私はムネアカを中心にアリの生態観察および飼育をしているのだが
さすがに毎年何十種類も採集観察し紹介していると
何をメインにしているのか忘れてしまいそうになる。
なので、ここでちゃんと本業(?)のムネアカを登場させよう。

新女王からのコロニーは大型ワーカーこそまだいないものの
越冬幼虫も生き生きとしていて、コロニーが安定していることを伺わせる。
このコロニーは丸2年経ち、今年が3年目。
Q1W44で幼虫はおよそ80匹。
計算通りの増え方だ。

コロニー採集してきたムネアカも順調。
採集してきて2年が経っている。

このように幼虫に艶と張りがあるのは、コロニーが健康状態で越冬できた証。
コロニーが状態を悪くしているのかは幼虫をみれば一目瞭然にわかる。
一昨年は恒温器を使って冬も加温して飼育したコロニーが多かった。
結果、寒いはずの冬に加温すると、産卵するはずの時期に産卵しなかったり
状態を崩すコロニーが続出したのだ。
これは、アリが本来持っている季節時計が狂ってしまうのではないかと考え
去年はそれの検証をするべく、恒温器に入れたコロニーと
室内常温で静置してあったコロニーを半々にして、それぞれ様子を見比べてみた。
まさに推測したとおりの結果が得られたので
今年はほとんどすべてのコロニーを室内常温とし、加温せずに管理した。
地域によっての差はあるだろうが
こちらではムネアカが越冬するときには零下が当たり前の環境。
過去に調べた越冬時のコロニー温度は−15℃だったりしますので
冬期は低温での管理が望ましいと思われる。
来年は低温の定温で管理できるように、越冬は冷蔵庫を使います。
外気温より冷蔵庫内の方が温度が高いですから
アリたちにしてみれば野外より越冬しやすいでしょうね。

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