この写真は狙ったのではなく、追っかけてきたら踏切が閉まってしまい、その場でカメラを出して撮ったカットです。私らしくないカットですが、仕上がってみてお気に入りの1枚です。 11,11,23 国吉−新田野 60A Canon EOS−1v RDP−V(+1)
今年、2011年も残り1日となりました。今年を振り返れば、何と言っても3月11日の東日本大震災を外して語る訳にはいきせません。東北地方の地震でしたが関東地方にも多くの被害が出ました。私自身も幸いにも自宅は被害がなかったものの、仕事中に地震に遭い仮眠する事も出来ず(仮眠のためにベットに入ってみましたが、テレビで見た津波の光景が頭から離れず興奮して1時間も経たずにベットから起き上がり、仕事に戻りました。)作業をした事を昨日のように鮮明に憶えています。その後、数日間は地震と津波の被害が明らかになり、また原発事故の深刻さが明らかになり、更には原発事故の影響から電力不足に陥り突発的な大規模停電を回避するためにかつて経験のしたことのない輪番停電などがありました。一連の出来事を世の中も、そして自分も「戦後最大の危機」と捉え、張り詰めた日々だったと思います。
震災直後、震源地に近い福島・宮城県では東北線や東北道さらに国道4号線が通れなくなり流通網が絶たれ、極度の燃料不足に陥る中に救急運転されたDD51による磐越西線の燃料輸送はNHKでも報道され世間的にも注目されましたが、私にとっても消滅寸前のDD51が活躍してくれただけに震災で痛めた心に勇気を与え、さらにどんなに我々の心を癒してくれ、また興奮したかわかりません。
災害と言えば7月と9月には局地的な集中豪雨により南東北・新潟と紀伊半島を中心に大きな被害を受けました。特に大震災に続き東北地方の鉄道が被害に遭いましたが、その中でも何度も訪れ撮影した事のある只見線の橋脚が複数箇所も流されたニュースは心を痛めました。大震災と豪雨で不通となった各線区は着々と復旧工事が進んでいるものの、被害の大きさから未だに開通の見込みがたっていない所も多いですが、普段は車社会で汽車に乗らない地域でも、鉄道の復旧・運転再開は復興のシンボルとなっており、一日も早く汽車が走る日を期待している地域がたくさんあると思います。
山の間からやっと顔を出した太陽がDD51を輝かせました。郡山まであと少し。後ろには被災地が待ちわびている大量の灯油やガソリン等の燃料を積んだタキが続いています。 11,04,14 中山宿−磐梯熱海 9292レ Canon EOS−1v RDP−V(+1)
一方、夏あたりから十和田観光電鉄が経営危機に陥っていると言う話が水面下で流れ始めていました。それが10月の廃止正式発表と現実な物になってしまいました。さらに最初は貨物の連絡運輸廃止からはじまった岳南鉄道にまつわるニュースはいつしか岳南鉄道そのものの廃止検討までになってしまっています。貨物の連絡運輸廃止は避けられない状況ですが、岳南鉄道廃止の結論はまだ出ていませんので今後を注視して行きたいと思います。
悲しいニュースは続き、来年3月のダイヤ改正で永年親しんだ”日本海”をはじめ”きたぐに”の廃止。更には”あさぎり”の運転区間見直し等が発表され在来線の特急列車がますます寂しくなって行くようで心痛めております。もともと先人が築き上げた全国ネットワークの鉄道網を分割した国鉄の分割自体が先人の苦労を無視する愚策であります。その結果20数年経過した現在、日本全国の鉄道網を一元的に監視する組織がなくなり、利用者があるかどうかではなく、会社間の諸問題の調整がわずらわしために長距離列車(短距離列車であっても会社間をまたぐ列車を含めて)がどんどん廃止になり、気がつけば長距離の旅客輸送は鉄道ではなく、バス輸送がメインになってしまっています。ただこの様な実態が日々の生活からはなかなか見えないので、実態を暴き世論として盛り上げて行く事が出来ずに20数年も経過してしまったのが辛くらまた歯痒いところです。
またこれ以外にも長野電鉄のリンゴ特急こと2000系や久留里線のキハ30・37・38系の引退も12年中に予定されてこれらの車両も目が離せません。
撮影をしているこんな光景にも出遭う事もあります。ここで上下列車が離合するのはこの列車でした。まだ公表されていませんが今年中にLSEはもう1編成も原色に復元され原色編成は2本体制になると聞いています。 11,11,20 小田急秦野−東海大学前 はこね20 Canon EOS7D
一方、2011年で一番のうれしいニュースとしては第一にC6120号機の復活ではないでしょうか?復活シロクニの火が落ちて十数年が経過しもうハドソン機は一生、見られないと思っていただけに、初めて復活したシロクイチの姿を見たとき、純粋に嬉しさが込み上げてきました。また、いすみ鉄道のキハ52の復活も忘れません。意外と近いとは言え大糸線まで行かないと撮れなかったキハ52が自宅から1時間と少しで撮影出来る幸せは何者にも代え難い幸せを感じております。思えば10年前に、水上でシロクイチが、千葉でキハ52が見れるなんて誰が想像したでしょうか?この動きが他にも波及すれば嬉しいと思っていたところ、伊豆急のクモハ100系の復活のニュースが飛び込んできました。昨今の鉄道ブームはにわか鉄ちゃんをつくり、沿線で危険行為や撮影地でのルール無視を繰り返していますが反面、ブームのおかげで鉄車両の復活が続いてくれたのだとすれば、大変にありがたいのですがシロクイチやキハ52、クモハ100に続く鉄道があるのでしょうか?
さらに前述の磐越西線でのDD51の活躍も忘れてはなりません。
朝の通学輸送以外はバス輸送でも充分賄える乗客しかいないのが岳南鉄道の現実なのです。しかし安全性。正確性を考慮すれば鉄道が優位なのは間違いありません。地域の方が岳南鉄道を必要としているかに掛かっていると思います。今後の動きが注目です。 11,12,12 岳南鉄道比奈 Canon EOS7D
2012年は果たして鉄道趣味界、更には鉄道業界がどんな流れになって行くかは不透明ですが、まずは私のポリシーでもありますが鉄ちゃん第一で二番目が健康で仕事は三の次で過ごして行きたいと思っております。
気まぐれではじめたブログなのでいつまで続くかわかりませんがら来年も「DT200Aの庫」をよっぽど暇な時のみ、よろしくお願いいたします。では、みなさま!良いお年を
