福岡地裁で行政側の判断の誤りを指摘して、保護停止を受けた夫妻に
損害賠償が認められた。北九州市は控訴を断念した。障害者が車を使用しないと
通院できない状況がある場合、車の保有が認められる。
保護手帳の解釈を誤ったともいえる。
福祉事務所側が機械的な適用をしたともいえる。
肢体不自由な場合など、考慮しなければならない
条件があったにもかかわらず、十分な検討がされていない。
生活困窮になると分かりながら、保護停止を行うことも問題である。
記事
北九州市が控訴断念 生活保護訴訟 幹部、夫婦に謝罪
6月13日7時8分配信 西日本新聞
北九州市は12日、軽乗用車の所有を理由に同市門司区の夫婦の生活保護を一時停止した処分を違法とした福岡地裁判決(5月29日)を受け入れ、控訴しないと発表した。市幹部が記者会見し「ご夫妻に長年にわたりご苦労をおかけし、おわび申し上げる」と謝罪した。原告も控訴せず判決が確定する。
市は控訴しない理由を「障害や病気を抱える夫婦に訴訟を長引かせてはならず、保護停止で生活を困窮させたことを重くみた」と説明。国の方針を市が厳格に解釈して運用したことに判決が一定の理解を示したことも理由の1つとした。
一方、今後の保護世帯の車の所有は個別に判断するとし、今回の判決に影響を受けないとした。
判決は、車の所有を理由に市が夫婦の生活保護を2004年9月から約8カ月間停止した処分を「高齢や障害のため車以外での通院は極めて困難」と認定。市に処分の取り消しや慰謝料計60万円の支払いを命じた。
■安堵の一方 憤り消えず 峰川さん夫婦
北九州市が控訴の断念を発表した12日、原告の峰川義勝さん(68)と妻久子さん(77)は同市役所で記者会見し、義勝さんは「ほっとした」と安堵(あんど)する一方で「今までの苦しみを考えると満足はできない」と市に対する憤りをあらわにした。
義勝さんによると、門司福祉事務所の阿高和憲所長ら職員3人が正午すぎ、自宅に「長い間苦しめて申し訳ない」と謝罪に訪れたが、事前に連絡がなかったため、久子さんは外出中で、義勝さんも風呂場にいたという。
会見で久子さんは「やっと(通常の)生活ができる。うれしい」と語ったものの、約3年かかった訴訟に疲れ切った様子。同席した平田広志弁護士は「市はいじめとしか思えないことをしてきた。市長にも謝罪を求めていく」と語った。
阿高所長は会見後、2人にあらためて頭を下げたが、平田弁護士が「なぜ『間違いだった』と謝らないのか」と詰め寄る場面もあった。義勝さんは「ほかの人には同じような目に遭わせないでほしい」と声を震わせながら訴えた。
=2009/06/13付 西日本新聞朝刊=

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