかかわる暫定税率維持の問題とは、直接には関係がないものと考えております。
次に、地球温暖化防止の施策とはりまや町一宮線の4車線化が矛盾するのではないかというお尋ねがございました。平成17年4月に閣議決定された京都議定書の目標達成計画では、交通の流れを円滑化することによる走行速度の向上が、自動車からの二酸化炭素排出を減らすことから、環状道路などネットワークの整備や連続立体交差事業などによる踏切の除却などを推進することを定めているところであります。はりまや町一宮線を整備することによって、高知市中心部で渋滞する交通の流れを円滑にする効果がございます。このことは、京都議定書目標達成計画に定められた地球温暖化防止のための施策と矛盾するものではないと考えております。
次に、新堀川の活用とはりまや町一宮線の南側の整備の今後の方向性をどう具体化するのかについて、お尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えをいたします。はりまや町一宮線は、高知駅周辺都市整備の一環であり、連続立体交差事業の効果を生かすための重要な道路として、都市計画決定し、整備を行っております。高知市中心部の交通渋滞の緩和や、先ほど申し上げましたとおり、人が中心で高齢者の方々にもやさしいまちづくりに向けた、今後の中心市街地の活性化のために必要な道路であると考えております。
このため、追手筋弥生町線から北側は、平成21年度末の完成を目指して、整備を進めてまいります。整備に当たりましては、もともと道路上にあった兆民通りの碑のほかに、新堀川にかかっていた5つの橋や、生息する希少動植物などの説明板も道路の植樹帯などを利用して、新たに設置する予定であります。さらに、北側の区間の中にある階段護岸につきましては、現在、地域住民の皆様とワークショップなどにより、具体的な保存方法について、検討しているところでございまして、年度内には、保存の方向性を定める予定であります。
また、追手筋弥生町線から南の区間の整備につきましては、先ほどもお答えしましたように、水辺や掘り割りという歴史的な資産を生かしたまちづくりの視点から、広く県民や関係者の皆様の御意向も伺いながら、今後の方向性を検討してまいります。具体的には、平成21年度末の北側区間の完成以降に、実際の交通の流れや、新堀川の自然環境の復元の推移を県民の皆様にお示ししながら、検討したいと考えているところであります。
◎土木部長(宮崎利博君) はりまや町一宮線の整備についての一連の御質問にお答えします。
まず、はりまや町一宮線の交通量やCO2排出量の測定比較を行う予定はないのかとのお尋ねがありました。屋外におけるCO2濃度を測定することは不可能ではありませんが、測定結果をCO2の排出源ごとに評価する手法が確立されておりませんので、はりまや町一宮線でのCO2濃度の測定は現実的ではないと考えています。
交通量につきましては、はりまや町一宮線の追手筋弥生町線から南側の区間の整備のあり方について検討するためにも必要ですので、北側の整備が完了した後で調査を行う予定です。
次に、駐車場を撤去し、水辺周辺の温度比較を行う予定はないのかとのお尋ねがありました。駐車場を撤去するに当たっては、詳細な構造を確認してから全体の撤去方法を検討する必要があります。このため、この4月に新堀橋上流の一部の区間について調査を行いながら、撤去をする予定です。この調査を踏まえ、桜井橋と新市橋の間の駐車場については、今年の夏ごろから行う予定の、桜井橋の撤去工事やかけかえ工事に影響がある範囲を同時に撤去する予定です。
なお、駐車場の残りの部分の撤去については、専門家に相談して、どれだけオープンスペースを確保すれば干潟再生が検証できるのか、その検証方法について検討することを予定しております。その際には新たな検討組織を立ち上げることを考えております。そこでの検討結果に基づいて必要な駐車場の撤去を行います。駐車場撤去した区間の中で、この検討組織の主導のもと、干潟の状況の変化を確認してまいりますが、その際、水辺周辺の温度測定を同時に行いたいと考えています。
次に、現在行っているシオマネキの移植が適正なものであると考えるか、また第三者による検証システムをつくる必要があるのではないかとのお尋ねがありました。平成13年度の新堀川生態系検討委員会で、シオマネキ等については、施工中の被害を及ぼさないよう、事前に移植をしておくことという提言をいただきました。
シオマネキの移植はこの提言に基づいて行っています。移植に際しては、この生態系検討委員会の委員で、高知県レッドデータブック動物編の編集委員でもあり、シオマネキについても数多くの研究業績を有している専門家の御指導のもと行っており、シオマネキの移植は適正に行われたと考えています。シオマネキの移植後も、この専門家の委員に御指導をいただき、生息調査を来年度以降も実施することとしております。調査結果の検討につきましては、先ほどお答えしました検討組織を活用したいと考えております。
以上でございます。
◎30番(坂本茂雄君) それぞれに御答弁ありがとうございました。
それと、はりまや町一宮線の事業の関係です。知事は、これについて、いろいろ交通渋滞の緩和だとかいろんなことをおっしゃられてます。ただ、交通量全体でいったときに、当初、都市計画決定をされたときの推定の交通量よりも随分減少しつつあるいうふうな状況です。それはもう御存じのとおり、高知県は昨年来ずっと自動車保有台数は減少傾向にあります。少子高齢化の中で、その傾向は今後も続くだろうというふうに思います。それと、もう一方で、温暖化防止対策のためにも市内中心部への乗り入れを抑制しようとしてるというのは、事実だろうと思いますね。そういう意味でいきますと、1年前の道路交通計画調査委託業務の報告書にこういうふうに書いてあるんですが、「部分的に現道路を活用しても、南北交通需要の分散に対して一定の効果は見込まれるものの、すべての交通需要に対応するためには4車線での整備が必要」と書いてある。すべての交通需要に対応するためには4車線の整備が必要と。そしたら道路というのはすべての交通需要に対応するために、これからずっと高知県というのは、道路整備を図っていくかというと、決してそういうふうにはなかなかなりにくい。やっぱり、その中で優先されるのが、午前中からずっと知事が言われている、まさに高知県としての命の道路をどう整備していくかということだろうと思いますので、そこのところがやっぱりもう一遍、一たん立ちどまった議論というのは必要じゃないかというふうに思います。
それと、追手筋弥生町線から南側について、32号線までの間は平成21年度、それまでの区間の工事が終わってから議論をしていくということですが、ただそれが終わっても、次の事業に進んでいくというふうなことになれば、その話し合いをしている間、工事そのものが一たん21年度末でとまってしまうのかどうかですね。それがとまらずにずっと続くということであれば、それまでに十分な話し合いもしていかなければならないんじゃないかというふうに思いますので、その点は部長が答えたいようですので、部長にお伺いします。その前段の部分は、知事にお答え願いたいと思います。
いずれにしましても、先日、高架の完成があったときに、新聞記事の特集がありました。そのときに、前の久保田土木部長が、腹を割って住民の要望を聞き、説明をやり切れと指示されて、それで臨んだということを書かれてます。このはりまや町一宮線もさまざまな意見ありますんで、ぜひそういうふうに、腹を割って住民の要望を聞き、説明責任を果たしていく、そんな思いでやっていただきたいということ、この点は要望しておきたいと思います。以前の部分については答えていただいて、私の質問を終わります。
◎知事(尾崎正直君)
それから、はりまや町一宮線の問題でございますけれども、当初の見込みよりも減少しつつあるとか、人口減少もあるのでそういうことかとも思いますけれども、また一方、この道路につきましては、今回の連続立体交差事業が完成したことに伴いまして、高知市の南側と北側の一体感を醸成するためにも、必要な道路ではないかと考えております。すべての市内への乗り入れを、済みません、全体的な需要に対応するためには4車線が必要だというところについて、ちょっと私、資料の詳細を承知しておりませんので、詳細なコメントは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、他方、今おっしゃられた、命の道路を優先するべきだと、1.5車線などについて、優先すべきじゃないかという御指摘については、それはそれで、私も1.5車線道路については、今度の20年度当初予算において、整備を大幅に加速することといたしたところであるわけであります。
中心市街地の活性化と今後のまちづくりにとって必要な部分については、私は道路整備は進めていかなければならないと考えております。ちなみに、南部分につきましては、21年度末において、一たんとめて、工事を。そこで、交通の流量と動向とを新たに判断をするということであります。ですから、工事、21年度末に一回とめるということでありますから、そこから調べるということでありますので、そこのところはそういう事実関係であります。
◎土木部長(宮崎利博君) 知事が答えたとおりでございます。失礼しました。
◎議長 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。

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