大須観音の境内(西側)に大きな石碑が建っている。「大正琴の発祥の地」の碑である。先日、橦木倶楽部において、「一絃琴」の演奏を聴く機会があったが、大正琴の原形はその「一絃琴」であったという。「一絃琴」は中国から日本に伝わって以来、僧・公家・武士など特に男子に好まれ、永らく男子の楽器だった。 江戸末期には、坂本龍馬ら勤皇の志士たちが、一絃琴の稽古と称しては同士を集め、密会を重ねていたというエピソードも残されている。
さて、大正琴であるが、大正琴はその名のとおり大正元年に名古屋の森田吾郎の手によって造られた日本独自の楽器である。
「大正琴の発祥の地」の碑の碑文には、
明治四十五年大須の住人森田五郎氏が八雲琴をもとにして小型で手軽な二弦琴を作り上げた時に重陽の節句であったことから菊琴と名付けられた。この菊琴をさらに弾き易く改良されたものが現在の大正琴の原形といわれております。大正時代大流行したこの琴も、時代の変遷によりその音色もいつしか消え去りました。
昭和2年一人の少年がこの楽器のとりことなり以来五十八年間改良に改良を加えながら、大衆芸能と云われるまでに育て上げてきました。
初代菊琴誕生以来本年で、七十五年を迎えるあたり、菊琴創作者、森田五郎氏を偲びその功績を輝影するとともに大正琴の発祥の地を明らかにし後生に伝えんとするものです。
昭和六十年九月九日
碑 文 名古屋大正琴保存会
名誉会長
作家 岡戸武平翁
建立者 琴城流宗家家元
鈴木琴城
株式会社鈴木楽器製作所
鈴木萬司
全国大正琴愛好会

大須観音の境内の「大正琴の発祥の地」の碑。

案内碑。

森田吾郎の写真。

初期の大正琴。

当時の新聞広告。

同じく当時の新聞広告。
*安原楽器のHP参照
http://www.gakki.com/taisho_koto/history.html