2006/12/26

『生命-いのち』作品解説  作品解説
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1999年9月21日午前1時47分
台湾中部をM7.3の地震が襲った
山崩れで家の位置、
家族の行方の分からなくなった"7人"は途方にくれる
しかし時間は、彼らに「かつての平穏」にとどまる事を許さず、
それぞれ震災以前とは違う新しい人生を選択させる...


生命(いのち)-希望の贈り物 Gift of Life
 台湾/2003/北京語、台湾語/カラー/ビデオ/148分
 監督:呉乙峰(ウー・イフォン) Wu Yii-feng

 子供2人を妻の母に預け日本に出稼ぎにきていて
 母と子供を亡くした夫婦
 仕事に出ていて幼い次女をなくした兄夫婦
 就学のため家族と離れて街へ出ていた姉妹
 警察官の兄以外の家族全員を亡くした少女
 1999年9月21日台湾大震災による山崩れで、
 彼らは家族を一瞬にして亡くしました。
 地形が変わり家の位置がわからず
 家族の行方(遺体)を探すことさえ出来ず
 途方に暮れる4家族7人。
 考え想いだすのは亡くなった家族の事ばかり、
 やがて軍の捜索も打ち切られ家族が見つからない者も、
 それぞれ自分の生活する場へ戻っていく。
 そして7人全員が震災前とは違う新しい生活へと歩き出します。
 監督は、信頼関係を気づきながら喪失感にとらわれる7人が
 再生に向かう姿を真剣に見つめ、
 画面を通してその姿勢が見るものに伝わってきます。
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2006/12/26

『三叉抗』作品解説  作品解説
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"三叉坑"
半世紀前に台湾先住民タイヤル族から離れた人達が
辿りついた安住の地
台湾大地震で壊滅した"その地"は移村か再建かに揺れる
心がバラバラになった村人の気持ちを一つにしたのは、
伝統の"竹の家"


三叉坑 Three Fork Village
 台湾/2005/北京語、タイヤル語/カラー/ビデオ/144分
 監督:陳亮丰(チェン・リャンフォン) Chen Liang-feng

 わけあって50年ほど前タイヤル族の雙崎から三叉坑へと移住した
 先住民族の小村。
 震災により集団移転をよぎなくされたこの村の
 再建過程で起こる悲喜こもごもの出来事を、
 カメラは村人に寄り添い、記録しています。
 また、台湾での先住民族の就学や就職難の状況や、
 生活難から土地を少しづつ切り売りしてきた事から
 土地の所有権を複雑にし移村が一層難しくなったり、
 その後の台風による水害なども織り込みながら、
 震災後5年を経てもまだ復興を果たせなかった村の抱える
 問題の本質とは、
 いったい何なのかを考えさせられる作品となっています。
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2006/9/11

『静かな空間』作品解説  作品解説
静かな空間
About a Farm
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フィンランド/2005/フィンランド語/カラー/ビデオ/54分
監督、脚本、ナレーター:メルヴィ・ユンッコネン
撮影:メルヴィ・ユンッコネン、ヴェサ・タイパレーンマキ
編集:トゥーリ・クイッティネン
録音:エサ・ニッシ
音楽:ギリラル・バールス
製作:キンモ・パーナネン、ミカ・ロンカイネン、
製作会社:クラッフィ・トゥオタンノットゥ
提供:フィンランド・フィルム・ファウンデーション

メルヴィ・ユンッコネン
1975年フィンランド、オウルンサロ生まれ。現在はスウェーデン、ウプサラ在住。
ヘルシンキ芸術デザイン大学でドキュメンタリーの撮影と編集を学ぶ。
短編映画の編集多数、テレビ番組制作のほか3本のドキュメンタリー作品を監督。『Barbeiros』(2001)は2002年アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭でFIPRESCI賞、2002年チリのサンティアゴの国際学生映画祭でドキュメンタリーおよび撮影部門の最優秀賞、2003年シカゴ国際映画祭でゴールド・ヒューゴ学生映画賞を受賞。
その他の作品に『Saana』(2003)。
本作は2005年フィンランドのタンペレ国際短編映画祭でリスト・ヤルヴァ賞を受賞した。

フィンランドの小さな町にある農場を営んでいた監督の両親は、牧場の牛を売り払い農場の閉鎖を決意する。畑の収穫も父親の怪我で他人の手を借りることに。
高校卒業間近な妹の病気、心配するしかない母親。農場を継がずに都会での生活を選んだ妹と監督。押し寄せる時代の波と、家族の日常を映し出しながら、父の撮りためた8mmフィルムを眺め、ひとつの家族の物語をひとつの作品へと昇華させた。
本作が長編デビュー作のフィンランド期待の監督によるセルフ・ドキュメンタリー。

【監督のことば】
EU加盟国となってからフィンランドの小規模農業の経営はもはや成り立たなくなってきている。
私の家は農家なので、農業従事者の苦しみを映画にしてみたいと思った。
故郷の村では多くの人が現状維持に必死だ。
そして突然そのテーマが身近なものに。
両親が牧場をやめると言いだし、私は複雑な気持ちで経過をフィルムにおさめようと、
牛が連れ去られてからの感情と出来事を見つめていった。
予期せぬことが次々と起き、私たちにとってこの1年半はけっして楽ではなかったが、
結果的には家族の絆が戻ってきた。
それを思えばこの映画を作ることができて嬉しいのだが、自分自身にまつわる映画はやはり困難が伴うので、撮り始める前によく考えなければならないと思う。
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2006/9/11

『三人三色』各作品  作品解説
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イン・パブリック
In Public
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中国/2001/中国語/カラー/ビデオ/32分
監督・編集:賈樟柯(ジャ・ジャンク−)
撮影:余力為(ユー・リクウァイ)、賈樟柯(ジャ・ジャンク−)
録音:林意(リン・イー)
山西省の小さな鉱業都市大同は見捨てられようとしている。
中国全土のどの都市でも起きているように、資本主義の波はサウナやカラオケなどの娯楽センター、バス停や公衆電話ボックスといった公共の場を運んできた。
…カメラはさびれた鉄道駅をうろつく軍服の上着の男を見つめる。
列車が到着すると、重い小麦粉袋と女性がプラットホームに現れる。
バス停では、老人がコートのファスナーを閉めようと必死になり、若い女はバスに乗りそこねる。
ダンスホールの外、入口に腰掛けるひとりのチンピラは、通り過ぎて行く女の子たちを眺めている。
音楽は流れていても、雰囲気は軽快ではない。

◆“消費の場や公共の空間に集う大同の人々の日常生活を、45日かけて記録したかった。
そのために、デジタル・ビデオは他のどのメディアよりも適していると確信している。”

賈樟柯(ジャ・ジャンク−)
1970年中国山西省の小都市汾陽生まれ。北京電影学院卒業。
長編デビュー作である『一瞬の夢』(1997)は同年国際的注目を集めたアジア映画のひとつに数えられる。
次作『プラットホーム』(2000)は昨年度ナント三大陸映画祭において審査員特別賞及びグランプリを受賞した。
 
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ディジトピア
Digitopia
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イギリス/2001/英語/カラー、モノクロ/ビデオ/30分
監督:ジョン・アコムフラー
撮影:ドワルド・オケマ− 編集:リサ・ハトニ−
出演:トルーマン・ペンフォルド
製作:デイビッド・ローソン、リサ・ゴポール
都市に住む専門職の黒人男は、アナログとデジタルの境界線上に生きている。
人との関係を望みアナログ世界に生きつつも、性的快楽はデジタル世界――インターネットを通じて、電話線の中――に求める。

◆“最近、私は「デジタルとともに生きる」とは どういうことかを理解したいという思いにとりつかれている。
私は、デジタルを来るべき未来の、善もしくは悪の予兆とは捉えていない。
むしろ、いま、ここで私たちはどのようにデジタルな世界を生きるのかという問題だ。
特に気になるのは、ありふれた生態環境の裂け目や結び目の中、当たり前の時間感覚と共有されている空間理解に、
デジタルなものがどのように入り込んできているかである。”

ジョン・アコムフラー
1957年、英国ロンドン生まれ。デジタル映画で国際的に評価の高い監督。
『Riot』が第1回チョンジュ映画祭で大賞を受賞。
1982年に実験・革新映画の製作のため設立されたブラック・オーディオ・フィルム・コレクティヴのメンバー。
特に人種差別問題を主題として活動。
主な作品に『ハンズワース・ソングズ』(1986)、『テスタメント』(1988)、『マルコムX 7 つの詩』(1993)や『Martin Luther King: Days of Hope』(1997)。
 
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神様との会話
A Conversation with God
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台湾/2001/中国語/カラー/ビデオ/30分
監督・撮影:蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)
編集:レイ・チョンチン
録音:チョウ・チョン、チャオ・ユンファン
当初この映画で意図していた被写体は、強力な祈祷能力を持つ巫女であった。
監督は彼女を撮影する構えでDVカメラを装備し、50ccバイクに飛び乗った。
神がカメラに語りかけるかどうかを知るために。
しかしその途中で他の神の祭典に集まった人々の交通渋滞に巻き込まれてしまう。
トランス状態の男、ステージ上のきらびやかなカラオケ・ダンサーたち、そして停電。
脇道にそれているうちに、カメラは地下通路と魚を発見する。
◆“私は、最も初歩的で、単純な撮影方法で撮ろうと決めた。
そのおかげでものを見る目が変わった。地下通路を撮っているときには、撮影しているというよりもむしろカメラを自分の目として使っているとみなしていた。”

蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)
1957年マレーシア、クチン生まれ。台湾ニューウェーヴ映画のベテラン監督。
1977年に映画を学ぶために台湾に移住。台北にある中国文化大学で映画演劇課に入学。
卒業後、テレビドラマの脚本を10年間執筆。
主な作品は『青春神話』(1992)、『愛情萬歳』(1994)、『河』(1997)、『Hole』(1998)などがある。
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2006/9/11

『三人三色』について  作品解説
三人三色
Digital Short Films by Three Filmmakers
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製作会社:チャ・スンジェ
提供:サイダス、チョンジュ国際映画祭
「デジタル」「ラジカル」など新時代の形容詞をテーマに、
2000年4月に韓国で華々しく始まったチョンジュ国際映画祭。
映画祭では毎年3人の世界的映画作家にデジタルビデオによる短編作品の製作を委託することにした。
各人に与えられた課題は、作品がデジタル・フォーマットであること、30分程度の作品であること、そして限られた予算内で作ること。
2000年作品にはNext generation(新世代)、New technology(技術革新)、Networking(ネットワークづくり)の頭文字をとって『N』と題されたオムニバス映画が完成した。
韓国映画の重鎮パク・クワンスの『www.whitelover.com』、韓国の実験映画作家キム・ユンテによる『Dal Segno』、中国第六世代の気鋭、張元(チャン・ユアン)の『Jing Xing Files』の3本である。
第2回目の2001年にはデジタル映像による新しい映像美学と機能性を重視したという『三人三色』が製作された。
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2006/5/31

■山ドキュ in 大阪 Vol.1 作品解説  作品解説
<プログラム1>
山形国際ドキュメンタリー映画祭2003(YIDFF2003)
優秀賞受賞作品
『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち』
S21, the Khmer Rouge Killing Machine
フランス/2002/カンボジア語/カラー/ビデオ/101分
監督、脚本:リティー・パニュ
撮影:プラム・メサール、リティー・パニュ
編集:マリ=クリスティーヌ・ルージェリー、イザベル・ルディー
録音:シア・ヴィサール 音楽:マーク・マーデル
製作:カティ・クト− 製作会社:INA、Arte France
提供:INA 配給:MK2
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かつての政治犯収容所「S21」。
クメール・ルージュの大虐殺による加害者と被害者をその場所に集め、
非人間的で過酷な日々を再現していく。
証言で明らかになる真実の数々、
対峙する2人のやりとりの迫真性が25年という時を越える。
カンボジア生まれである監督の、故国への想いが静かに脈打つ。
(YIDFF2003公式カタログより抜粋)

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<プログラム2>
山形国際ドキュメンタリー映画祭2005(YIDFF2005)
ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)受賞作品
『水没の前に』
Before the Flood
中国/2004/北京語/カラー/ビデオ/143分
監督・編集:リ・イーファン、イェン・ユィ
撮影 :イェン・ユィ
録音:リ・ズ
制作・提供: リ・イーファン
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2009年完成予定の世界最大の三峡ダム。
何百、何千の人々が住居を失い、多くの町が貯水の水位下に沈む。
そのひとつ詩人李白で有名な四川省奉節(フォンジエ)の町に
カメラは目を向ける。
貯水間近な2002年1月から、住民最大の関心事である移転問題を軸に、
先の生活の不安を抱えた人々の葛藤と逞しさを、
次第に移住に向けて動き出す町の情景と共に描きだす。
一つの時代の変遷を鋭く捉え、
これから編まれてゆく時の流れを予感させる見事な余韻。
(YIDFF2005公式カタログより抜粋)
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