梅雨の時期なのに、これだけの晴天となりました。さすがどこに行っても晴れるジンクスを持つ天皇陛下といったところでしようか?1号編成には教祖様が絶対ですが、旗が綺麗になびくデーデーでも感動物です。 02,06,03 羽前前波 お召列車(9001レ)
10年前の6月に一番興奮したのは何と言っても陸羽西線で運転されたDD51842号機牽引の1号編成のお召列車だと思います。いくら陽の高い時期とは言え非電化線区のパーヨンニ牽引のお召列車ですのでおのずと期待が高まってしまいます。本番だけでは我慢できず旧客で運転された練習運転でも現地入りをして撮影兼ロケハンをしていました。また、湘南チサ區様は別の日に撮影地となる田んぼの地主様に撮影許可をいただくために手土産を持参して撮影地からかなり離れた地主様宅にご挨拶に伺って許可をいただき万全を期し当日を迎えました。
当時の私は今の職種とは異なっていたので往復の列車の手配などは容易に出来る立場にあり、そのために仲間内のほとんどの指定席は私が確保した記憶があります。
仲間は前日に現地に入ってロケハン後、沿線の宿に宿泊して前夜祭を行うグループと、仕事等で前もって現地入出来ないために前日の下り”あけぼの”に乗車して当日の早朝に酒田から列車で現地に入るグループと二手に別れて行動しました。
私は前泊グループでしたが、前日の朝に現地入して、撮影地で三脚をセットすると後は何もする事がなく、夕方までは現地で様子を伺っていましたが早々に宿に入り温泉を堪能し大宴会で盛り上がりました。ちなみに当日のレンタカーは手配が困難で我々が借りた商用ワゴン車も駅のレンタカーにかなり無理を言って予約し、駅レンは前日に仙台から2台、回送してた車だそうでした。ちなみに新庄では前日、当日のレンタカーははとんどの車種が満車だったと後で担当者から聞かされました。
まだお召列車を撮影していないのに前夜祭はなかなか盛況で、夜遅くまで鉄ちゃん談義に華を咲かせた記憶があります。
お召列車、当日は撮影地は確保されているので朝食を頂いてゆっくり現地へ向かうと、”あけぼの”で現地入りいたグループか既に撮影地に立ち、C57135様はすでに日章旗を振って盛り上がっていました。
そしてお召列車は最高の緊張感の中、晴天の下に我々の眼の前を通過していきます。天皇・皇后陛下は私たち一団を見つけ盛んに手を振っていただけましたが、我々は感激でしたが天皇陛下には我々一団はどう思われたのか?非常に気になった事を憶えています。
天皇・皇后両陛下は間違いなく我々鉄ちゃんの方向を向いて微笑んでいらっしゃいました。列車通過後C57135様の音頭で「天皇陛下〜万歳!」を三唱しました。 02,06,03 羽前前波 9001レ
我々は大満足したこのお召列車ですが、直前に1号編成にトラブルが発生し現場は騒然とし事実がありました。もう既に10年が経過し、更にE655系が完成し1編成のよるお召列車はまずあり得ない状況ですのであの時の出来事は既に過去帳入りしていると言っても良いと判断し当時のことを振り返って見たいと思います。
まず事の発端は1日に施行された特別検査(ほぼ仕業検査と同等ですが、検査項目や部品の取り替え目安がかわります)でブレーキに不具合が見つかりました。直ちに修繕に取り掛かりますが、原因が特定出来ません。ただちに大井工場(当時)に応援を求め2日に当該車両のA制御弁を交換するも現象は収まらず、さらに土崎工場(当時)からも応援を要請し(機関車の検査経験は浅い土崎工場ですが本来は国鉄時代から客車と気動車の全般検査を施行していた工場ですので客車のブレーキ関係はお手の物といったところだと思います)、土崎工場社員の到着を待って更に検査をするも現象は収まらず現地に対策本部を設置し対応に追われました。ただブレーキ不具合とは言うものの制動管を急排気する非常ブレーキは正常に動作するために安全上問題はないのですが乗り心地に不安が残ります。一番心配なのはブレーキ不具合の現象がお召列車運転中にブレーキ緩解不良を引き起こす事です。不緩解が発生しないとし言う保障はどこにもないことからお召列車運転当日は万全の上に、さらに万全を尽くす体制を取る事になりました。そして最悪の場合はキハ110型でお召列車を運転する事も視野にキハ110の2両編成を待機さたと後日関係者から伺う事が出来ました。
現場の方々の不眠不休の対応にお掛けで無事、1号編成のお召列車が運転されたことは言うまでもありません。そんな事を知るはずもない私達は沿線で晴天の元を走り抜けるお召列車に狂喜乱舞していたのでした。
国鉄時代なら回送列車とはいえ1号編成を牽引する機関車は美しく磨かれていましたが、この時に回送を牽引したDE10は汚いままで、一切磨きの手が入っていない機関車でした。当然、回送の撮影も磨き上げられたDD51842号機中心となったのは言うまでもありません。 02,06,03 古口 回9724レ
ある関係者の話によりますと1号編成は平成97年の山田・釜石線のお召列車運転の際に急カーブの連続区間を走ったのが原因なのか心皿がずれてしまい、その修理の一環として軸を平軸受からコロ軸に改造しています。この改造は1号編成をまだ当面は使い続けると言う前提で施行されたものでしたが、この時(02年)のブレーキ不具合以降、1号編成のコンディション維持に不安が持たれる様になり、その後はお召列車に充当されることなく水面下で進められていた新お召車両(現:E655系)の新製が急がれたと伺ったことがあります。