奇祭・ジャランポン祭り
★「ジャランポン祭り」とは秩父市下久那地区の村社「諏訪神社」の春の宵宮の一環として行なわれ、「イケニエ」を神に奉納して悪疫退散を祈る、別名「お葬式祭り」とも呼ばれる奇祭である。
★素朴な手書きのポスターの中に「ジャランポン祭」という文字が見て取れる。
★お日待ちの宴会が掃けた宵闇時になると、灯明が焚かれて道具箱を流用した棺桶が置かれ、祭りの準備が始まる。
★棺桶には注連縄が張られ、「悪疫退散居士」と墨書きされた位牌が置かれている。
★僧侶役の人も、唐草の風呂敷を袈裟に見立てて見つくろいする。
★死人役の人も経帷子を着て登場。
このあと死人役の人は「イケニエ」として部落の人たちの手によって、棺桶の中に押し込まれてしまう。
★冥途の土産に死人には一升酒がふるまわれる。
イケニエは「皆のためになれれば本望だ。」と一気に飲み干す。
★僧侶役の人が読経して葬式が進行していくが、まったくデタラメのお経であり、思わす参列者の笑いを誘う。
★この後棺は近所の諏訪神社に運ばれるが、死人も歩いていくところが面白い。
★もう一度、イケニエを入れた棺が神社に奉納され、「悪疫が部落に流行らぬように」祈念し、祭りが終了する。
まったくの珍妙なる奇祭で実に興味深かった。
今回の撮影に際して、他郷人にもかかわらず、快く撮影に応じてくださった下久那地区のみなさんに厚くお礼申し上げます。

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