新居の関所の西側の信号を渡った2軒目に「あと引製菓」があった。新居の名菓「あと引煎餅」を製造・販売している店だ。店の外観は、はっきり言って寂れてしまった昔の商店という感じ。思い切って店の中に入るとこれまた昭和30年代の雰囲気でショーケースもない。量り売りのお菓子が平台にずらりと並べられている。店の奥さんにお話を聞くと、全国でここでしか作っていないお菓子だという。品評会で獲得した賞状がずらりと並んでいる。たいしたものですねというと「そんなのは誰でももらえるの」と意外な返事。サトウハチローの色紙が飾られていた。これはお店の宝物らしく、奥さんが熱を込めて語ってくれた。「でも今の若い子たちは、サトウハチローなんて知らないからねー」と残念そうであった。あと引煎餅の味は、ごま・海苔・生姜とあり、ひとつ食べるとくせになってあとを引くので「あと引煎餅」だそうだ。素朴な店の素朴な菓子であった。

「あと引製菓」。右隣の家は、昔は芸者置屋だったそうだ。

「あと引製菓」店内。

サトウハチローの詩の額。

これが「あと引煎餅」。