2016/7/11

『世界電器店』  

今日のこのタイトルは一体。。

これは今から32年前の、俺が上京した時の話です。
この秋に東京を去るにあたって、昔の事を色々思い出したので、
ちょっと書いてみます。



当時20歳。
東京に来て、まず一番最初に住んだのは「新宿区西落合」のアパートだった。
その間取りは、6畳の広いキッチン、風呂/トイレ別、3畳の和室と6畳のリビング。
新宿区にあって、家賃はなんと4万7千円。
今考えても、当時の物価/家賃の相場からしても考えられない安さ。
と言っても最寄りの駅は、西武新宿線の『新井薬師前』という駅だった。
電車で新宿まで10分足らずで行ける。

そのアパートは、駅から徒歩で15分くらいの物件だった。

引っ越して、2日目のこと。。
まずはバイトを探す為に高田馬場まで出た。
街をぶらぶらした後、収穫もなく。。
帰宅しようと新井薬師前駅から自宅に向かった。

雨がザーザー降りだった。

駅からの帰り道の途中、『世界電器店』という個人でやってる電器屋が。
変な名前だなぁ、と思うでしょ?
俺も思ったんだから。

『世界電器店』は帰り道の途中の角にある。
その先には小さな川と公園があり、公園の手前には
少年野球なのか社会人のアレなのか、野球のグラウンドがあった。

昨日引っ越して来たばかりで、まだ全く土地勘が無かった俺は、
そこを素通りすれば良かったのを、その角を曲がってしまい、、
川と公園には出れず、住宅街の中を延々と彷徨ってしまった。


そのうち雨は本降りに。

終電だったので、もう時間は夜の1時過ぎだっただろうか。
家に向かって歩いてるはずなのに、帰る道が全く分からない。家に着かない。
なんせ、昨日東京に来たばかりなのだ。


待てど暮らせど、家に着けない。
傘はさしていたが、雨足が強くて全身がズブ濡れだった。
所々に街灯がポツンポツンと付いて居たけど、辺りは真っ暗で心細くなった。

一度、歩いてる人にアパートの近くのコンビニ(ファミリーマート)の事を尋ねたが知らないと言う。
その頼りの綱のコンビニが分からなくて、そこにすら行けない。

さっきと違う道を行ってみても、また世界電器店の看板が見えてきて、振り出しに戻ってしまうのだ。
いつまで経っても自分の家に帰れないというジレンマ。
何度も同じところをぐるぐる回ってる状態だった。


何だか、狐につままれてるような感じだった。。
その頃はまだ放送してなかったけど、まるで「世にも奇妙な物語」みたいで。
季節は秋で寒かったし(10月の半ば)もう靴の中までビチョビチョだし。
まだ知り合いも誰も居なくて、二十歳だった俺は
二十歳にもなって泣きベソをかいた。


結局、15分で着くはずの自分の家に3時間ぐらいかけて歩き続け、憔悴しきってしまい、
体が冷えたのか次の日から高熱を出して3日ほど寝込んだ。


何年か経ってから、一度 原チャリでこの場所に行ったことがある。
この時、世界電器店を探したけど、、もうそんな店は無かった。
のちに、この話を書いて小説化しようと思ったことがあるが、、あっ、今書いてる!(笑)


あれは一体、何だったのだろう。幻だったのかな。
風邪をひき、高熱で寝込んだ時に見た、単なる夢だったのか?
帰郷する前に、もう一度「世界電器店」を探してみようと思ってます。



次回は「詐欺のようなバイトの話。」
俺は、、詐欺集団に加担してしまったかも知れない。。
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