「
橦木館」でステンドグラス発見
昭和初期の11枚、木枠付け展示
2007年11月5日付中日新聞記事より転載

今回発見された昭和初期のステンドグラス=名古屋市東区橦木町の橦木館で
大正ロマンの薫りが漂う市指定文化財「橦木(しゅもく)館」(旧井元邸)=名古屋市東区橦木町二=で、戦時中に洋館から取り外されたままになっていたステンドグラス十一枚が見つかった。洋館が建てられた昭和初期ごろの作品とみられ、一部を補修して館内に展示中。来年度の建物の修繕工事に合わせてはめ戻すことも計画しており、関係者は「橦木館の往時の姿がよみがえる」と喜んでいる。
ステンドグラスは長方形や台形、半円形の三種類で、最も大きなものは横約一・三メートル、縦約三十センチ。鳥やイチョウのモチーフなど、古き良き時代の空気を残したデザインと色彩が特徴だ。
橦木館を管理運営するNPO法人「橦木倶楽部(くらぶ)」のメンバーらが十月上旬に蔵の中を調べ、ベニヤ板などで丁寧に包まれて保管されているのを発見。いずれも鉛製の枠がもろくなっていたため、補強用の木枠を取り付けて洋館二階に並べた。
洋館が一九二七(昭和二)年に完成したときから玄関やテラスの欄間などにはめ込んであったとみられ、「戦災を逃れるために外されたのでは」と同倶楽部の坂野慎司副理事長。しかし、橦木館の元持ち主も「初めて見た」と驚いているといい、いつごろ、誰の手で作られたかは分からないという。
同倶楽部と交流のあるステンドグラス史研究家の田辺千代さんは「(当時ヨーロッパで流行した)アールデコ形式の完成された、とても良い作品」と評価。「ステンドグラスをはめ戻して当時の様子が再現されれば、橦木館自体、名古屋の宝になるのでは」と期待している。