Bridge

12月31日の「ニュー・ウエイヴへの招待」はかなりレア！
なにせ伝説的オムニバス、『No New York』の参加アーティストと直に交流し、日本でも伝説のバンド、フリクションを作ったレックさんが、そのオルタナ伝説アルバム「N.NY」発表前の音源を持って番組に出てくれたのですから。。。

『ニュー・ウェイヴへの招待・第５夜』　ゲスト：RECK （FRICTION）
1. Contortions / I Don’t Wanna Be Happy （未発表LIVE：1977.12.4 at Max’s Kansas City）
(bass: reck。 Ds:ヒゲ。Contortionsのデヴュー・ライヴ)
2. Teenage Jesus & The Jerks / Closet　（未発表LIVE：1977.11.15 at Max’s Kansan City）　bass：reck
3. Specials / Do The Dog “SPECIALS”
4. Joy Division / She’s Lost Control “Unkown Pleasures”
5. Linon Kwesi Johnson / Forces Of Victory “Forces Of Victory”
6. ワイズブラッド／ブライン・ゴンゾーラ “dirtdish”
7. Mars ／プエルトリカン・ゴースト　“No New York”
8. RECK／プエルトリカン・ゴースト
9. Friction／ピストル　（80年ライブー発売予定）

以上。多くを語らないにしても、音源とその体験がかなりニュー・ウエイブ時代の先駆者の方だけあって、大変貴重な番組になったと思いました。それにしても、３〜５曲目のUKニュー・ウエイヴの音は刺激的。立つねぇ。いろんな意味で。ホント、79年頃のUK・ＮＥＷ　ＷＡＶＥの音って、どうしてこんなに断然、音が立っているんだろう！カッコ良くて仕方がないよ。5曲目はレゲエなんですけどね。
　ぐっと気持ちが湧き立つのはもう刷り込みというか。イヤ、やはり音に必然性があるからじゃないかって気がするのだけども。。。

　さて、いろいろ書いてきましたが、今年も今日で終わりです。来年は自分のHPの日記としてこのブログを使うつもりです。数日、HPソフトの関係で今までの日記をHPソフトにまとめる間は別にしますが、近く一括にします。
　見てくれている方、本当にありがとうございます。来年は肩の力を抜くようにつとめます。それでは良いお年をお迎えください！

『ニュー・ウエイヴへの招待』12/29OA分　ゲスト：大友良英　“”は収録アルバム
１． コントーションズ / デシッド・アウト “No New York”
２． ポップ・グループ / ウイ・アー・オール・プロスチュート (Single)
３． アイシュデンテ・ノイバイデン / タンズ・デビル “コラップス”
４． ゴールデン・パロミノス / クリーン・プレート　“ゴールデン・パロミノス”
５． ジェームス・ブラッド・ウルマー ／ エベレーション・マーチ　“アー・ユー・グラッド・ビー・イン・アメリカ”
６． デビット・モス / ポッシブル・フルーツ　“フルハウス”
７． スティーブ・ベレスフォード ／ ファット・ア・シングス〜バスト・オブ・サプライズ
８． ジョン・ゾーン / バトル・オブ・アルジェ　“ビッグ・ガン・ダウン”
９． マテリアル / メモリー・サーヴズ　“Memory　Serves”
１０． 大友良英 / メモリー・サーヴズ

※ 相当アバンギャルドな曲が揃い踏み。

『同上』12/30 OA分　ゲスト:スパルタ・ローカルズ（安部コーセイ、伊東真一）

１． ギャング・オブ・フォー / ダメージド・グッズ “ENTERTAINMENT!”
２． XTC / ジェネラルズ＆メイジャーズ “Black Sea”
３． トーキング・ヘッズ / サイコ・キラー (LIVE)
４． ジャパン ／ アドルセント・セックス "Adolscent Sex"
５． ロキシー・ミュージック ／ セイム・オールド・シーン “Flash & Blood”
６． デビット・ボウイ ／ ファッション “Scary Monsters”
７． ワイアー ／ トゥ・ピープルズ・イン・ザ・ルーム “154”
８． ポリス ／ メッセージ・イン・ア・ボトル “Reggatta De Blanc”

※ここら辺は僕も好みが一致する選曲。

ＮＨＫ−ＦＭ「ニュー・ウエイヴへの招待」第一回ＯＡリスト　ゲスト：中川敬（ソウル・フラワー・ユニオン）　“”は収録アルバム。
１． Billy Blag / Help Save Youth Of America “Taik’n With The Taxman About Poetry”
２． The Clash / Charlie Don’t Sarf “Sandinista!”
３． The Stranglers / Tank “Black And White”
４． Siouxie & The Banshees / Spellbound “Juju”
５． Specials / I Can’t Stand It “More Specials”
６． The Jam / Absolute Biginners (single)
７． Style Council / Wall Come Tumbling Down ! “Our Favourite Shop”
８． Richard Hell & Voidoids / I’m Your Man “Blank Generation”
９． ソウル・フラワー・ユニオン / I’m Your Man

2回目は録音失敗！カックシです。。。

日本だけに限らず。この天災の凄さは、、。いやはや今年もまた、なんともかんとも。。。もう静まってくださいよ、天の神よ、て感じですね。

それでも趣味について書いてしまうという、仕様のない男だ。
例の午後６時からのNHK-FMの「ニュー・ウェイヴへの招待」。ゲストがソウル・フラワー・ユニオンの中川敬さんのおかげか、ストレートな選曲で随喜。初回としては良い流れでは？つかみＯＫ、という感じで。
　個人的に聴くだけでなく、こうして番組のトークの中で曲が流れると今でも新鮮でドキドキしますな。ちなみにかかったのは、ビリー・ブラッグ、クラッシュ、ストラングラーズ、スージー＆バンシーズ、ジャム、スタカン、スペシャルズといったところ。
ps.
　昨日の書き込みで間違いがありました。デキシーズのファーストはCD,持っています。ついでにＢ面曲らを集めたテイク集モノも。こちらではかなりいわゆる「ノーザン・ソウル」のカバーを格好良く。当時にしてはえらく６０年代ソウルに通じていることがわかります。英国ユースカルチャーの遺伝子なのでしょうか？

昨日はトチ狂った書き込みで恥ずかしいです。申し訳ないです。
で、かなり２トーン系の音のファーストをまるで買えとばかりに押してしまったのですが、書いている私自身が実は今まで紹介したレコード、CD、一枚も持っていないのです（汗）。ぜんぶ、カセットで聞き返したわけで。でも経済的な余裕が万全あれば買いなおしたいと思うものばかりで、オススメには違いありません。

　さて、２トーンの音もUKニュー・ウェイヴの一群にカテゴライズされることが多いわけです。自分もここでニュー・ウェイヴ系の音を紹介しています。こんな独善的な書き込みを見に来てくださる方に心から感謝いたしますが、おそらくニュー・ウェイヴに耳馴染みの人が多いと思います。もしかして耳馴染みのないという奇特な、有り難い人には朗報。オールドファンにも興味深い番組が明日から大晦日の金曜日まで夜の６時から５０分間、放送されます。番組は『ニュー・ウェイヴへの招待』。

　今年、「ニュー・ウエイヴルネッサンス2004」という企画で、廃盤になったニュー・ウエイヴ系のアルバムを再販の試みをしてくれた音楽評論家・小野島　大さんの司会で、日本の現役ミュージシャンが自分にとってのニュー・ウエイヴの影響を語りつつ、曲をかけるというもののようです。ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬さんや、なんと！伝説のバンド、FRICTIONのRECKさんも登場します。ニュー・ウエイヴファンはぜひお聞き逃しなく！僕も早速タイマー録音体制です。

「ニュー・ウエイヴへの招待」NHK-FM　各18時〜18時50分
司会：小野島　大
12月27日（月）〜12月31日（金）
詳しくはこちら（小野島　大さんのHP）勝手にリンクを貼ってしまいました
http://onojima.txt-nifty.com/

● Dexys Midnight Runners 『Searching For The Young Soul Rebels』

日本盤タイトルは「若き魂の反逆児を求めて」。くう、日本盤タイトルにも泣ける。このバンドは２トーンとは契約しなかったけど、ファーストシングルが２トーンから出されると思われていた。（他の多くのバンドもアルバム単位では２トーン以外）。

バンドの持つムードはこのファーストアルバムの時点では２トーンと共有する部分が多かったと思う。デキシーズの初期はブラスを前面に押し出したリズム＆ブルースと60年代ソウルの世界。そこにやや癖があるケヴィン･ローランドのボーカルが乗っかるというもの。その音の熱いこと！よりストレートに60’sソウルの音をタイトに聴かせるとはいえ、同時期のスペシャルズを代表する2トーン系の音と同列に並べると実にしっくりくるものだ。若さのストレートな爆発は確かにこの時期、これらのバンドの中にこそ一番目立ったのだから。

アルバムの冒頭はラジオのチューニングにあわせて流れるディープ・パープル、セックス・ピストルズ、そしてスペシャルズ。その音が消されると威勢の良いケヴィンの掛け声にメンバーが唱和して素晴らしく意気の良いブラスの音が始まる。「Burn It Down（焼き払え）」。そしてマイ・フェイヴァリット・ソングである勢いと泣きが入り混じる「Tell Me When My Light turns Green（青に変わる時）」。もうこの時点で当時も、そして今もノックアウト。3曲目のインスト曲もパワフルで実にカッコイイし、ジーノ・ワシントンという英国を根城にしたソウルシンガーをレスペクトした「ジーノ」。これは彼らの出世曲で、ブラスセクションがパワフルに曲を引っ張り、挿入された歓声の音が情熱的な歌を盛り上げる。そして、60年代のマイナーヒットソウルのカバー、「Seven Days Too Long」辺りまでくるともう、そのノリでイカレてしまいそう(笑)。それ程好きでした。大好きでした。（冷静でいられなくなります←バカ）。まぁ、そんなで。間にバラードや詞の朗読を加えながら、ラストのアルバムのタイトルが繰り返される曲で燃焼し、盛り上がる。まさに最高に情熱的なバンドサウンド。彼らはロックではない。少なくともその志向ではなく、今思えば60’sソウルに内なる表現の衝動のかたちを与えたかったバンドに違いない。

以下、ますます恥ずかしいこと、書きますが。
溢れるほどの純粋な情熱、ひたむきさ。この１９８０年くらいの時点では、クラッシュの「ロンドン・コーリング」は置いておいて、ザ・ジャムの「SETTING　SONS」と並び立つくらいに、まるでシャドー・ロールをつけた競馬馬なみに、まっすぐで、一直線な若い衆の力強さ。ヤボイとか、イナたいとか、クダラナイ、関係ナイ！このひたむきさの前には。
凹んでしまったとき、いい年こいた年齢になっても、この音に触れれば、力をほんの少しでももらうことが出来る。
そして、ココロの内側でもいい、アタマの中でもいい。どんなでも、こんなでも。自分にとっては生命賛歌だ。ファッションじゃないんだ、究極的にはハートをヒットしてくれること、音楽と歌は。ぼくはそれをこのデキシーズのファーストの音塊からもらえる。今でも。（スンマヘン、熱くなりすぎでした。。。）
　演奏力は実はたいした事はない。ただただ、タイトでスクエアなソウルサウンドがブラスのメロディで引っ張ているだけといえば、そうともいえるかも。でも演奏力以前に、気概が先立つ、ガッツが前面に出てくるという意味では、パンクの熱気を引き継いでいる。

このバンドはセカンドも名盤で“「カモン・アイリーン」のバンド”でもあるけど、そしてそれも疑いなく素晴らしいけれど！でももしも、このファーストのオリジナルメンバーで続けていたら（2枚目までの間にメンバー6名脱退！）、そしてより演奏力がついてケヴィンのボーカルがパワフルになっていけば、とんでもないバンドになっていたに違いないと私は確信します。惜しい！そうなれば、ザ・ジャムのように英国を代表するバンドになったのに違いあるまいに。（そう評価されそうになったバンドはあまたあったかもしれませんが）。

さて、いったん冷静に。2トーン系のバンドは一体に、60年代の音の実にしぶ〜いところをあの70年代末期から80年代頭にかけて見事に再編したり、カバーしたりした。おかげでスカやロックステディのオリジナルに目覚めさせてくれた。そして、デキシーズのファーストのおかげで（あるいは後期のザ・ジャムのおかげで）オーティス・レディングにぶっ飛び、アレサ・フランクリンにぶっ飛び、させてくれた。そうです。スタックス〜アトランタのソウルを教えてくれ、そして「ノーザン・ソウル」（アメリカの北部のソウルという意味ではなく、長く英国北部で60年代のマイナーなものも含めてダンサンブルなソウルをかけるクラブシーンでかかっていたソウルのこと）の素晴らしい歌を発見する喜びを教えてくれたのです。

デキシーズはジャマイカン・ソングと関係しなかったけど、おそらくモッズシーンの流れの派生でこれら2トーン系列のバンドたちはクラブなどでそのような音楽を雑多に聴くことが多かったのではないだろうか。そして、パンク以後、それら自分が好きな音楽ジャンルを自分たちなりに「しょいこんだもの」を抱えて、表現したい衝動に激しく突き動かされたのではないだろうか。そのような情熱と焦燥感は、パンク以後、2トーンの動きの中に、一番ストレートな形であらわれた、と私は思うのでありマス。
めでたく日本盤の再発！バンザイ。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1904288
PS・
今回、2トーンバンドのファーストを聴きなおしてみて、マッドネスとセレクターのファーストは改めて嬉しい再発見でした。スペシャルズのファーストは古典扱いですし。マッドネスの再発が望まれますね。では、長くてすみませんでした。

● The Beat 「I Just Can’t Stop It」

　一足早くメリークリスマス！です。さて２トーンバンド４番手はザ・ビート。残念ながら彼らのファーストアルバムは入手困難なようです。（語学堪能な方はイアンサウスワース・レコードからどうぞ）。

　パンキッシュなスペシャルズ、下町の悪戯小僧的マッドネス、切ないセレクターらに比べ、ザ・ビートは一番カリブ海風といいますか、南国的な陽気さが持ち味のようです。マッドネスのような都会の下町で笑いを生活の糧とする感じと違って、もっと開放的な感じです。他の２トーンバンドのように何曲かスピード感のあるタテノリタイプの曲もありますが、相対的に穏やか。むしろ、ゆったりしたレゲエ的な曲が多く、ベースのスペースがふんだん。ボーカリストの一人黒人が曲間にDJスタイルでトースティング（いわばラップの原型的なスタイル）する曲がなかなかゴキゲン。他のバンドに比し、全体にレイドバックした感じ（あくまで比較ですけど）。

　スペシャルズが元スカタライツのリコ・ロドリゲスをトロンボーン奏者としてメンバーに迎えたように、このバンドもサックスにベテランの高齢ミュージシャンを加えています。
　インパクトがそれ程強くないのと、後に同郷からUB40のようなバンドが出てきたので影が薄くなってしまったかな？（ボーカリストの声質もUB40のアリ・キャンベルと割と似ているので）。



　で、解散後このバンドは後にボーカルを中心に「ジェネラル・パブリック」と「フェイン・ヤング・カニバルズ(以下FYC)に枝分かれします。ジュネラル〜の方は１〜２曲ヒットを飛ばして何となく消えましたが、ザ・ビートのベーシストとギタリストが俳優もやっていたローランド・ギフトをボーカルに加えて結成したＦＹＣの方は後に売れに売れたので、そちらは知っている人も多いことでしょう。（それにしてもFYCのベーシストとギタリストのダンスは変な見事さですｗ）

● Selecter 『Too Much Pressure』

いやあ、このジャケットもホント、好き。
2トーンレーベルアーティストのファッション、スタイル、そしてレコードジャケットは初期のモノは本当に“キマッテ”いた。スペシャルズのザ・フーの1stを模したジャケット、Madnessのムカデダンスを上手くプリントして彼らのユーモア感覚をすくいあげた「One Step Beyond」。そしてセレクターのこのアルバムジャケだ。彼らのサウンドを見事に表現していると思う。地面に落ちたポークパイ・ハット。おそらく壁にもたれて泣いているヤングガール。キメにキメているけど、その内面の哀しみを捉えている。

粋な音楽とイキなファッション、イキな連中と作り上げる「族」も、その群れから離れると露わになる脆さーまるで映画『さらば青春の光』みたいですけど。

セレクターのアップでタイトな音と焦燥感はスペシャルズに似ているけど、セレクターの場合、より“一瞬の”というムードが強い。そんな気がする。一瞬の燃焼を志向する音楽に聴こえたとしたら、それは「刹那な感じ」とも云えましょう。
　ぼくはハッキリいって刹那の快楽主義、あるいは快楽主義的音楽というのは苦手なんだけど、刹那の本気、あるいは本気を刹那に賭けているものにはすごく魅せられる。久しぶりにこれを聴いてセレクターにはそんな魅力を強く感じた。２トーンブームのその後を後知恵で知っているせいかもしれないけど。あえていえば、クラッシュのファーストを初めて聴いた、あの感触。。。切迫と哀愁。

２トーンのバンドの中でボーカルが黒人女性でファーストではメンバーの黒人比率が高いせいか、いま歌詞（訳詞）カードがないから確認できないけど、印象としては多くの曲で疎外感が唄われている気がする。そこにはスペシャルズの外向的な攻撃性はやや薄く、マッドネスのタフな庶民的ユーモア感覚も薄い。むしろ全体良く聴くとブルージーなソウル感覚を感じる。アップテンポでポップなスカソウルの中に哀しみの色がうかがえる。女性ボーカリスト、ポーリン・ブラックの歌声にもよるせいだろうか。そこがたまらなくいとおしく感じる。

多くの曲をカバーしてきたジャマイカン・オリジナル・スカに逆レスペクトしているのか、セレクターはそれらのカバーが多いのも特徴。ロックファンがスカを聴こうと思うなら入り口はやはりスペシャルズが王道だと思うけど、オリジナル･スカの魅力に接触してみようと思う人には入門としてセレクターをスペシャルズの次にぜひ。いろいろな感情のヒダを感じたい人にはその味わいが濃厚なセレクター、お奨めです。というか、今紹介している２トーン1stもの全部、オススメなんですけど。どのバンドも捨て曲ないですし。

ちなみにセレクターがファーストでカバーしている曲。
「エブリーディ」→「Time Hard」（The Pioneers）
「哀れなイゼベル」→「Carry Go Bring Come」（The Charms）
「ジェームズ・ボンドのテーマ」→「James Bond」（Roland Alphonso）おそらくこのバージョンを参照しているはず。
「愛しのコリー」→「？」（カバーには違いない）
※ 「オン・マイ・レディオ」もカバー臭いです。おそらく。。。
・ もう一つ、このアルバムで特におすすめ胸キュン曲。
「ミッシング・ワーズ」「アウト・オン・ザ・ストリート」・・・ちょっとザ･ジャムを思わせるムード。

　アルバム、無事日本盤が再発された模様！（この際、マッドネスのファーストも是非！）

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0001J0E38/qid=1103714026/sr=1-41/ref=sr_1_2_41/249-3648563-2536358

『ブリックヤード・ブルース』
英国Rockミュージシャンが好きな音楽で食っていくための奮闘記。

http://every1ofus.hp.infoseek.co.jp/
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Cinema/1594/index.html
http://www.bls-act.co.jp/index.html

● Madness 『One Step Beyond』
　スペシャルズと共に2トーンブームを代表するマッドネス。これもまた全編捨て曲ナシ！愉快なハイパー・パーティ・サウンド。―そしてほんの微量の切なさも加味。
　２トーンバンドの中で、スペシャルズが詞といい攻撃性といい、もっともパンクの影響に近い音であったとするなら（２nd以降、また趣きが変わるけれども）、彼らマッドネスの場合はリズムにスカ・ロックステディ・レゲエの影響が顕著であるとしても、相対的にグッと陽気な側面を押し出している。
　それにしても、2トーンムーヴメントの登場は本場のジャマイカンレゲエを想像させた。リズムに白人的なぎこちなさを感じなくなった。特にドラムの音。

　マッドネスは2トーンブームが落ち着いた後ももっとも長命を保ったバンドです。それは彼ら自身、スカやレゲエだけが持ち味ではなかったから。もちろんレゲエを利用したということではなく、彼らの中にポップなサウンドの引出しが多く、そのため後にその引出しに見合った音作りへ自然に移行したためと思われる。今このファーストアルバムを聴いても、その片鱗はうかがえる。ただ当時はそのような面は分からなかったし、このファーストアルバムは所謂２トーンムーブメントのド真ん中の音のひとつとして位置付けて全然かまわないと思う。つまり、彼らにとってもっとも黒っぽい音作りのアルバム。ちなみに、マッドネスはメンバー全員白人であります。

　彼らの特徴については後のマッドネスサウンド＆詞やバンドのユーモアからキンクスが引き合いに出されるけれど、むしろサウンドの類似点はイアン・デューリー＆ブロックヘッズがもっとも近いのではないだろうか。マッドネスがイアン・デューリーのトリビュートアルバムの曲をスタジオライブするのを見た事があるが、「やっぱりそうか」と納得させられる。実にハマッているのだ。アメリカでもある程度ヒットしたかもしれないが、いずれにせよ、極めて英国的なバンドであることは間違いない。

　最初に記したとおり、このアルバムも全編捨て曲がない。ジョークやユーモア好きな人にはなおさらだ。１曲目の周囲を威嚇するような(笑)トースティングの後にハイパーでまさにMADな感じのスカ・ダンスナンバー、「ワン・ステップ・ビヨンド」。納豆のように糸をひくサックスがエグイ。それが終わると突然に人懐っこく、そしてどこか懐かしいメロディの「マイ・ガール」。エキゾチックな映画のサントラ曲を思わせる「ナイト・ボート・トゥ・カイロ」で大袈裟に迫るかと思えば、軽々・飄々と素晴らしいメロディを唄う「ビリーブ・ミー」。俄然クール！そして、どっと笑える素晴らしいインスト・「ターザンズ・ナッツ」＆「白鳥の湖」。とにかくこのバンドはおふざけの影に素晴らしい才能をチラホラさせる。やたらにサックスがしゃしゃり出るけど（これも戦法でしょうｗ）、実はタイトで上手いバンドサウンドが見えかくれ。中でもインストで発揮されるピアニストの才能。その素養の程といったら！また、ボーカルのサッグスの軽みの中でクールに壺を押さえたボーカルもただものではない。彼は特にイアン・デューリーのファンらしい。
　捨て曲ナシの中でも特に素晴らしい曲―「マイ・ガール」「ビリーブ・ミー」「ベッド・アンド・ブレックファースト」「ロッキン・イン・Ａｂ」。
　インストの名曲―「ナイト・ボート・トゥ・カイロ」「ターザンズ・ナッツ」「白鳥の湖」。
　ウン、いやどれもこれもいい！笑いが弾ける素晴らしいアルバムデス。今でも通用しまっせ、買ってソンなし！エンディングまでもが見事(笑)。寒い年末にはコレでせう。

注）もしかしたら、日本盤は廃盤かな？だとしたら残念なこと。ただマッドネスのベスト盤は日本盤で入手は容易だし、その後の彼らのサウンドストーリーも良質なので、ベスト盤でのフォローでも良いでしょう。でも、まずはこちらを聴いて欲しいですよね。鼻歌ソング・オンパレード(笑）。そのくせ実に洒落ているところが凄い。

　こちら、ファースト英盤のAmazonでの紹介。お買い得なお値段です(笑)リスナー評がうなずけます。「ターザンズ・ナッツ」って。原曲、日本の歌だったのか？知らなかったー。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00004SCMA/qid=1103454900/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-7681350-6812332