雨上がりの今日、キイロケアリ(Lasius flavus)の飛行がありました。
時間は午後3時から4時半です。
去年のトビイロケアリと同じで集中飛行日となり、群飛していました。
しかし、野生で生き残ることは簡単ではありません。
容赦のない試練が待ち構えています。
見計らったようにトンボとツバメが捕食に来ていました。

上空から落ちてきた個体。
一見普通の個体に見えますが、よく見ると・・・

このように腹部のない雌アリがたくさんいます。
腹部がなくてもしばらくは生きています。
この姿で地面を歩き回っています。

腹部は食い千切られた痕跡があります。
トンボが腹部のみ食べているのです。

トンボに襲われながらも、辛うじて免れた個体。
翅にダメージがあるのがわかります。

トンボやツバメの襲撃から逃げ切り、地面に降り立った個体。
コンクリートの地面を嫌い、再度飛行しようとしています。
飛び立った後、トンボに食われなければいいのですが・・・。

無事交尾して脱翅した個体。
相当数の羽蟻が飛び立ちましたが、それに比例してトンボとツバメの飛来も多く
交尾&脱翅できる個体は数%しかない感じでした。
ケアリの飛行日には、トンボが地上高10mほどで群飛し
その上空15〜20mくらいをツバメが群飛します。
お目当てはケアリの羽蟻。
ケアリが飛行している場所に、徐々に位置を変えながら飛んでいます。
よく見ていると、ケアリの雌を捕まえたトンボは、腹部のみ食べ
腹部を食い千切れば捨てます。
見上げていると、トンボが捨てた腹無し女王が、キリモミ状態で落ちてきます。
ケアリは腹部がなくても暫くは生きていて、地面に落ちてもがいています。
腹部がないためバランスが悪く、飛ぶことも歩くこともままなりません。
しばらくすると(20〜30分くらいか)腹部のない雌は死に
地面に待機していたシワアリやクロヤマアリに運ばれていきました。
作業所の庭で毎年見られる光景です。

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