緑が深くなった只見線第5只見川橋梁を行く423D。トラスの右側の橋梁が流失してしまいました。 04,06,17 本名−会津川口 423D 1/500 f6,3 Canon EOS−1v RDP−V(+1)
一部報道もされておりますのでご存知の方も多いと思いますが、7月29日から30日にかけて新潟・福島両県各地で観測史上最高の降雨量を記録したの豪雨では、特に西会津町・三島町・只見町と磐越西線や只見線撮影の際に必ず通り、お世話になっている地域に甚大な被害が発生したとニュースで伝えています。只見線沿線で言えば普段は(ダムの貯水で調整で)おとなしい只見川が各地で氾濫し過去に経験のないほどの被害が出ているとニュースで伝えていました。撮影の行き来で通い慣れ、更に食事で、また宿泊でと訪れる地域の被害ですので自分の故郷が被害にあっているかの様に心痛めてニュースを眺めていました。さらに時間を追うと被害報道の中に、゛只見線の鉄橋がながされた!゛との文字を見つけ、恐れていた事態が現実のものになってしまったと愕然となってしまいました。
手探りの情報の中で昨日(30日)の昼時点では会津横田―会津大塩間の第7只見川橋梁が流失したとのメールでの情報が入ってきて、気をもんでいたところ、夕方になってNHKで流失した第7只見川橋梁の画像が放映されていて食い入る様に凝視すると共にこの鉄橋でC11やDCを撮影した事を思い出して愕然となってしいまいました。
さらに゛会津川口―本名間の第5只見川橋梁と本名―会津間の第6只見川橋梁も流失したらしい!゛とのメールが舞い込んできました。時間が遅かったのでとりあえずベッドに入ってはみたものの、気になってなかなか寝付けませんでした。実は只見線沿線の橋梁で只見川がもし氾濫するとしたら一番最初に被害を受けるのは第6只見川橋梁だと思っていました。それは第6只見川橋梁が本名ダムのすぐ下流にあり、通常の放流でも橋脚近くまで強い水流が来ているのを見ていたからでした。今回の豪雨は過去に例のない雨量と言う事でしたのでダム決壊と言う最悪な事態を避けるために緊急放流をするのでは?との予想が出来ました。あのダムが緊急放流したら第6只見川橋梁はひとたまりもないだろうし、さらに下流にあり普段から只見川の水面からあまり高低差のない会津川口駅周辺はひとたまりも無い事は予想出来ました。
今朝(31日)、朝になるとネットで第5・第6只見川橋梁の流失の様子が画像で確認出来ましたが、特に会津川口―本名間の第5只見川橋梁は流れが穏やかで、水面映りする事が多く、さらに足場が沢山ありC11の追っかけ撮影の際も駐車スペースさえ確保出来ればなんとか撮影出来る場所で、馴染み深い場所だけに無惨に引きちがれた橋梁をみて、涙が出るほど悲しくなってしまいました。
中小私鉄ならいざ知らず、JR東日本管内ですので橋梁流失による不通=多額の復旧費用→廃線とはならないでしょうが(…って言うか、ならないと信じています!)、復旧までには数年の歳月が必要なのは間違いなく、そうなると、つい先日に会津坂下―小出間をのんびりと乗っておいて良かったと言うのが率直な感想です。
今、発売されている交通出版社の大型時刻表ては大震災で不通になっている区間は黒く網掛けになっていて(その中には昨年、落石により不通になっていた岩泉線もありますが)、その区間の多さに改めて驚かされます。さらにその中で仙台オリジナル塗装のキハ40・48が走っている線区もあり、まともに仙台オリジナル塗装が動いているのは只見線くらいなものか!と時刻表を広げて漠然と頭に描いていたのですが、その只見線も来月あたりの時刻表では網掛けの線区の仲間入りになってしまうのでしょう!
只見線の春は遅く、5月に入って桜が咲き出します。この第6只見川橋梁はその姿すら残っていません。 06,05,09 本名 427D Canon EOS3 RVP100(+1)
ところで、今回の本名ダム緊急放流により第6只見川橋梁が流失したのは人災ではないかと言う書き込みが一部のブログにありますが、前述した通りあれだけの豪雨ではダムの決壊と言う最悪な状況を避けるために想定外の水を放出する事はいたしかないことだったと思うのですが…逆にダムの下流に只見線の橋梁があること自体が間違っているのではないでしょうか?
ではなぜダムの放流場所に只見線の橋梁があるかと言えば会津川口―只見間は田子倉ダム建設資材輸送として開通した線区でダム建設のために敷設された線路だと言う事が大きな要因と思われます。もっと簡単に言えばダム建設が優先が優先され、鉄道の安全性がないがしろにされてしまったと言う事ではないでしょうか?
ダムの放流場所に橋脚が立っているのは誰が見てもおかしいと思うのではないでしょうか?そうなるとまた同じ災害を繰り返さないために、復旧には現在の線路配置を大幅に見直す必要が迫られるのではと考えています。