「トウキョウソナタ」と
「パコと魔法の絵本」を観てきました。
「トウキョウソナタ」
健康機器メーカー、総務課長として働く佐々木竜平は
人事部に呼び出され、リストラを宣告される。
突然の出来事に、呆然としたまま帰宅するが妻、恵にリストラされたことを言い出せなかった。
夕食時、小学校6年生で次男の健二はピアノを習いたいと言い出すが、竜平は反対。翌日から、会社に行くフリをして
毎日ハローワークへ通っていた。ある日、大学生の長男・貴が、世界平和のためにアメリカの軍隊に入りたいと言い出す…。
(goo映画より)
2008年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞に輝いた作品です。
ごく普通の家族がたどる崩壊から再生までの道のりを
家族のきずなをテーマに見つめ直した人間ドラマ・・・
と言うだけあって、家も良くドラマに出てくるようなお洒落な
インテリアではなく、本当に普通の中流家庭のようでした。
良妻賢母の妻に権威主義の夫。
家族4人、同じ家にいっしょに住み、なるたけ朝食・夕食を共にしています。
でも、家族それぞれに秘密や悩みを抱えています。
リストラされた事を妻に言えない夫。
父親に反対されたために、密かにピアノを習ってる次男。
日本や家族を守るためにアメリカの軍隊に入隊したいと願う長男。
そして、一家の主婦である恵も「誰かに引っ張ってほしい」と思う満たされない気持ちを抱えています。
そんな崩壊寸前の家庭が各々「異常な一夜」をむかえます。
それが転機になって
最後の最後で希望を感じさせる方向に向かっていく様子は
ピアノの優しい旋律と相まって、胸が熱くなりました。
それにしても、家にピアノも無く壊れた音の出ないキーボードで練習してる次男が、最後に奏でるドビュッシーの
「月の光」
いくら天才児とは言え、何ヶ月も習ってないのに
あんな曲が弾けるなんて凄い!!
うちの息子に「爪の垢」でも頂きたいわ(笑)
100の家庭には1100の課題があって
外からはうかがい知ることはできません。
実際は、光り輝く「幸せな家庭」などはないのでしょうね。
時折感じる一瞬の光と、一瞬の温もりが好きで
とりあえず毎日を過ごすのが「家庭」というものなんじゃないでしょうか。
★★★☆☆
「パコと魔法の絵本」
一代で会社を作り、我侭放題に生きてきた大貫は
持病で入院していた。
病院には、患者も医者も看護婦もクセのある者ばかりが集まっていた。
その中で唯一、ピュアな心を持っていたのが
交通事故で入院した少女パコ。
我侭な大貫だったが、パコの優しい心に打たれ
毎日、絵本を読み聞かせるように。
しかし、事故の後遺症でパコの記憶が一日しか持たないと
知った大貫はパコのために絵本をお芝居にしようと病院の人々に呼びかける。
(goo映画より)
えっ?これが日本映画??と思うほど
カラフルでファンタジックで
まるでディズニーやドリームワークスのアニメを観ているような感じでした。
以前、この映画を作られた中島哲也監督の
「嫌われ松子の一生」を観た時に、急にお花畑が出てきたり
ミュージカル調になったりして頭を抱えたものですが(笑)
この
「パコと魔法の絵本」は、前編ファンタジーだったので
とても面白く観られました。
とにかく演じている役者さんが楽しそうです。
ほとんど、誰が誰だかわからないようなコスプレ?ですが
みなさん、臆面もなく(笑)生き生きと役に成りきっていましたね。
私の隣で見てた男性が、エンドロールの妻夫木くんの名前を見て「どこに出てたんや?」と驚いていましたよ。
これですよ〜〜♪
私が観た時は、小学生の女の子も多くて
笑ったり泣いたり、賑やかでしたけど
本当に、嫌なことも忘れさせてくれるような夢物語を
見せてもらいました。
日本映画界を代表する重鎮の方に名脇役の方
オトコマエにお笑いの方々などの奇抜で奇想天外な演技。
一見の価値はありますよ。
★★★☆☆
それにしても、リアルな日常を描いてる作品もあれば
こんなディズニーランドのようなファンタジックムービーもあって、最近の日本映画の層の厚さを感じましたね。
これからも、ガンバレ!!ニッポン

