Bridge

　昨日の新聞に載っていました。総務省が自殺サイトや爆弾の作成方法などの「有害情報」のインターネットサイトを健全利用するために、実名でネット利用を促す取り組む方針だそうな。
　ありがちな観測気球かもしれないし、観測記事で人の目を引くマスメディアの相乗効果記事かもしれないので何ともいえない。

　まず小中学校の教育で活用させたいとか。ネット社会のモラル育成のためにブログや知り合いサイトで「実名主義」を取り入れたいとか。

確かに有害情報は溢れてると思うし、また事実有害な現実も起きてはいる。正直言って、僕は余り「自由な表現の自然淘汰」説みたいなものは信じていない。現に、かように有害情報があるし、そこにアクセスする人はいるのだから。
　同じ理由でネットの実名主義は甘い観測だと思う。具体的に自分について言えば、日々入ってくるメールの半分以上はスパムメールだ。そんな状況で実名などあかせば、トラのいる草原に一匹だけ羊が放り出されるも同様。

　僕の個人的な本音をいえば、有害サイトは取り締まるべき。と思うが、もうひとりの客観的な自分はそれこそ、表現の自由の侵害だ、と思う。いま考えられるのは国が介入する前に、プロパイダーが注意を促すべきだというある意味で折衷案。そのためには、ブログなりHPなりの読み取りの高度な能力を有する人材が必要だ。

　思えば、「チャタレイ裁判」以後、表現の自由は方向を見失っているように見える。週刊誌やメディアに関して言えば、表現の自由を言って、実態は営業の自由を語りたいとしか思えないケースが多い。
　逆に商売が絡まないネット社会は、民事的には侮蔑すれすれの表現も多い。
　そして、侮蔑さえ、そうとは思えないような論理が何人もの匿名者によって繰り込まれたり。
　集団が常識外のことを言えば､これが常識だと思う一人が自分の常識をすっかり疑ってしまうという集団心理学の実験報告もある。同調圧力に弱いのは別に日本人だけとはいえない。

　とはいえ、ならば実名にすればよいというのは、武器を持つものが、持たないものに対してますます護衛になるものを手放せ、と言っているようにも聴こえる。

　だがこの記事も上記したように行政のアドバルーンの気がする。このアドバルーンとマスコミの瓦版根性が一体化して、結果、なんだか変なふうになっている今日この頃な気もする。ーー最後は余談。

　
　昨日、昨昨日と30度を越えた札幌なんですが、今日は本州も記録的な暑さとのこと。昨年の猛暑といい、なかなか自然の厳しさを思い返してしまいますが、その厳しさを一瞬のうちに感じたのが、昨年札幌圏、道央圏を襲った風台風でした。まさに午前中の短い時間に風速50メートルくらいが駆け抜けた台風でしたが、その爪跡は数多くの樹木の倒壊が示したものでした。街路樹が短い時間に次々倒れる瞬間を目の当たりにするなど、台風が来ない札幌人には結構驚きでした。

　札幌近郊に野幌森林公園という場所があります。大変広い公園で、母校の大学の近くから、森閑とした自然林の森のコースがあります。そこはこの公園の中でももっともうっそうとして散策者も少ない往復4〜5ｋｍの遊歩道なのですが、私は大好きで、時間があると年に何回かは歩くようにしています（上記の写真）。

　今年も行ったのですが、その初めて入った日はしばらく歩くとすぐに驚かされました。この鬱蒼とした森がまるで切り開いたように木がなくなっていた個所が何箇所もみつかったのです。（以下の写真）

　ここら辺りも木が鬱蒼としていたのです。天気の良い日に散歩すると光と影の自然の演出にとても美しさを感じるのですが、「感興を減じる」というのも身勝手な話で、自然の一瞬の猛威に畏怖を感じざるを得ませんでした。不思議なことに台風の通り道がほんの少しずれているだけで何の影響も無い風景なのが偶然のもつ何ものかだなぁと思ったものです。
　昨年の台風の後、しばらくして訊ねてみたら入園禁止になっていたのはこの結果のためだったのですね。おそらく倒木、凄い状態だったのでしょう。なお、整地された場所にシダが葉を伸ばしていますが、ここら辺一体、大きなシダが普通に生えています。そのように上も下も見どころ抜群の個人的に大好きな森の道です。（僕は植物知識がないので、ただぼんやりしたくて、歩くのが好きなのであります）。

どうしたことでしょう。
今までの涼しい、というか寒いに近かった5月と6月上旬が終わったと思ったら、いきなり真夏日が到来した北国です。この2日、いきなり真夏の天気です。
だれかが寒い春は猛暑になると予言してたが、その可能性あるかも。

どうしたことでしょう。日本サッカー。
あのブラジル相手に2-2で引き分けるとは。見逃したー！失敗。
最近は衛星でＷ杯予選、欧州と南米の試合を見ることが出来るんですが、ブラジルとパラグアイの試合は昨日の日本戦のメンバーとほとんど変わらないのですよ。プライベートでサッカーに集中できないロナウドはいなかったし、カフーもでなかったし。それでも人材の供給国だけあって、中盤から前でもう面白いように展開してました。本当に想像＆創造の世界でね。ファンタジックな。
キーパーがジダでないくらいですよね。昨日は。ロベカルもパラグアイ戦はそれほど見せてなかったし。それよりロビーニョ、アドリアーノ、カカ、勿論・ロナウジーニョ、ゼ・ロベルトととにかくすごい中盤から上ですから。

メキシコにも負けているからもしかしたらブラジル、予選と云うことで微妙に手抜きしていたのかもしれないけど。でもギリシャ戦以来、日本の早い展開といい、シュートを打つ流れといい、ブラジルと打ち合いをやるなんて。何か変わったんですかね。日本チーム。見忘れたのは本当に失敗！

　「バトンが回ってきたら自分のウェブログでいくつかの音楽に関する質問に回答して、その質問をさらに自分から5人に繋いでいくネット遊び」だそうです。アメリカの音楽好きブロガーから始まったらしい。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/Musical%20Baton
　いまこういうのが流行っているらしいというのはどこかで目にしていましたが、まさか自分みたいな者に廻ってくるとは思いませんでした。ありがたく。
■ 今、コンピューターに入っている音楽ファイルの容量
わからないんです。調べられません（爆）。ただ、ウインドウズ・メディアプレイヤーにピーター・ガブリエルの「ドント・ギブ・アップ」と、シンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」の2曲だけは入っています。ネットラジオは利用したことありません。オレのコンピューターはすでに重体だから。
■ 今聴いている曲
Show Of Hands / Hard Shoulder
日本でほとんど紹介されない、まして日本盤も出ない素晴らしいアーティストって。
本当、世界中山ほどいるんでしょうねえ。。。
■ 最後に買ったCD
The CORAL / The Invisible Invasion
最後が「最期」になりませぬように！
■ 良く聴く、または特別な思い入れのある5曲
１） Show Of Hands / Don'ｔ Be A Stranger
２） The Clash / Safe European Home
３） The Jam / Town Called Malice
４） The Impressions / People Get Ready
５） John Lennon / Hold On
最近の愛聴曲と思い入れ曲、両方入れました。本当は5曲なんてムリ！いまこうしているうちにもいろんな曲のメロが浮かぶ。最近知ったものから、懐かしいものから。
１）。ここからまた新しい音探しの入り口になるかも。自分にとって、今年のトピックになった音。
２）を初めて聴いたとき、今に至る洋楽狂の割礼を自ら行ったのです。（失礼！ｗ）。しかし洋楽クルイなんていうが、自分なんぞ甘い。
３）を聴いて自分が好んだジャンルの音楽が凄く広がった気がしたのです。心の中で、「ヤッター！ありがとう！」と叫んだ気がします。２）とはまたちょっと違う新しい種類の高揚感を手にした気がしたのかもしれません。−いま思うと。
４）、５）。残りはなるべく音楽が持つポジティヴな普遍性に結びつく曲を、と考えましたが。で、レノンは「Happy Xmas（War Is Over）」を最初決めてたんですが、最終的に個人的趣味から「Hold On」に変えました。個人的な切実な祈りから、観念的な世界大の祈りまで1曲に濃密に詰まっている。そのように自分は聴いちゃうんです。究極的なまでに簡素で多弁な曲だと思うんです。というか、もう駄目、この曲のイントロが流れるだけで。そんな曲たち、選ばれなかった曲たちが頭の中で悪霊の如くこだまします。
長くなっちゃったな。
■ バトンを渡す5名。
一番の難問です。ヒロシです。友達がいません。いや、マジに(笑)。こういう設問に答えてくれて、なおかつブログをやっているお友達なんて本当にごく稀にしかいないっす。
誰か受け取ってくれませんか。そんな有難い人は名乗り出てくれると嬉しいなぁ。
もちろん自分でもちょっと探してみます。

http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=13490
　● The Staple Singers / Freedom Highway
　市の中央図書館のAVコーナーにステイプルシンガーズのゴスペルソング集があったので早速借りて聴いてみたら、これが自分的に大ヒット。機会があると良く聴いています。ステイプルシンガーズと言えば、サザンソウルの名門レーベルスタックスで70年代前半にヒットを飛ばした父と娘たちで構成されたファミリー・グループのイメージ。中でもソロでも活躍しているメイヴィス・ステイプルの声の説得力が凄い印象があります。ぼくはSTAXのベスト盤でヒット曲2曲と、後はザ・バンドの映画「ラスト・ワルツ」でザ・バンドのメンバーと彼らの曲を共演する映像、それから70年代のメイヴィスのソロアルバム、その程度の寄る辺だったんですけど、無視できない存在であると常々感じていました。その家族は50年代からゴスペルグループとして活動していた実はキャリアの長い音楽ファミリーです。

　ゴスペルだから今までのステイプルスのニュアンスとは違うかと思ったらそんなことは無かったのでした。「ハレルヤ」とか「グローリー」とかの繰り返しが多いものかと思ったら、それは嬉しく(?)裏切られました。いわば簡潔な演奏によるソウル。あるいはリズム＆ブルース、という趣き。特に3曲目の「本当か」（「Are You Sure」）などはメロディの展開が、言葉は悪いけどシングルにしても良いようなポップな曲。（ぜひ視聴してみて）

　ギターはただエレキをアンプに通しただけのような音色なんだけれどしかし、とてもブルージーな機微を醸していて、かつ美しく、説得力ある主楽器になっています。ギターに宿る深い魂。そして、ほとんど天才的なパワーとコントロールされたエネジーがあるメイヴィス・ステイプルの歌声。その父であることを疑うほど、ポップス父の歌声は控えめで、か細くさえ聞こえます。しかし雄弁に奏でるギターと同じく、その声は独特な深さを感じます。多くで“母”を乞う歌をこの父娘グループの父が中心に唄うのは偶然なのでしょうか。
　それにしてもゴスペルといっても、詞の上でこのリアリティは何だろうと思ってしまいます。（勿論、訳詞の理解です）。「（祈りが）余りに長くて　天国の家に近づき過ぎてしまった」とか。何と詩的な！他に「この私が悪い」とか、オリジナルはカントリーらしい「自分が投げる石に気をつけなさい」などは強力な寓意、ともニュアンスが違うのだけど、説得力に満ちていて、圧倒され厳粛な気分にさせられます。
　何にせよ、サウンドとしてはゴスペルというよりもソウルの原型と呼びたいかたちの音の力強さは「素の」実力に満ち満ちています。浄化を促す曲たちです。
最終曲は「This Train」。この曲はボブ・マーリィ＆ウェイラーズがインターナショナルな活動を開始する少し前にレコーディングして取り上げていますし、オリジナルメンバー、バニー・ウェイラーのファースト・ソロアルバムでもラスト曲として圧倒的な演奏をしています。ラスタのウェイラーズにとっても、ゴスペルがレパートリーの1つに加わっていたのは興味深いこと。そういえば、彼らはカーティス・メイフィールドが主メンバーとして在籍していたインプレッションズというソウル・コーラスグループに多大な影響を受けていました。

　そのインプレッションズの「People Get Ready」は目くるめくコーラス・ワークと描写力に満ちた間奏のギターで、スピリチュアルな感動を呼び起こす名曲中の名曲です。おそらく歌詞は「This Train」からも影響があるのではないでしょうか。このPeople〜もバックにストリングスがかぶせられる程度で、最小限の音しか加えられていません。素の、コーラス・ワークの実力と、ギターが紡ぎだす描写力で勝負あり、という感じの曲。
　彼らが活動していた時代、存在を広く知らせる媒体はラジオだけでしょう。そこに斬新な音のプロダクションが得られないなら、とにかく素の実力で勝負だったのでしょう。曲・詞・素晴らしいコーラスとギター。おそらくウエィラーズも、この生々しくもとんでもなく美しい曲をラジオで聞きながら、コーラス・ワークの勉強をしたのでしょう．．．。
　ステイプル・シンガーズのゴスペルとインプレッションズのPeople Get Readyなどが持つなまな美しさには本当に舌を巻いてしまいます。
　あえて気どっていえば、源流の水のように美味しいのです。（大げさかなぁ）。

●歯医者。病歴が少ないせいかしらないが、どうも歯科というのは生理的に馴染めないなぁ。ずっと大口開けて「お任せします」という状態が何とも無防備で。
それに加工作業って感じなんだよな。
今日で4度目になりますが、強烈なのが来ましたよ。前歯。麻酔ってあれ、そんな感じしないよ。えらい熱い。大げさいえば半田ごて当てられたみたいよ。痛くないけど、あちぃ、ってくるんだな。歯科技工士の人にこれなんです？って聴いたら「麻酔です」て聞いた時点ですでに前歯の辺り、感覚がないんだから。タイミングがずれてて阿呆やがな。って話。で、その前歯の感覚が無い感じってねぇ。もう口元も締まり無くなって涎がでるわで。元からの阿呆に拍車かかる感じ。それもあるけど1時間立ってることの気づいた時には。すでにもうひとつの頭は「やべえ、今2100円しかない。足りるかな〜」という金のことばかり。結局、2090円也！思わず「ああっ」て情けなく笑ってしまったんで、受け付けさん、明らかに不審な顔を示しました。

●早めについてしまい、かつ待合の必需品、本もなし。仕様がなく、週刊誌を手に取る。何がいやだって、藤島部屋一家お家騒動商売に苦味を感じながら、その話題に食いついちまう自分がヤダ。プライベートを探るのはやめれや、と思いながら「家政婦は見た」式の記事を読んでしまう。これがまた偉いインテリジェンスある家政婦さんなのよね。（職業差別か！←オレ）。しかしどうも「お家の事情を売った」って感じが拭えず。それをただで読んでる自分はどうか？という。まあ、いえんわね。

だけどお国返りしたジェンキンスさんを追いまわす連中とかさ。昔の日本人はこういうの「はしたない」って言ったもんじゃないか？最近保守どころか、反動が入っている自分はそう思うのでした。はしたないといわれ、その後ろめたさがあるからロックに深みが生まれるのと違いますか？（あ、わけのわからない開き直り）。

　
● The CORAL / The Invisible Inveasion　
　幼い時分、寝ぼけて夢遊状態になった経験はなかろうか？小生、幼児の頃、2度ほどそのような状態に陥った、と後日両親より朗らかなサザエさん的笑いのエピソードとして伝え聞いた事がある。身体が文字通り夢に蝕まれ、現実の夜、目覚めている人に突飛な言動・行為として記憶されたことは幼少時、多分誰にでもあることだろうと思う。
　だが形態は違えど齢を重ねてもそうだ。夢のちから。目覚めても非常に感情・余情が強烈に残る日というのがたまにある。ごくまれではあれども。夢の物語で− 激情に駈られていたり、切なくって涙ちょちょ切れていたり、感極まったり、喜びに溢れていたり、こんな楽しい思いはいつ以来だろう、と思ったり。
　しかし目覚めて覚醒してしまえばもうほとんどその感情を引き起こしたストーリーは忘れている。5分も立つと綺麗さっぱり、その呼び起きた感情さえ忘れてしまっている。ただ印象深い夢だったという思いが残っているのみ。

　The CORAL、まだ20代前半のメンバーで構成されるリバプールのはずれの田舎町から2002年にデビューしたこのバンドはそんな「夢の奇妙さ」、特に夢ストーリーの奇天烈さを6人のメンバー全員が共有しているような不可思議なバンドだ。
　資料に寄ればミニアルバムを除いて通算3枚目のオリジナルアルバムが今作。そのありさまは確信を伴ったサウンドにまで昇華され、無二の個性まで確立されたように思う。一枚目ではポストパンク的な要素も含まれた勢いに乗ったガレージ風味もあったが、事ここに至って、サウンドも非常に計算されたものになっている。奇妙なつづれ織りでございます。

　だけど、吃驚するくらいポップな側面も見せている。3曲目など、イントロこそどこかで聴いた事のありそうなフレーズだけど、えらく爽快な演奏で。これコーラルなんですか？って感じの曲。そしてシングル化された6曲目などはその部分が一番、アルバムでは象徴的。やぁ、モノにしましたね！っていう感じ。魔法の小箱から可愛い目玉の子犬が、ぴょんと飛び出した、ってな。　
しかしいかに耳なじみやすい新緑ポップサウンド中にも、サビだの転調だのに必ず癖が混じるのが本品の特徴。可愛い子犬がむくむく巨大化して牙を剥く、そんな夢のシュールさみたいなものを持ち合わせているようなところがアリ。これはもう作為・意図というよりも、この人らが拠って立ちたる個性なんでしょうな。

　しゃあしゃあと、リー・ペリーの「スーパー・エイプ」とヴァン・モリソンの「ムーン・ダンス」の2作の空間感覚を参考に、といった趣旨の発言、某雑誌で見たけれど、確かにこの2作超名作なんですよ。だけど、ジャンルもその接点もあまりに違いすぎる。それらを並行に並べて語られると読者は困惑するか、笑っちゃうかなんだけど、デビュー当初からそんなことばかり述べ立ててて、相変わらず。という辺り、これも狙いの無い天然さまなんだな、という気がしてくる。ジャンル的こだわりを失った今という時代の光を象徴するような連中の発言だと思います。総勢6名、「夢か現か幻か」の音楽をはったりかまさず今後もどうも続けていけそうなら。“ナチュラル・ストレンジ”ででっかくなる図はまったく凡夫には想像が出来ない。それ故に、そんなこちらの勝手な夢ゆえに。必要以上の、多大な期待をするのです。ロック界の裏ボスになりたまへ！
　FUJIロックをご覧に行かれる方々、ぜひこのバンドにご注目を！どのようなLIVEをするのか、新作からどんな演奏をかますのか。遠い場所から小生も期待しておりまする。

　で、ついでに詞、ね。例によって訳詞で読んでるだけど、分かりやすくなって来てると思うな。ひねりの利かせ方も市井的なリアリズムを感じたりして。今後の詞の発展も期待していますよ。
　何か、ライナー読んだら、「魚屋・肉屋・八百屋がインターネット上で秘密の結託をしてスーパーマーケットをやっつける」というアイデアがアルバムタイトル「目に見えない侵略」のモトにあったそうな。
　このバンドを聴くたび、過去40数年の英米大衆音楽の残した（そのバンドに影響を及ぼしたその前の時代の人たちも含め）、遺産というか、“根元から果実がたわわに実った”って気がして仕様がないんだけど。その諸要素の中の一番の比重に「The　KINKS」という言葉がイメージされるんだけど。どうかな、違うかな。やっぱ英国のバンド、ってこと考えちゃうだよね。この人たちの中にもね。

●永遠のモータウン／ファンク・ブラザーズ
　モータウンサウンドを聴くと力をもらえる。希望が蘇る。懐かしいような希望や勇気が。それはサウンドと歌がひとりの人間の内側に与える不思議な力。耳を通すだけの不思議な魔法。ほかの沢山の沢山の、大事なミュージックを大胆に切り捨ててあえて云うなら、英国はビートルズ。米国はモータウン。
　この映画はモータウンのサウンドを作りつづけたミュージシャンに光を当て、レスペクトする映画。でも陳腐な言葉が不必要な、同時に陳腐な言葉で構わないような、今でも現役感溢れる自然体なミュージシャンたちのカッコよさをそのままに。だけど、何だろう。何でこんなに魅入られるのだろう。
　僕はこの映画をすでにレンタルで３回見た計算になるけど、今でも初めて見たときのようにこころが広がっていく感じだ。
　このDVDはいつか購入するだろう。そして、いつか「スタックス・ヨーロッパレヴュー」のDVDも購入するつもりだ。ソウルの範疇でいえば北部はモータウン。南部はスタックス／アトランテックソウル。沢山の重要な他のソウルミュージックを強引に切り捨てて、やはりぼくの根っこになるだろうと。
　モータウンの切なくて甘酸っぱくてやりきれない躍動感って、ベン・ハーパーが映画の中で語るように「モータウンがソウルの入り口」になってるからじゃないかなと思う。ソウルも突き詰めるとブルースやゴスペルに行き着くだろうし、モータウン・サウンドの”嬉し・切なし”のサウンドも「希望へ」のベクトルのスタート地点に、ブルースやゴスペルがあるからじゃないかと思う。勝手にそう思う。
本編主人公たちのファンクブラザーズとジョーン・オズボーンが「恋に破れて」を熱唱するシーン。その後の「マイ・ガール」のイントロ・フレーズとそれに続く逸話。マーサ・リーヴス、モータウンのシンボリックソング「ヒート・ウェイヴ」、フォー・トップスの名曲。それらが当事者の素晴らしい演奏で２１世紀の今聴ける。DVDのせいか音がまた素晴らしくて圧倒される。
　ビートルズがだんだん内省的な本質を明らかにしていくようにモータウンもマーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイング・オン？」でアーティステックな花を咲かせる。象徴的には、それが最後の精華ということになるのだろう。
　
　繰り返しになりますが、ソウルもロックもポップも多様性の享受を出来る幸せな自分がいるのを立ち位置としながら、自分の基盤としてこの映画を位置付けたい。というか、何か呼んでる〜、この映画は(笑）。
　実は「Ｒａｙ」を借りたかったが、幸いなるかな、どれも貸し出し中。２時間以上ある作品だけど、これ、「時が経つのを忘れる」映画。だから、一般にレンタル客に受けが良いなら素晴らしい！最後は余談でした。
　というか、文章にまとまりが無い。今日は特に。

「粗忽長屋」はシュールでムチャ面白い落語の名作だけど、まさか現代版の「粗忽長屋」、仕上るとは思わなかったなぁ。お見事！
これ、今週の授業料です。

（全然面白くないすか？怒鳴らないでね）

　映画『オー・ ブラザー！』観ました。（レンタルで）
舞台は大恐慌時代の米国南部、脱走囚人たちが結構シュールな出会いをしつつ、同時に怪しい、警官か保安官かやくざか良く分からん連中に追われたりしながら、主人公の囚人の元妻のところへと辿り付く、というのが大雑把なストーリーなんですが。

ぼくはこの作品って、基本的にアメリカのルーツミュージック、カントリーやブルースなどの南部ルーツミュージックを楽しませつつ見せるのが狙いなんだと思っていました。ブルースの伝説、ロバート・ジョンソンを明らかに意識した人物とかも登場しますし。
だけど、DVDのオマケについている役者さんや監督のインタビューを聞いていて、へぇ、ちょっとニュアンスが違うんだな、と思った次第。というのは皆が異口同音に「これはオデュッセイアをモチーフにした寓話的なもの」といった趣旨の発言をしているんで。
こちとらはオデュッセイアなんて、名前しか知らない。ギリシャ神話なんて読んだことがないから、どこら辺がその寓話と繋がるのか良く分からない。（逃亡の途中で3人の美女が現れるシーンは唐突、という意味で寓話的だけど）。
するっていと、コメディでも、ものがたり的な映画を見る場合、西欧の作品の場合は、モチーフとして、あるいは通低音のようなものとして、ギリシャ神話などは読んで知っておく価値があるのかな、とぼんやり思ったり。

ただ、別のカルチャーに接するのに、その世界の神話を知ってなくてはならないということでもないだろうと同時に思う。口承でしか伝わらない文字を持たない高度な文化もあるし。もはや文字を持つ文化のほうが高度だとか、そんな次元で優劣をつけることが出来る時代ではない。
ただ、この高度な近代文明をさきがけ、いま現に支配的価値を現実的に有している西欧文明を知るのに、彼の神話を知っているというのは、お得なのかもしれないと。ぼんやり空想したり。（て、軽い調子なこと書きながら、結局は読まなかったりするわけだけど）。

本編に戻ります。コメディと音楽で楽しめるかなりいい映画です。この中で唯一、ちょっと怖かったのはKKK団が深夜、秘密結社的に集まりリンチを目論む場面。あぁ、この不気味な覆面狂信集団ってこういう感じなんだなぁと。真に迫ってました。
暗闇の中に組織化されている集団の図は人間の闇を垣間見るようでちょっと凄い。ここの描写はかなりリアルなんじゃないかな？と思いましたね。
あと、囚人たちが線路を作るためか、集団で石割りする場面が最初と真ん中に出てくるんだけど、やたらに黒人の比率が高い気がした。本当に犯罪を犯した人ばかりだったのかどうか。そこも気になるところ。