2008/11/25 | 投稿者: 木下牧子

 前回から10日も経ってしまいました。いろいろなことがあったのですが・・9月末までの超ハードスケジュールの疲れがまだ取れ切れないのか、何をやるのも億劫です。そろそろスパートをかけないと年内締切を全部落とすかも。
 
 話は半月前にさかのぼりますが、11月3日は神野靖子さんのソプラノ・リサイタルがありました。とにかく素晴らしい美声をお持ちで、しかも日本語のディクションがとてもクリア。詩の内容と豊かな音楽とが密着して聴き手に届いてくる歌い手はそう多くはありません。私の曲は先月リリースしたCDにも収録されている「C.ロセッティの4つの歌」全曲が歌われました。何度もステージで歌ってくださっているので、すっかり神野さんの歌になっていて作曲家としてもゆったり味わって聴かせていただきました。会場は虎ノ門のJTアートホールで、ここで歌曲を聴くのは初めてでしたが、上品で素敵なホールで、残響もちょうどよくて神野さんの美声が映えました。例によって小原孝さんのピアノも冴えてました。

 19日には日本歌曲界の大御所・瀬山詠子先生主宰「詠の会」のコンサートが上野の旧東京音楽学校奏楽堂でありました。諸井誠、林光、三善晃、末吉保雄、浦田健次郎、尾高惇忠、香月修の各氏という蒼々たる顔ぶれに私、そしてなかにしあかねさんの9人の昭和生まれの作曲家作品特集でした。
 私の曲を歌ってくださったのは今大人気のハイ・ソプラノ幸田浩子さん。私の作品から「風」を歌った歌を数曲ピックアップして演奏してくださったのですが、圧巻だったのは「風が風を」という曲。短いけれどドラマチックな曲を、さすがオペラ・シンガーだけあって圧倒的な声量と表現力、最高音Bでも歌詞がはっきり聴こえるディクションで歌ってくださいました。本当に素晴らしい演奏でした。あとで皆さんから「いい曲ですねえ」と褒められました。幸田さんは今オペラで引っ張りだこのソプラノで最近リリースのCDもヒット中。今後のご活躍が本当に楽しみな方です。
 
 よく考えると、今年はかなり多くの声楽リサイタルで私の作品が取り上げられました。ここ数年その傾向にはあったのですが、今年は一番多かったかなあ。それも日本語歌唱に優れた皆さんのリサイタルが多かったので嬉しかったですね。'99年に初めて歌曲作品個展を開いてから丁度10年。楽譜は4〜5年前からよく動いているのですが、ここにきて実感として歌われている手応えを感じます。ようやく努力が報われつつあるというか・・。

 今年は12月12日にもうひとつ歌曲の初演があります。「青の会」(東京文化会館小ホール)という、畑中良輔先生主宰の名門団体からの委嘱でかなり緊張しました。書いたのは短い曲一曲なんですけどね。名手・平野忠彦先生に歌っていただけることになっていて今から楽しみにしています。

2008/11/15 | 投稿者: 木下牧子

 11月7日、11日の2日間、池袋にある東京音楽大学に行ってきました。この大学は毎年学内で本格的なコンクールを開催していて、今年は声楽部門とピアノ部門のコンクールがありました。私は声楽部門の審査員。なにゆえ私が声楽・・という疑問はさておき、若手声楽家たちのフレッシュな演奏をたっぷり聴いてきました。
 2年前にも一度伺ったのですが、今回は東京音大100周年記念の立派な建物が完成していて、コンクールはその中のホールで行われました。建物内部はかなり斬新というか、5階くらいある建物が全部吹き抜けで非常に開放的。いたる所にテーブルと椅子があるので、つい座ってドーナツでも食べたくなってしまいます。吹き抜けを空中回廊が通っていて、未来的というか不思議な空間です。
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 エッシャーの絵に出てきそうな階段を上がって2階の扉を開けたら突然立派なホールが出現してびっくりしました。

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 学内コンクールといっても、オペラアリア5曲と歌曲5曲のあわせて10曲を用意しないといけない本格的なもので、かなりよく勉強していないと入賞どころかエントリー資格を得るだけでも大変そうです。
 本選に進んだ5人はさすがに声も演奏も安定していて、学生というより一人前の声楽家の雰囲気がすでにありました。特に、一位を受賞した佐藤優子さんの堂々たるアリアには感心しました。本選で歌曲に中田喜直作品を選んだ方が2人いたのですが、2人とも日本語を美しく歌ってくださったのも嬉しかったですね。若く優秀な皆さんの今後の活躍が本当に楽しみです。

2008/11/13 | 投稿者: 木下牧子

 先週の土曜日・8日に「SINGERSなも」の定期演奏会を聴きに名古屋のしらかわホールまで行ってきました。「光る刻」男声版の委嘱初演を聴くためです。長いフレーズと厚いハーモニーを緊張感を持って歌い上げなければならない組曲ですが、本番はエネルギッシュで表情豊かな素晴らしい初演となりました。「SINGERSなも」は音楽のフレーズの作り方がとても上手い合唱団なので、「光る刻」で一番難しい(そして私が一番好きな)「鹿」も本当に久しぶりに心に響く見事な演奏を聴きました。会場の皆さんにもとても好評だったようです。高須道夫先生がわざわざ楽屋までお見えになり、演奏と作品を褒めてくださいました。日本人て良いと思ってもあまり表情に出さない人が多いので、言葉にして褒めていただけるのって本当に嬉しいです。

 一昨年「わたしはカメレオン」の委嘱初演の打ち上げのとき、指揮者の片桐真さんから「光る刻」は男声に向いているので是非アレンジしてほしいというお話がありました。そのときはあまりピンとこなかったのですが、こうして初演してみると、確かに片桐さんのおっしゃるとおり「光る刻」って男声版に向いているかもしれません。いい演奏だったから向いていると思うのかもしれませんが。たぶん出版されると思うので、そのときはまたご紹介しますね。

 そんなことで打ち上げも二次会まで「SINGERSなも」の皆さんとご一緒して楽しく過ごしたあとホテルに宿泊したのですが、用意していただいたのが名古屋マリオット・アソシアの高層階のとてもいいお部屋でした。私は宝石などには全然興味ないのですが、いいホテルに泊まるのは大好き。今回のお部屋は客室からの眺めといい、部屋の作りといい、最近宿泊した中でもとりわけ気に入ったお部屋でした。

 寝る前にちょっとだけと思って大画面テレビをつけたら、ものすごく奇妙なアニメーション映画をやっていて、つい引き込まれて最後まで見てしまいました。数年前に日本でも封切られた「ベルヴィル・ランデブー」というフランス映画なんですが、私は全然知りませんでした。とにかく出てくる人物は善玉も悪玉もみんな、特徴的な部分だけ極端にデフォルメしたようなグロテスクな容姿で、主役のおばあさんだけは老眼メガネの奥の目が大きくて、辛うじて可愛いと思えなくもない、という程度。可愛いキャラクターだらけの日本のアニメとは大違いで非常に「毒」が強いんだけれど、ドライで妙に魅力的。(日本のアニメも、深夜に放送している作品で時々個性的なテイストのものがありますけど)特に音楽の使い方は面白いです。おばあさんの弾くピアノがアヴァンギャルトで。こういう映画を作ってしかも大ヒットする国というのは侮れませんねえ。

2008/11/6 | 投稿者: 木下牧子

 先月末とこの3日にソプラノの素晴らしい演奏会を2つ聴きました。全然傾向は違うのですが、声って本当に魅力のある楽器だなあと改めて感じました。が、そのことは次回書くとして、今回は先月の大阪での全日本吹奏楽コンクール審査のあと、今年初の「完全オフ」旅行を決行、奈良を楽しんだ話をしたいと思います。いいネタがあっても少し怠けているとすぐ書くタイミングを逸してしまいます。

 4〜5年前にも大阪で吹奏楽関係の仕事をしたあと奈良に出掛けたことがあって、そのとき訪れた奈良公園、東大寺や春日大社、法隆寺などがあまりに素晴らしかったため、今回も奈良を再訪しました。わずかに紅葉の始まった奈良公園は緑豊かで池も多く野鳥も多くて素晴らしかったです(今回は車が多いのに閉口しましたが、秋の観光シーズンだけだそうです)。

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奈良ホテルそばの荒池にいた小サギ。

 東大寺は日本でもっともポピュラーなお寺の一つですが、ポピュラーなのにはそれだけの理由がありますね。何度訪れても素晴らしいお寺です。南大門、金堂と有名な大仏、二月堂からの景色、どれもが雄大で力強く美しい。ほとんどの仏閣で内部の写真撮影は禁止されている中、ここの大仏だけは撮影OKなのも嬉しいです。

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まず鹿がお出迎え

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国宝の東大寺南大門。
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金堂内は撮影OKだが、薄暗いので上手く写せない

 しか〜し!今回ちと時期をまちがえました。前回はたしか6月の梅雨時期で観光客はとても少なく、水田はうっとりするほど美しく、お寺では静かにじっくり建造物や像と向かい合えて本当に命の洗濯ができたのですが、今回は10月末・・。「修学旅行」のことをすっかり忘れていました。

 ちょっと奮発して宿泊した奈良ホテルにはさすがに子供さんはいませんでしたが、それ以外のあらゆるところで山猿のごとく元気な小学生の皆さんの集団が・・。修学旅行で奈良を訪れる子供の年齢が下がってきているのか、制服姿の中学生、高校生はほとんどいず、私が遭遇したのはほとんど「小学生」。
 東大寺では何と幼稚園児の遠足に3団体も遭遇しました。まあ幼稚園児なら可愛らしいし父兄も付き添っているのでいいのですが、問題は元気を持て余した小学生男子の皆さん。奈良公園の至る所で鹿を取り囲みちょっかいを出す皆さん。秋はオスが発情して気が荒くなっているのに構わずしつこく追いかけ回した挙げ句、(角は切ってあるが)反撃の頭突きをされて尻餅をついているお子さんもいました。やれやれ。

 そんな大騒ぎの奈良公園ですが、春日大社に向かう裏道に入ると全然混んでいなくて、大木が茂り苔むした灯籠がならび、空気もひんやりしていていにしえの時代をしのぶのに最適です。夕暮れになるとちょっと怖いかもしれませんが。

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 春日大社では鹿みくじを購入。おみくじには関心ないのですが、ミニチュア民芸品は大好きなので。かわいいでしょう?

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 関心ないとはいえ少々ドキドキしながら鹿のくわえていたおみくじを開いてみたところ「大吉」!春日大社のおみくじですからきっといいことあるに違いありません。

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2008/11/1 | 投稿者: 木下牧子

 9月にリリースした歌曲CD「C.ロセッティの4つの歌」でタイトル曲「C.ロセッティの4つの歌」を歌ってくださったソプラノ神野靖子さんのリサイタルが11月3日(月・祝)JTアートホールアフィニスで開催されます。私のCDリリースに合わせて、演奏プログラムに「C.ロセッティの4つの歌」を入れてくださっていますので、生でお聴きになりたい方はぜひお出掛けください。神野さんの美声はライブで聴くとさらに素晴らしいですから!ピアノは名手・小原孝さんです。

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【神野靖子ソプラノリサイタル】
歌、秋の陽ざしにきらめいて

 日時 11月3日(月・祝)開場13:30/開演14:00

 開場 JTアートホールアフィニス
    (地下鉄銀座線「虎ノ門」駅3番出口より徒歩4分)

 出演 神野靖子(ソプラノ) 小原孝(ピアノ)

 曲目 滝廉太郎 「秋の月」(山田耕筰/編)
    石桁真禮生 歌曲集「秋の瞳」全曲
    中田喜直 「桐の花」「たんぽぽ」「甍の上」
    木下牧子 「C.ロセッティの4つの歌」 他

 チケット 一般    ¥3,000(前売)¥3,500(当日)
     高校生以下 ¥1,500(前売)¥2,000(当日)

 お問合せ 直樹企画 03-3398-6699

詳細はマネジメントにお問い合わせになってからお出かけください。