思春期のロック聞き狂い始めた頃の自分にとっちゃ、2010年なんていったら未来も未来、大未来だったんですよね。
未来が現在になった以上は、ロックに特別な肩入れ、現象的な肩入れすることのほうがどうかしている頭、なのかもしれないですね。
「音楽雑誌が壊滅的なまでに面白くない」と自分が思ったとしたところで、それが僕の頭の中で「ロックは現象の先端を行く、先鋭的でアクチュアルな音楽」という思い入れがあるからこそで。
そういう聴かれ方を現実の若い人たちがしているのか?といったらもはや違うでしょう。だからどうだ、という話でもあるんだけど。こんな風に書くとそこかしこで批判の声もありそうだけど。
ピストルズ時代のジョニー・ロットンが「ロックは死んだ。だがポップスは生き残る」というのはその前の世代に対する発言だったにせよ、当時から言えば未来に対する予見性はあったように思う。自分にとってはその発言は確かに、という意識ははっきりいえばあった。でも幻想は消えたりしなかった。
もしもロックが現実を塗り替えるという幻想を持つということから目覚めるならば。その意味でロックは死んでいるとしかいえない。今年一年、どの世代層を目当てにするロック系の雑誌も過去の振り返りばかりしていることからそれは言い切って構わないでしょう。
でも、音楽の表現が自然と形態としてロックとして進化する過程が一度パンクの時代で再構築と更新をされたならば、その永久革命的な幻想は当然もはや起き得ないとしかいいようがない。ある意味、現実がロックが歌ってきたことに追いついてしまったかもしれないしねw。
まぁ幻想としてはまだロックモンスターが登場して欲しいとい思っているんですけど。(つまり、私はどこか明らかにイカレテルということです)。
逆接を重ねると、とはいえ、形態としてのロックでもリアルなパワーを持つバンドはやはりあって、それはREMのようなバンドにはまだ間違いなく残っていると思う。結局はその音楽の形態にあっても、そこで自分のエモーションとかパッションが真実味を持って伝わってくるかどうかにあると思うんです。
久しぶりにREMのマイスペースで彼らの音楽を聴いてそう思った。まだまだ素晴らしい「ロックバンド」はある。若いバンドにこそ本来可能性が高いロックだけど、もはやベテランのバンドにも本物のパッションを感じることは出来る。上手くいえないけど、まだ大丈夫という感じがする。このようなバンドのライヴ音源を聴けば。
では、皆様。無事なる次の1年を。
REM My Space