2007/10/20 | 投稿者: KINOSHITA

 きょうは吹奏楽の殿堂「普門館」に行って、全日本吹奏楽コンクール・中学の部の審査をしてきました。審査員を務めるとき気をつけることは「遅刻しないこと」に尽きます。数年前、大阪国際会議場で一般の部の審査をしたとき、ぎりぎりに到着して事務局の皆さんをひやひやさせてしまったことがあるので、今日は集合時間の30分前にホールに到着しました。やればできる!

 このコンクールの面白いところは、同じ中学校の部でも午前の部と午後の部で審査を別々にやるところですね。午前の部で金銀銅、午後の部でも金銀銅、と別々に表彰式もやるので2つコンクールをやることになります。これだと抽選でどの順番に当たるかが結果を大きく左右しそうな気もしますが、それがコンクールの面白さといえるかもしれません。それに一日30団体通して順位をつけるより、午前、午後に分けたほうが聴き比べは集中してできますね。

 ブログなので、個別批評は書けませんが、大まかな感想をいくつか。

 とにかく中学生とは信じられない素晴らしい演奏の数々でした。生徒の皆さんの努力はなんといっても素晴らしい。でも同時に先生方、指導者やトレーナーの方、OB、保護者、いろんな大人の皆さんのバックアップにも頭が下がりますね。立派な楽器をあんなに揃えるだけでも大変な上、全く初心者の中学生たちをあそこまで短期間で育て上げるんだから凄いものです。いったいどうすればあんなに上手くできるんでしょうね。出演の先生方おめでとうございます!今日の結果はどうあれ「普門館出場」は一生の勲章です。

 こういうコンクールの場で聴き映えのする、よく鳴って変化もあって最後に怒濤のクライマックスが来る骨格のしっかりした名曲ってそう沢山あるものではないので、クラシック編曲だと作品がある程度決まってしまうようです。とりわけ最近は(昔のことは知らない)歌劇や喜歌劇の華やかな編曲が人気です。今日演奏されただけで「イーゴリ公」「サロメ」「トゥーランドット」「伯爵夫人マリツア」「モスクワのチェリョムーシカ」「ロシアの皇太子」「こうもり」「ジャンニ・スキッキ」「フェドーラ」。どれもメロディが流麗な上、楽しかったりドラマチックだったりで聞き応え充分。
 今年は特に後藤洋さんの名アレンジによる「トゥーランドット」を4団体も演奏してました。4度聴いても歌わせ方が上手いと聴いてうっとりしますから、皆さんが演奏したい気持よくわかります。バレー音楽も2団体あったし、そのほかも表題音楽が多かったのは、やはりストーリーがはっきりしたほうが音楽が想像しやすいんでしょうか。

 邦人オリジナル作品も2団体演奏してました。中橋愛生さんの「科戸の鵲巣」(しなとのじゃくそう)と真島俊夫さんの「三つのジャポニスム」。どちらも骨太な骨格ででクライマックスが見事に盛り上がる名曲ですね。やはりクラシックだけでなく邦人オリジナルを堂々演奏してくれると、同じ作曲家として嬉しいです。

 技術的にはどの楽器もよく練習して安定していましたが、最終的には音色、しかも大音量の場面でハーモニーを支えるのは金管楽器なので、金管が(オーバーブローにならずに)しっかりしたいい音を出せてハーモニーのバランスもいいと、音楽に厚みと奥行きが出て、他に一歩差をつけることができるように思いました。特にトロンボーンの音とハーモニーのバランス、それに打楽器を注目して聴きました。私は作曲家ですから、楽譜を正確に演奏するだけでなく、そこからいかに作曲家の欲する音楽の流れや表情を導きだせるか、ということにも注目しましたが、いや実に堂々と素晴らしい音楽になっている団体が多くて感心しました。

 ところでひとつだけ疑問が。吹奏楽コンクールを審査するといつも思うのですが、どうして男子がほとんどいないんでしょうか。女子はみんな堂々とカッコいいので嬉しいし頼もしいんだけれど、世の中男女半々なんだから、せめて四分の一くらいは男子がいてもいい気がします。

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