ラジオの電源をつけると、ニュースの話題についてパーソナリティのおっちゃんが
番組にかこつけてうだうだと話をしていた。
せやけど、これなにやね〜、なんといますか・・・
歯切れの悪いトークが続く。
しびれをきらしたように、父が切り出した。
「あいつも悪なったな〜、傲慢で。いっかいこらしめなあかんで。間島のやつ。」
姉が手鏡を眺めながら尋ねる。
「間島って誰?」
妹が鞄からウォークマンを取り出しながら言う。
「間島ってあの間島よしおのことちゃうん?」
運転中の父は前を向いたまま応えた。
「そうそう、間島よしお。国民の税金を使い込んだ悪いやっちゃ。」
「え?それは悪いな〜。」
姉妹は口を揃えて言った。
「最初は面白くていい人やと思ってたのに。元芸人さんやろ?」
妹がつぶやく。
「なんしか何とかの会っていうので入会金を80万くらい取ってたらしいわ。
生活費も公費で落としてたらしいし。」
「やり方がいかにもやな。」
姉がするどい調子で言う。
まぁ、1番国民に非難されるパターンやな・・・。
「今度は対抗の中島繁男が選ばれるんかな。
ん〜でもなんか頼りない感じがするし華がないな。
まぁ、あれや。いうてみればまたぐら膏薬ってやつや。」
え・・・またぐら膏薬!?
「何それ、聞いたことないわ。どういう意味なん?」
「え?知らんの?昔よう言うたもんやで。」
「昔は、ケガなんかしたら絆創膏みたいに便利なもんはないからまたぐらにでも膏薬を貼ったものや。でも、治って行くうちに右のか左のかわからんくなってきてもうどっちでもええわ〜ってなるねん。それが、またぐら膏薬。」
すかさず姉がつっこむ。
「え?ええ?ちょっと待ってよ、それがこのニュースとなんの関係があるのよ。」
「だから、自分をもってないっちゅーこっちゃ。」
「環境しだいでどうとでも人間は変わってまう。この間島も最初は真面目やったかもしれんが
ぬるま湯に浸かってるうちに間違ったことをしてしまったんやろ。」
なるほど・・・。そういう意味か。わかったような、わからないような。
でも、言うてることは確かかもな。
・・・でも、すりむいた話黙っててもわからんかったらええんかもな。
うんうん・・・・・・
って、え??
今なんて??
それをいうなら、ぶっちゃけた話やーーーーーーーーーーーーーー!!!
不覚にも父の話を真剣に聞いてしまったのを深く後悔する娘達であった・・・。

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