先日訪れた「真清田神社」の祭神は、「火明命」(ホアカリノミコト)であった。別名ニギハヤヒノミコト。系譜上、天孫瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)の兄である。その子天香語山命(アメノカゴヤマノミコト)、別名高倉下命(タカクラジノミコト)は、熱田の古社「高座結御子神社」の祭神で、尾張氏の祖である。その弟宇摩志麻治命(ウマシマジノミコト)は、物部氏の祖である。尾張氏と物部氏は同族といってもよい。
味鋺神社の祭神は、宇摩志麻治命(味間見命)である。現在は摂社に天神として祭られている。味鋺神社から北に少し行った春日井市の味美白山神社には、味美二子山古墳に祭られていたという言い伝えのある物部神社を合祀していたという。東区赤塚にも物部神社がある。こちらの神体は磐倉である。千種区の高牟神社も物部氏の武器庫が起源である。千種駅のあたりから北へ春日井味美まで物部のルートができあがった。
昨年亡くなった民俗学研究者の吉野裕子の『大嘗祭』という著書の中に、「蒲葵と物部氏」という項があり、興味深い。琉球で神の木とされるクバは、古和名でアヂマサ(蒲葵)というそうだ。アヂというのは、王を指すようだ。マサというのは霊的なものの現実における象徴物や人をさすようだ。具体的に吉野は、王権の象徴として蛇に結びつけるのだが、その話は省略する。
ウマシマヂという名は、ウマシという美称をつけたアヂ(王)−すぐれた王−という意味だという。アヂマサ、ウマシアヂ、アヂマミ、アヂマ・・・。大下武氏は、「味鋺」を「味」=美−ウマシ、「鋺」=マリ と読み、ウマシマヂ→ウマシマリと読むこともできると述べている。少し混乱気味であるが考え始めると迷路にはまりそうな面白さである。
天照大神→
┬◎天照國照彦火明櫛玉饒速日尊
└●天饒石國饒石天津彦彦火瓊瓊杵尊
◎天照國照彦火明櫛玉饒速日尊→
┬天香語山命(高倉下命)→尾張氏
└宇摩志麻治命→物部氏
●天饒石國饒石天津彦彦火瓊瓊杵尊→
┬火明命
├火進命
├火折命
└彦火火出見尊─彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊→天皇家
