一宮・尾西は、織物のまちだ。江戸時代後半期には、結城縞、寛大寺縞などの縞木綿や絹織物の産地として知られ、明治以降は毛織物の工業地帯として発展を遂げた。日本史の教科書には、マニュファクチュア経営の例として高機による結城縞織屋の図(尾張名所図会)が良く取り上げられる。近代に入って、綿織物から毛織物に生産の主力は移行するが、この地域は一貫して織物業で栄えた。
そういった紡織の町工場の建物は、ノコギリ屋根に象徴される。ノコギリの歯の形をした屋根で、北側に向いた歯形の垂直な部分で間接光を取り入れるための仕組みである。一日中均一な明かりが得られるようになっている。ちなみにノコギリ屋根の工場は、明治16年(1883)に竣工した大阪紡績工場が最初だという。現在は、桐生市のノコギリ屋根群がよく知られているが、機業地帯を中心に全国各地にまだ随分残っているようだ。
起のまちを歩いていると織機の音が路地の奥から今でも聞こえてくる。

通りに一軒だけポツンとノコギリ屋根の工場跡があった。

キンチョールの琺瑯看板も懐かしい。

堤防の上から見てもポツンポツンと住宅の中にノコギリ屋根が残っている。

この工場からは織機の音が響いていた。

こちらの工場もまだ稼働しているようだ。

こちらはどうだろう?