まだ終わってなかったの?といわれそうですね。
2006年の3月にル・コルビュジエを巡る旅を大学院時代の恩師と回ってきた。
ぼちぼちブログに書き記しているのだが、遅々として進まない。
9月にラ・トゥーレットに着いたところまで書いた。さてさて内部は?

回遊プランゆえ対岸の窓と手前の窓の割がまるで音楽のようだ。
まさにポリフォニックな現代音楽。実際は歩いているからもっと
劇的にそれを感じる。シトー派の教会「ル・トロネ」で
夢中になった手前の柱と中庭をはさんだ向こう側の柱割、
そして緩やかな高低差が生じていることもとてもよく似ている。
コルはしっかり参照しているのだ。
そして、この教会の担当者は後に音楽家になったこともよく知られている。

分厚い扉!!を開けると礼拝堂に入る。ここからは逆戻りできない。
かなり予算が苦しかったらしく、ステンドグラスはない。その代わり、
壁に穴を開け、間接光にして、壁のスリット内部に着色している。
それによって、ひかりに色が付く。ロンシャンとかなり近い時期に
作っているにもかかわらず、その相違に驚く。あくまで直線なのだ。

地面は斜めに下がっていく。建築は水平に伸びて、足元はピロティで
浮き上がっている。荒々しいコンクリートの肌、ピロティの柱。
しかし、この軽快さはなんだろうか。コンクリートが物質的でない。
極端に薄いからだけだろうか。表皮に歌を刻み込んでいるのだ。
それは壁なのだが、いわゆる壁ではない。自由に解き放たれた
表皮だから、息もできるし、浮かぶこともできる。
*学生さんへ:フランス紀行を是非最初から見てみてください。
ル・コルビュジエのことを一緒に話しましょう。

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