ニシムネアカオオアリ(Camponotus hemichlaena)は広島周辺と
四国、九州に分布する種でムネアカオオアリと非常によく似ている。
唯一の違いは前胸部の色だ。

ニシムネアカオオアリの前胸部は黒褐色になっている。
対して、ムネアカオオアリは赤褐色だ。
色の差以外に形態的な違いは見出せない。

女王は発色のし方も色の付いている部分もムネアカオオアリとまったく同じで
見た目の区別がつかない。

この女王は腰周りの赤が多く、発色が綺麗だ。

成長している幼虫と卵がある。
卵は孵化し越冬幼虫となるが、現在の幼虫は越冬までに羽化するだろう。
ムネアカオオアリでも前胸部が黒褐色の個体が見られるが
ワーカーのすべてがそうなるわけではない。
事前情報では、前胸部の発色のし方に差があると聞いていた。
このニシムネアカオオアリは頂き物で、幸いにも繭があり
羽化直後を観察することができたが、前胸部は初めから黒褐色だった。
ムネアカオオアリの前胸部が黒い個体は、羽化直後は胸部全体が同じ色で
次第に前胸部だけ濃い色が付いていく。
そして最終的にニシムネアカのワーカーと同じような発色をした個体になる。
その情報の通りの発色のし方だった。
色以外に形態的な差はなくても、やはり別種なのだと感じる。

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