秩父の山村・番外編
風布の回り念仏
○ 埼玉県秩父郡長瀞町風布(ふっぷ)地区には「回り念仏」という不思議な風習がある。
小正月と盆の16日の年2回、部落の戸毎に回り、庭先や小祠の前で鉦太鼓を打ち鳴らし、大数珠を5回し念仏を唱えるというものである。
念仏の由来については鉢形城落城にまつわる祖先の供養に始まるといわれ、一度休止したら疫病が部落中に流行したとも伝えられている。
○ 阿弥陀堂に納められた大数珠と鉦太鼓が出番を待っている。
○ 先ずは阿弥陀堂前で5回「回り念仏」をする。
念仏とあるが、実際に念仏を唱えるわけではなく、太鼓と鐘を叩きながら黙って大数珠を回す。
念仏もかつては存在したのかも知れないが、長い間に消失してしまったのだろう。
○ 部落の中をあのジイちゃんの家、このバアちゃん家とくまなく回る。
過疎化でどこの家も高齢者ばかりだ。
素朴さの極みのような祭りだが、絶えることなく続いていって欲しいものだと思う。

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