2014/8/25

川内原発再稼動問題について  
沖浦氏より二つの動画と一つの画像を紹介いただいた。

初めの動画は若い男性が百五十キロの重りを背負ってスクワットするものである。沖浦氏が背後にいて鋭い掛け声を発している様子が、まさによき師弟関係を想像させるものだった。

そして二つ目の動画は沖浦氏自身が百九十キロのスクワットをしているものだった。これは凄いことだ。そして若者にとってはよき目標である。自分だってトレーニングを積んでいけば沖浦氏のようになれると・・・。ともかくお手本を示せるところが凄い。口だけの指導者とは天地雲泥の差があるだろう。

最後の画像はレストレーショントレーニングの講習会の模様である。かのトレーニング法がどれほどのものか知らないが、北海道から先生を招聘して講習会を開くのだから相当なのだろう。

日本一危険な川内原発 再稼動へ
 責任持たぬ政府・規制委が新「安全神話」
 直下に活断層、噴火すれば列島汚染


さて、上掲であるが、これは顕正新聞第1317号の八面の記事である。原発関連の記事としては久々の大作だ。紙面のおよそ三分の二をこの記事が占めている。

日本一危険というのはやや誇張表現のような感じがしないでもない。仮に他の原発が再稼動になるとすれば、おそらくはその時にも日本一危険という形容がなされるのだと思う。
また、あえて批判的に書けば、日本一危険な原発という表現は相対的・比較的に安全な原発の存在を示唆することにもなりかねないわけで、そのような原発ならば再稼動してもよいという話にもなりかねないのだ。
わたくしの思うに、日本の原発はすべて危険であり、安全な原発などはどこにも存在しない。その上で、個々の原発特有の危険性を論ずるならば、川内原発の場合は火山噴火の影響をもっとも受けやすい意味で、きわめて危険であると言わざるを得ないだろう。

いや、もちろん、顕正新聞の当該記事も丁寧に読めば、わたくしの言っていることとさほど違うわけではない。具体的には次のくだりがわかりやすいだろう。

 次に川内原発が日本一危険だと言われる大きな理由の一つに、火山噴火のリスクがある。

この直前の問題提起は活断層の危険性についてである。しかし、これは大飯原発の時にも問題視されたことだし、その他の原発においても常に問題となる事案である。つまり、活断層の有無だけでは日本一危険ということにはならないのだ。

そこで上掲の文章に続くわけだが、これはまさに川内原発特有の危険性であり、ご存知のごとく桜島の噴火は日常茶飯事であり、数年前には新燃岳の噴火もあった。ゆえに本文中には井村隆介・鹿児島大学准教授の言葉が紹介されている。

 「川内原発は間違いなく日本一火山リスクの高い原発である。これは日本の火山学者の大半の考え。再稼動以前に、あんな場所に原発があること自体が間違いである」

まったくだ。

 「規制委には火山の専門家がいないのに、火山リスクを審査しているということ自体が重大な問題である」

これもまったくである。

それから九州大学応用力学研究所の広瀬直毅教授らによる海中における放射性物質の拡散シミュレーションが図版で紹介されている。これは川内原発が福島第一原発と同規模の事故を起こしたらどうなるかを予想したものであるが、広瀬教授は次のように説明している。

「川内原発で事故が起これば、福島第一原発の事故よりも日本の海への影響ははるかに大きい」

図を見て思ったことは隣国への影響である。図には韓国の一部が載っている。そして韓国の沿岸にも放射性物質が到達するであろうことが示されているのである。今の日韓関係を考えると深刻である。

川内原発云々で、あとはわたくしなりの知見を書いておこう。きわめて初歩的な話だ。

福島第一原発の事故で撒き散らされた放射性物質が東京都心にも到達したことはすでに多くの人の知るところである。風向きは気圧配置によって変わる。あるいは地形にも影響される。だが、しかし、俗に天気は西から崩れると言うように、大きくは西から東に動くのが大気の流れである。いわゆる偏西風である。
つまり、福島事故では単純に言えば東側は太平洋なのだから、放射性物質の半分は陸地ではなく海のほうに飛んでいった。そして偏西風の影響を考えれば、半分ではなく半分以上が海へと飛散した。その割合が六四なのか七三なのか、あるいはそれ以上なのか、素人にはわからないが、いずれにしても陸側に飛散したのは半分以下だったわけである。
では、川内原発の場合はどうかと考えると、深刻である。風向きはその時々で変わるけれども、大きな流れは西から東である。台風の進路を考えても想像がつくだろう。つまり、日本列島の広範囲に汚染が拡がる可能性があるのだ。

再び記事をご覧いただこう。

もし大規模な火山噴火により川内原発が事故を起こせば、放射性物質は火山灰とともに列島全域に飛散し全土を汚染する。

これは過去に桜島の火山灰が北海道まで到達し、東京で十センチ以上積もった形跡があることを基に論じているわけだが、より正確に言えば、大規模な火山噴火によるかよらないかは関係ないだろう。火山の噴火の有無に関わらず、その他の原因によっても事故は起こる。そして事故が起これば放射性物質が撒き散らされる。その拡散範囲が過去の火山灰の拡散実績を基にすれば容易に予想できるという話なのだ。

ところで、過去に伊豆大島、あるいは三宅島で、全島避難が行なわれた。孤島の場合、最悪の場合は逃げ場がなくなるので、そうした行政判断があって当然である。ゆえに桜島などには当てはまらないのかもしれないが、それこそ前代未聞の大噴火があれば広範囲の避難命令が出されることもあるかもしれない。もし川内原発がその範囲に含まれたらどうするのかである。

わたくしは現実問題として、火山の噴火=原発事故というのはなかなか考え難いことだと思う。ゆえに政府なども高を括って再稼動に踏み切ろうとしているのだろう。だが、しかし、火山の噴火で人間が避難しなければならない事態は容易に想像がつくわけで、その時に原発の運転員をどうするのかである。原発の運転を放棄して避難させるのだろうか?

つまり、ここに原子力の根本的な危険性があるのだ。普通、機械というのは止まれば安全なのである。ところが原子力の場合は止まってからも面倒を見ないといけない。放って置くと核暴走を起こしかねないという厄介物なのだ。

さて、政府ないし原子力関係者は、それでも再稼動を強行するつもりなのだろうか?


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