2012/7/20

ガレキの本国  
前々回、アキラ氏より以下のコメントを頂戴した。

こんなコメント、遅いですが聞き流してください。
原発の問題は、日本全体の問題で、野田さんだけ責めるのは、どうかと思います。日本国の総意として、原発が多数、建設された。反対する人も、結果、止められなかった。国民一人一人に責任があると思います。顕正会の一部幹部の独自見解と信じたいですが、「福島の瓦礫は、福島県外に出してはいけない。」と聞きました。あまりの偏狭さに、愕然としました。本部の方に否定してもらいたいです。


聞き流せと書いてあるので、そのまま素通りしてもよかったのだが、けっこう大事な問題なので、取り上げたい。

野田さんだけを責めるのはどうか・・・

確かに国民一人ひとりにも責任がある。しかし、前首相との比較において、野田首相には大いに問題がある。

いわゆる再稼動問題だ。

すでに動き始めてしまった。既成事実化というか、このまま行けばなし崩し的に次々に再稼動が行なわれる可能性がある。いや、もちろん、原発賛成の人にとってはそれでいいのだろう。しかし、反対の人にとっては看過できないことだ。

お忘れの人もいるだろうが、菅首相は浜岡を止めたのだ。運転中の原発を止めさせたのだ。

わたくしはこの事実が何よりも大きいと思う。つまり、前総理の考え方を踏襲するのであれば、少なくとも大飯原発の再稼働は見送るべきが筋だった。動き始めてしまったにもかかわらず、なおも活断層の問題などが報じられているくらいである。菅首相が浜岡を止めたこととの整合性を考えれば、野田首相が今から大飯を停止したとしても決しておかしくないだろう。

福島の瓦礫は、福島県外に出してはいけない・・・

アキラ氏はこれを偏狭とおっしゃるが、わたくしは違うと思う。原則論としてはくだんの幹部の言っていることが正しいのだ。

まず、家庭ゴミの話をしよう。

それぞれの自治体で名称が異なるのかもしれないが、いわゆる清掃局がある。週に二回くらいだろうか、家庭のゴミを回収してくれる。ただし、今は分別収集がひじょうに厳しくなっていて、無分別のゴミは回収してくれない。そのゴミ袋にはイエローカードみたいなものが貼り付けられる。そこにはちゃんと分別しなきゃダメだという意味の警告が書かれている。

われわれにはあまり自覚がないけれども、タダではない、物凄くお金が掛かっている、それがゴミの収集なのだ。自覚はなくとも、住民税という形で間接的にお金を払っているわけだ。

会社勤めの人であれば、事業系のゴミについてもご存知だろう。それこそ分別が細分化されて面倒臭いことこの上ないのだが、それをしないと経費がベラボウに掛かってしまって大変なことになるのだ。ともかく、ゴミはタダではない。このことを知るべきである。

産業廃棄物というものがある。

いちばんわかり易いのがビルの解体だろう。建物をぶっ壊す。正本堂もそうだが、建物をぶっ壊すとどうなるか? ようは瓦礫になるのだ。これが産業廃棄物である。

解体工事をするにもお金が掛かる。そして解体後の瓦礫を処分するにもお金が掛かる。

産業廃棄物運搬車・・・

早い話がトラックであるが、わたくしは他の都道府県のトラックが走っているのを見ると、ヤバイと思うことがある。不法投棄の可能性があるからだ。

瓦礫処分にはお金が掛かると書いた。アコギな業者は不法投棄をしてボロ儲けをするのだ。極端な話、山林に捨ててしまえば、タダである。客先には処分費用の名目で大枚のお金を請求しておいて、実際には山林に不法投棄する。これほどアコギな話もあるまい。

自動車をお持ちの人ならば燃料代のことが理解できるはずだ。

いわゆる普通車であれば、一回の給油で数千円だろうか? それが大型トラックともなると、一回の給油で数万円にもなる。しかも重量物を積載し、遠距離を走るとなると、燃料代だけでもベラボウな金額になる。

他の都道府県のトラックを見ると、ヤバイと思う理由がこれだ。産業廃棄物の場合、わざわざ遠距離を運ぶメリットなど、どこにもないのだ。

ここまでの説明で、おわかりいただけるのではないかと思う。

福島の瓦礫を他の都道府県に持っていくことのメリットは本来ならばどこにもない。いわば従来型のバラマキである。これは瓦礫をばら撒くという意味ではなく、予算のバラマキなのだ。つまり、トラックの燃料を浪費すること、あるいは船であっても遠くへ運べば同じく燃料を浪費する。それが国や地方自治体の予算から捻出されるのだ。われわれの税金だ。しかし、それによって業者が潤うこと、ひいては働く人たちが潤うこと、すなわち経済効果が生まれる。だから、これでいいんだ、という考え方もあるのは確かだ。

しかし、ムダな公共事業が言われて久しい今日、上述のバラマキ手法が最良と考える人はあまりいないはずである。わたくしには得策とは思えない。

さて、もう一つ重要な課題が残されている。すなわち福島の瓦礫は放射性廃棄物なのだ。

家庭ゴミだの事業系ゴミだの産業廃棄物だのと書いてきた。産業廃棄物をわざわざ遠隔地に運ぶことにはメリットがないとも書いた。唯一の例外が放射性廃棄物なのだ。

六ヶ所村・・・

ご存知のごとく、原発を運転するといわゆる死の灰と呼ばれるものがたくさん生じる。これをどのように処分するかが問題なのだ。原発がトイレのないマンションと言われるのは、この死の灰すなわち使用済み核燃料をどのように処分するか、その方法が確立していないからである。六ヶ所村には中間貯蔵施設がある。これは文字通り、中間的な施設であって、最終処分施設ではない。いちおう名目上はそういうことだ。

ともかく日本中の死の灰が青森県の六ヶ所村に集められている。

これほど非効率なこともあるまい。九州だの四国だの、そんな遠隔地からわざわざ青森県まで運ぶのだ。しかし、危険な死の灰であるからして、そこらに捨てるわけにはいかない。そこで非効率だろうが何だろうが、ともかく受け入れ先であるところの六ヶ所村に運ぶしか他に方法がないのだ。これが唯一の例外の意味である。

福島の大地には放射性物質が降り積もっている。つまり、福島の瓦礫は放射性廃棄物なのだ。

人間はワガママなもので、自分の家の近くに火葬場が建つと言えば反対、墓地も反対、ゴミ処理場も反対、たいていの人がそういうものである。

いわんや放射性廃棄物においてをやである。

ここで重要なことは法令上の問題だ。

つまり、放射性廃棄物は一般の産業廃棄物とは異なる。ゆえに、そこらの処分場では処分できないのだ。それをあろうことか規制を緩めて処分できるように画策しているのだ。これはケシカラン話だろう。だから火葬場反対だとか、そういう次元の話とは異なるのだ。国家そのものが法律を破ろうとしているのだ。こんな傍若無人もあるまいと思う。

以上、原則論を申し上げた。

なお、この件に関する顕正会本部の見解は特に示されていないと思う。顕正新聞に載る会長講演にも出ていないはずだ。

わたくしの思うに、あまり細かいことまで見解を求めるのはどうか、大事な問題だから見解を示してもいいけれども、多少は選択肢を残すというかアイマイにしておくことも許されるのではないか、という気がする。

原発即時全廃

これが顕正会の公式見解である。

では廃炉の後、使用済み核燃料をどこに保管するか?

容器に入れて地中に埋めるという意味のことを言ってはいるけれども、具体的な地名までは示していない。そりゃそうだ、今の段階でそんなこと言っても仕方がないし、そもそも顕正会が単独で決めることでもない。

これは一例に過ぎないが、ともかく顕正会がぜんぶの物事にクビを突っ込む必要はないわけで、瓦礫の問題にしても然りである。

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