★ 秩父の山村・番外編
秩父路の翁・媼など・・・
私のライフワークである「秩父の山村と廃校」の取材がてら、同地区に住む翁や媼さん達を撮らせて頂いたものである。
取材の合間に撮影したものではあるが、徐々に撮影の対象がこちらに移っていくのは皮肉なものだ。
被写体としての魅力がより大きいからなのかも知れない。
@ 皆野町藤原地区の「F」翁80歳。
当地区の区長さん役でもある。
JFCの山村撮影会などでもお世話になっている。
この日はサツマイモの苗床作りに励んでいた。
A 種イモは、実は母屋の軒下に深〜く掘られた「室」に収蔵してある。
(深さは約2メートル)
こんなところは初めて見た。
B 今年は寒さが厳しかったせいか、収蔵中に悪くなってしまった種が多いそうだ。
奥さんがイモの端を少し切り、芽が出るか出ないかを調べているところ。
C 寄居町風布部落にて。
蝋梅が満開の頃。
D
図々しくも上がりこんで・・・。
皆野町立沢地区の「O」翁85歳ご夫婦。
今年「金剛石婚」を迎えられたそうである。
1枚下の写真を撮らせて頂いたら、是非寄っていけと勧められ、図々しくも上がりこんでお茶やらお菓子やらを色々とご馳走になってしまった。
奥さんも大変世話好きな方だった。
秩父にはこんな現代人が失ってしまったような優しさが今も残っている。
E O翁もかつては町会議員や森林組合の理事長を務められたことがあるそうだ。
しかし、そんな「役職」の面影も現在は全然なく、好々爺の印象しか残らない。
F 皆野町藤原地区の「Y」媼。
以前発表して好評だったので再掲載する。
サツマイモの収穫中スナップさせてもらったものだ。
G 皆野町重木地区の「N」翁夫妻。
この翁のご先祖は中庭蘭渓といい、有名な秩父事件の思想的礎を築いた人である。
この日は奥さんが町までお出かけで送っていく所を撮らせてもらった。
後日写真を届けに行ったら、奥さんからお茶やらお土産やらいろいろと頂き、大変恐縮してしまった。
H 旧両神村、現・小鹿野町の前の前の村長さんである「Y」翁80歳。
国民宿舎の建設や日中友好施設の誘致など、半生を村の近代化に捧げた人である。
既に村政からは引退して、山仕事に向かうところを撮らせてもらった。
I 皆野町藤原地区入り口にある巨大な鉄製水車。
何に使ったのだろうか。
J 再度、立沢の「O」翁と旧両神村の「Y」翁にご登場願おう。
「Y」翁の方は丁度1年前に撮影したものである。
今年もまだ元気でおられると思う。
秩父の山村取材を始めて2年になるが、写真という媒体を使えば、今まで縁もゆかりもなかったこうした翁や媼たちとも「また撮りに来たよ〜。」「そうかい、そうかい、まあ寄って休んでいきなよ。」という間柄になることができる。
ある意味で「写真すること」の大きな喜びだ。
この写真群に登場の「O」翁は2006年12月に逝去されました。
享年86。
謹んでご冥福をお祈り致します。

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