観たい映画が、山ほどあるって言うのに
思うように映画館通いができない今日この頃
そんな中で、全くカラーの違う作品を2本
何とか観ることができました。
「おくりびと」
「大決戦!超ウルトラ8兄弟」
まずは
「おくりびと」
所属する東京のオーケストラが解散し
職を失ったチェロ奏者の大悟は演奏家を続けることを諦め
妻の美香を連れて故郷の山形に戻ってくる。
早速、求人広告で見つけたNKエージェントに面接に出かけ、その場で採用になるが、それは遺体を棺に納める納棺師と
いう仕事だった。
戸惑いながらも社長の佐々木に指導を受け、新人納棺師として働き始める大悟だったが、美香には冠婚葬祭関係の仕事に就いたとしか告げられずにいた。
(goo映画より)
私が、10歳の時に祖父が亡くなり
その時の納棺の様子を思い出しました。
それが、納棺師の仕事だったのかどうかはわからないけど、硬直した身体を経帷子(きょうかたびら)
手甲、脚袢(てっこう、きゃはん)などの白装束に着替えさす時の手早さや、子供の私に「なぜ、こんな装束にするのか」と
教えてくださって方がいた事をおぼろげに覚えています。
納棺師とは死者を納棺の前に、一定の所作で
恭しく顔の表情を整え、体を拭き
死に化粧をして、棺に納める仕事です。
主演の本木雅弘は、まるでお茶の作法か着付け師のように
彼の所作ひとつひとつが指先まで神経が行き届いて
死に装束の着物の絹ずれの音まで耳に心地よく響きます。
人間は生まれてくる時も、死んでいく時も人の手を借りるものなのですね。
だけど、この納棺師を含めて遺体に携わる仕事は忌み嫌われ差別されています。
納棺に行ったある家で、「死人で食ってるくせに」と
心無い言葉を吐かれますが、その家の奥さんの遺影を見ながら、生前と変わらないように、頬に綿を詰め
(顔が別人のようにやつれてました)
綺麗な顔にして納棺します。
それを見ていた主人が(暴言を吐いた人です)
「今までで一番美しい姿にしてもらってありがとう」と
御礼を言うシーンが一番心に残りました。
たぶん、そんな御礼を言われることなど少ないでしょうけど
納棺師の遺体に対する尊厳の気持ちが報われたように思えましたね。
もう一人、やはり死への旅立ちに関する職業をされてる方が出てきます。
(ラスト近くにわかるんですけど)
その方の台詞も印象深く残っています。
「私は、門番としてここで多くの人を送ってきました。
そして、いつも言うのです。
いってらっしゃい!また会いましょう」と。
人間は誰でも死ぬのです。
死は決して穢れたものではないと言うこと。
私はキリスト教徒ですので
仏教や神道の死生観とは、また違った思いを持っていますが
天国への旅立ち、そのお手伝いをしてくださるのが
納棺師やお葬式に携わる方々なので「けがわらしい」なんて
言われると、本当に悲しいです。
この作品の良いところは、コミカルなシーンもいっぱいあるってところ。
納棺する時も悲しいだけじゃなくて
思わず笑ってしまったり、ほのぼのした気持ちにもさせてくれます。
そして、モックンは美しい〜〜。
表情も豊かだし、とても品があるいい役者になりましたよね。
モックン、身体もはってますよ〜〜(笑)
彼の奏でるチェロの優しさや山形県庄内平野の自然の美しさ。
共演者の方々も芸達者で、それぞれに合ったキャスティング。
こんな日本的な作品が外国(モントリオール)の映画賞で
グランプリを取ったんですね。
日本人として、一度は観ておきたい作品だと思いました。
これは、お勧めですよ。
★★★★☆
しっとりした気分になったので
今日は、とても「ウルトラマン」の感想を書く気にならないわ(笑)
「ウルトラマン」は、また次回に〜〜♪